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魔法使いの夜

 全く、欠片も具体的なアイディアが浮かんできません。

 研究室の机に向かっても、頭の中は真っ白け。

 机の角に彫られた正牙、フィルの相合い傘が容赦なく私のやる気を削いでいきます。

 こんな時は気分転換に本でも読めば…時間を無駄に失うだけですよね。

 大掃除の時に古新聞の社説欄を熟読してしまうのと一緒です。


「おっ、まだ悩んでのか?夜更かしは髪に悪いぞ」

 入って来たのは腰にバスタオルを巻いただけの久郎。

 暑苦しい風呂上がりイベントでさらにやる気がダウン。

  

「そこは普通体に悪いとか、肌が荒れるだろ?魔法は出来たんだけど、それをマジックアイテムに転用するとなると上手くいかないんだよ」


「あー、悪い。大切な生え際の肌に悪いぞ。ショウガ、ビールもらうぞ」

 久郎はそう言いながら冷蔵用マジックアイテムからビールを取り出しました。 


「発泡酒にしろ、発泡酒に…人が頑張ってる時に旨そうに喉を鳴らしやがって。かこちゃん達は寝たのか?」 

 

「かこ達はカミカさんと話をしてるよ。夜だからお前か確信を持てなかったみたいだけど、怪しんでるみたいだぞ。しっかし、禿げ魔法使いとは傑作だな」

 カミカさんが私を怪しんだのが禿げ魔法使いが原因じゃない事を祈ります。


「かこちゃんと紅葉なら上手くやってくれるだろ。私はもう少し、研究するからそれを飲んだら寝ろよ。明日から朝一で三米君と一緒に特訓をするからな」


「随分と三米に目を掛けるんだな。お前の正体がばれるぞ」

 久郎はビールを持ったまま、ベッドに腰を掛けました。

 足を組んだりしたら、マジックボールで久郎のゴールデンボールを撃ってやりましょう。


「大好きな彼女の王子様やヒーローにはなれなくても、彼女のピンチに駆け付ける騎士にはしてやりたいからな。久郎、お前もかこちゃんを守りたいんなら覚悟しておけよ」

 二人共、大事な人を守れるくらいに強くなってもらわないと。


「分かったよ、また砂山さんか?」


「いや、砂山さんは三米君に見せれないから私が直接教えるよ」

 私も近接戦のリハビリになりますし。

 

――――――――――――――


 久郎との会話が気分転換になったのかマジックアイテムは、なんとか完成しました。

 

(のってる、今の私はノリにのっている。今なら新魔法の二つや三つ作れる筈)


 そこから時間を忘れて新魔法の開発に没頭。


「せい君、おはよー。みんな、待ってるよー。って凄い(くま)とお髭」


「うん?紅葉?カミカさんとの話は終わったの?」

 いつの間にか、紅葉が研究室に来ていました。


「終わったも何も、もう朝だよ」

 どうやら、久しぶりにやらかしたみたいです。


「どうやら久しぶりに徹夜したみたいだな。顔を洗ったら行くよ」

 研究室には窓がないから、時間の経過が分からないんですよね。


「せい君、寝なきゃ駄目だよ。みんなには私が話しておくから。もう、一人にすると、これなんだから」


「大丈夫だよ、眠気を覚ます魔法があるから…おうっ!!マジ?」

 洗面所の鏡を見てビックリ。

 鏡の中の私は額が寂しいのに髭だけが濃くて、まるでコントに出てくる泥棒。


「眠気を覚ます魔法を作ってまで研究をしてたの?」


「覚醒魔法は研究の為じゃないよ。夜の警護や連戦の為に開発したのさ…紅葉、今の私を見てひかなかった?」

 何しろ、鏡を見た私自自身がドン引きしたんです。

 ちなみに覚醒魔法を作った理由は、夜間警護や戦闘が長引くと、体と脳が疲れて強い眠気に襲われるからです。


「引くよりも心配しました!!机の上もこんなに、散らかしちゃって…これ、消さないの?」

 紅葉の指差す先にあるのは、フィルと私の相合い傘。

 当然、紅葉の目は笑っていません。


「それは自戒だよ。自惚れるなって言う自分への戒め。何時までも好きでいてもらえると自惚れて、世話になった人達にお別れもせずに帰って来た自分への戒めだよ」


「みんなに黙って帰って来たの?」


「私が日本に帰るなんて言ったら大騒ぎになるからね。お別れを言ったのはオリヤンとオリヤンの守護騎士のプリーゼ、そうちゃんの守護騎士シェルム。私の師匠のナトゥーラ様。 そして今から行くリヤンの王イッポ・ポータモだけさ」

 ちなみにナトゥーラ様は、根性と性格がひん曲がって前衛芸術みたいになっているエルフ。

 御年四百才のお(つぼね)…キャリアウーマンエルフ。


「フィルさんはせい君がいなくなってビックリしたかな?」


「きっと、私がいなくなってホッとしたんじゃないかな?それか振られて逃げ帰った情けない奴と思ってるかもな」

 正確には私を殺さずに済んでホッとしたんでしょうけど。

 

――――――――――――――――


 ラドロの町は未だに目覚めず静けさに包まれていました。

 待ち合わせ場所の玄関には久郎とかこちゃん。

 そして、三米君。

(へー、やるな。これなら鍛え甲斐がある)


 三米君は長かった髪をバッサリと切っています。


「兄貴、よろしくお願いします」

 三米君は私を見つけると、体育会系のノリで大きな声で、私に頭を下げてきました。

 腕時計を見ると、今は朝の四時。


「まだ、朝が早いので静かに行きますよ」

 周りに迷惑ですし、カミカさんに見つかりたくないですし。

 今日の出発予定は十時ですから、たっぷりと訓練が出来ます。


「モミジちゃん、カコちゃん、こんなに朝早くどこに行くんですか?」


「カ、カミカちゃん!?」

 マジですか…。

地文が少ないと言われて頑張りましたが、これが精一杯です。

文才が欲しい。

感想で暇潰しに読んで、損をしたって書いた人は、この作品や違う作品を読んでるんだろうか?

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