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久郎の告白、笑えない展開

 仕事を終えて久郎との待ち合わせ場所に行くと遠目からでも直ぐに分かる男がいました。


「久郎、いきなり飲みに行こうだなんてどうしたんだ?」


「どうせ暇だから良いだろ?かこがお前の話し方が気持ち悪いって言ってたぞ」

佐藤久郎、身長190超えで体格もゴツく顔には分厚い髭。

見た目は完璧に熊ですね。


「社会人なら公私を使い分けて当たり前だろ?ましてや学校で会社の後輩もいたんだし」


「学校にいた時かこの周りに男や変な集団はいなかったか?」

相変わらず心配性と言うか焼きもち焼きと言うか。


「補充にそんな時間が掛かる訳ないだろ、行くぞ。そんなに心配ならきちんと捕まえておけ」


「俺は親父とお義母さんにかこの事を頼まれてんだよ…ショウガ聞けや、こら!!」


いい加減素直にかこちゃんの事が女として好きだって…言える訳ないですよね。

義理とはいえ兄妹で年も離れてます…年が離れた恋人って世間の目が厳しいですし。


「やだよ、俺の体はビールと焼き鳥を求めてんの。これでかこちゃんに彼氏が出来たらどうするんだろうね」

確実に相手を殴りそうで怖いんですよね


_________________


 「生2つに串盛りを塩で、それとコーンバターと枝豆をお願いします」

普段は発泡酒ですから生ビールがことさら美味しく感じます。

気のおけない友達との会話も加わり4杯目のジョッキが運ばれてきた時でした。


「ショウガ、お前アウトドアが趣味だよな…もし、もしもだ。何もない田舎で何ヵ月も生活するとしたら何が必要になる?」

あれでしょうか?無人島開拓コーナーや無人島生活に影響されたんですかね。


「大まかすぎるよ。まっ、最低水と食料の確保。何もないってキャンプ場には炊事場があるから水は心配ないけどな」


「例えば全く知らない世界に行くとしたら何を持っていけば良いと思う?」

そこまで酔うほど飲んではない筈なんですけど。


「知らない世界って外国かどこか?…異世界なんて言わねえよな」


「言ったらどうする?」

久郎が妙に真剣な顔で見てきます。


「ぶん殴って監禁してでも阻止する。異世界に行くなんてゲームにはまる年でもないだろ?」

いや、まだゲームにはまっての発言の方がましなんですけどね。


「かこが異世界に行かなきゃいけなくなったんだよ。あいつを1人で知らない場所には行かせる事は出来ねえ。信じてもらえなくてもお前には言っておきたくてさ」

マジですか。


「ち、ちなみになんて世界なんだ?」


「エレメンって世界らしい…ショウガこんな話信じるのか?」

酔いも何もさめちゃいましたよ。

だって


「俺、中学の時にエレメンに行ってきた…中学の夏休み、お前がおばさんの実家に行ってる時に」

あれは中2の夏休み、私は異世界エレメンに召喚されたんです。


「はっ?それならなんでここにいるんだよ?第一お前そんなに変わってねえぞ」


「仕方ないだろ、俺は魔法使いなんだよ。地球にはマナが殆どないから碌な魔法が使えないんだよ…詳しく話を聞かせろ」

マナがない魔法使い、それはガソリンの入ってない車、お湯のないカップラーメン。

久郎の話をまとめると、かこちゃんのクラスにカミカ・インシュタルと言う少女が転校して来たのが始まりらしいです。

今の潮騒高校には才能がある子が多くいるそうでカミカさんはその何人かに接近して契約を結んだとの事。

異世界に行ってカミカさんに協力をするって契約だそうです。


「なんでそんな怪しい契約を結んだんだよ?」


「国を救う為の署名だって言われたらしい。かこが泣きながら話してくれた…約束を破れば呪われるって」

契約系のマジックアイテムですか。


「いつ行くんだ?」


「来週の土曜日に学校の校庭から行くらしい」

学校の校庭か…それなら大きめの魔方陣が構築出来ますね。


「すいません、おあいそお願いします。お前ん家に行って校庭に行くぞ」


「なんで家に?」


「アホ、おっさん2人で校庭に行ったら捕まるだろ」

まずは魔方陣の確認です。

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