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魔法使いとイニシアチブ

 もし、亭主関白の人がいたら是非聞きたいです。

 なんで、そんなに強気になれるんですかと。


「せい君!!紅葉のお話を聞いてるの?どれだけ紅葉が心配したか分かってる?」


「キングレオは何回も倒してるから、平気かなって思いまして」

 亭主関白のての字もない私は宿の部屋で正座をしながら紅葉に叱られています。

 決して、怒った紅葉の迫力にビビったとか紅葉に言われたからじゃありません。

 真剣に人の話を聞く時は正座が基本なんです。

 紅葉のアイコンタクトに従ったのは否めませんが。


「せい君は魔法使いなんでしょ?なんで正面からライオンさんと戦ったの?」


「あれが一番町に被害が少ない戦い方なんですよ。それに今回はティマーの秘密を探るのが目的だったんだし…お前もそう思うだろ、久郎?」

 私は親友に助けを乞います、だけどお前は本当に良い奴。


「満中さん泣いていたんぞ。きちんと叱られておけ」


「ここは親友に助け船をだす流れだろうが!!」「せい君!!私の話はまだ終わってないよ」「はい、分かりました」

 話の流れを変えようとしたら、すかさず紅葉のコンボが決まりました。


「おー、流石は鬼の満中。ショウちゃん、紅葉は薙刀部の後輩から鬼の満中先輩って呼ばれてるんだから、覚悟した方が良いよ」

 私の目にも紅葉の頭から角が生えているのがハッキリと見えます。


「伝説のジャスティスファング様も愛しの彼女には逆らえないってか。それでどうやって、あのライオンを倒したんだ?あん時、火も雷も見えなかったぞ」


「あれは氷系の魔法の応用で、キングレオの水分を一気に吸いとったんだよ。早い話が脱水状態にしたんだ」

 ちなみに私の足は麻痺状態。


「なんで、わざわざそんな事をしたんだ?」


「火炎系を使ってキングレオが暴れでもしたら近くの建物に燃え移る危険性があるし、大地系は整地をしなきゃいけなくなる。何より無傷の状態でキングレオを解体をすれば動かぬ証拠が出てくるからな」

 ちなみにキングレオは冒険者ギルドに運ばれています。


「せい君、それってまさか!?」


「そっ、キングレオの餌になった人の骨とかが出てくると思うよ。さてと、私は新しい魔法とマジックアイテムの開発をしに研究室に籠るから」

 出来るだけ自然に、痺れている足を誤魔化す様にして立ち上がります。


「せーいーくーん、まだ話は終わってないよ。もう、誤魔化されないんだからね」


「ご、誤魔化すって何の話です?」


「デートに遅刻した時に急にお仕事が入ったとか、メールのお返事がなかった時に配達が遅れたって、嘘をついて誤魔化したでしょ?夏子ちゃんから聞いたもん!!せい君の会社に休日出勤はないって」

 なんで女の人って、ケンカの時まで切り札を温存するんでしょうか?


「ショウちゃん、正直に言った方が良いよ」

 こんな時の女の人達の連携って凄いですよね…ちなみに私の親友(くろう)は目を逸らして口笛を吹いています。


「デートに遅れた時は前の日に久郎と遅くまで飲んで寝坊した時かな。それで返事が遅くなった時も久郎と突発で飲みに行った時かと。ほら、その頃、久郎に紅葉の事を言ってなかったから断り辛くて」

 きっと美味しい生ビールと焼き鳥がいけないんです。


「浮気はしてないんだよね?女の子がいるお店には行ってない?」


「モテない私に浮気なんて無理だよ。それと久郎と飲むのは居酒屋だけだし」

 最初の居酒屋飲み放題終了、次の居酒屋飲み放題、ラーメンがお約束のコース。


―――――――――――――――


 お説教フルコースが終わると、紅葉とかこちゃんは研究室のお風呂に行きました。

 当然、部屋に残ったのはおっさん二人。


「随分と叱られたな。俺の方が歳上なんだぞ、とか言い返さないのか?」


「なんだよ、そのダサい返しは?あれは私を想っての言葉だからな。むしろ嬉しいぐらいだよ」

 どうでも良かったら怒らないんですから。


「叱られてノロケかよ。それでティマーの事は何か分かったのか?」


「ああ、ティマーは指先に魔力を込めて魔物の額にサインをするらしいんだ。当然、サインをするには屈服させるか交渉をしなきゃ無理。そしてサインはティマーによって違うらしい。高位のティマー程、サインも複雑になるそうだ」

 ちなみにキングレオの額にはティマーの名前が刻まれていました。

 

「目を見ただけで、そこまで分かるのかよ。プライバシーも糞もねえな」

 

「今になって、何で師匠がアーツの事は他人に話すなって言ったのかが分かるよ」


「それで、新しい魔法は作れそうなのか?」


「理論上はな。問題はマジックアイテムの方なんだよな」

 新しい魔法を作って効果の確認をして、それを基にマジックアイテムを作らなきゃいけないんですが。


「なんか問題でもあるのか?」


「ティマーの契約に干渉するには、書かれたサインを消すか上書きしなきゃいけないんだよ。私の魔力なら大抵のサインは消せるし上書きが出来るんだけども、誰にでも使えるマジックアイテムにするには問題があるんだよ」

 しかも私が不得意とするジャンルです。


「何が問題なんだ?」


「ティマーが契約を解除するには、同じサインを額に書かなきゃいけないんだよ。つまり、他人の筆跡を再現する必要がある」

 私、絵も下手ですけど字も汚いんですよね。

久しぶりの更新です

なんとか皆さんの言葉でやる気が戻りました。

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