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死亡フラグ?をたてましょう

 世の中には死亡フラグと言う物があります。

漫画や映画で、俺はこの戦いが終わったら~をするんだとか、脇役が君は僕が守ってみせるって言うと大抵悲しい結果になってしまうんですよね。

でも実際に命懸けの戦いをした事がある人間に言わせてもらえれば生に執着がある人の方が生き残りますし、守ってみせるは言った本人が生き残ってるんですから実際にはあてにはなりません…昔の恋人に言ったくさい台詞を忘れてもらえる魔道具が売ってたら絶対に買います。

 私はあえてこれから死亡フラグを立てる事でスムーズに城から出ようと思ってるんです。


「皆様にはこれからそれぞれのジョブにあった戦闘訓練をしてもらいます。ただ、皆様の中には戦いを嫌う人もいるでしょう、その人には身分保証をした上で10万ウルをお渡しします。しかし、今は非常時ですから戦わない方は城からは出てもらう事になりますが。ご希望の方がいらっしゃいましたらお早めに言って下さい」

カミカさんは物騒な事を表情一つ変えずに良い終えました。

早い話が、こっちの言う事を聞かなければ野垂れ死ねって事です。


「私は別行動をとらせてもらいます。貴方達の事は信用が出来ませんので」

私の言葉でざわめきが起こりました。


「赤井さんでしたね。言葉が通じるとは言え貴方のアーツはD級です。日本とエレメンを同じ様に考えているのなら死にますよ」

私のアーツは本当はSSSより上位のオリジンアーツなんですけどね。


「私は人に縛られるのは嫌いなんです。早く手続きをお願いします」

パニック映画で、こんな台詞を言った人が最初に死ぬんですよね。

でも、私の場合はサクセス神聖国に組み込まれる方がよっぽど死亡フラグがたっちゃうんですよ。


「ではご自由にどうぞ。お城を一歩でも出たら貴方に何があっても国では関与しませんから」

私はカミカさんから保証書を受け取り時空リュックを取りに自分の席に戻りました。


「ショウガ、お前本当に出て行くのか?」

流石に久郎も心配になったらしく私が席に着くなり話し掛けてきました。


「ああ、俺は事情が分からないまま国に組み込まれる訳にはいかないんでね。10万ウルあれば生活に目処が立つからな」

確か1ウルは1円ぐらいの価値があった筈、つまり10万円。

しかし、私にはお金を稼ぐ算段があります。


(お前と連絡をとる方法はあるのか?)

久郎が私に耳打ちをしてきました。

おっさんがおっさんに耳打ちなんて嫌がらせでしょうか?


(これを渡しておく。手に持つだけで使えるから何かあったら連絡をよこせ)

久郎に渡したのは通話石と言う私が昔作った魔道具(留守電機能付き)。

前はテレパスストーンって言ってましたが恥ずかしいので変えておきましょう。


_________________



 サクセス神聖国の首都サクセスシティ、又の名を石の都。

その名の通り、建物は赤レンガを使ったの物が主で石畳が町全体に敷かれており魔石を使った街灯もありました。

魔石はマナを多く含んでいる石で、火の魔力を込めれば調理や暖房に使用でき光の魔力を込めれば照明器具に使えます。

一見、便利な魔石ですが、込められた魔力を使ってしまえばただの石に戻ります。

そして、魔石に魔力を込めれるのは一部の魔法使いだけなんですよね。

私のお金算段は魔石です。

空になった魔石を道具屋で安く買って魔力を込めたら違う道具屋に売る、気を付けなきゃいけないのは一定額を稼いだら止める事です。

既存勢力と敵対したくないですし、地元の業者の生活に影響を出すのは好きじゃないんですよね。

…ウチの店は今度からモーさんじゃなくグ〇コさんに変えるとか、今は森〇さんが人気だとかトップバリューみたいに安く出来ないのとか言われて何度胃を痛めた事か。

まずは1個500ウルの魔石を20個購入。

魔力を込めたら1個5千ウルになったので10個だけ売りました。

後はギルドで戦闘のリハビリを兼ねて地道に稼いでいきます。


 次に探すのは宿屋です、気を付けるのは立地場所と外観。

歓楽街の近くにある派手な宿屋は色っぽいお姉さんの営業を黙認しますから避けます、あの手の宿屋は何もしないと怪しまれますし壁が薄いからゆっくりと眠れないんですよね。

お城近くの豪華な宿屋は貴族専用ですからパス。

私が選んだのは問屋街にある商人御用達と言う宿屋。

長期逗留も可能な上に防犯がしっかりしていますし、何よりも商人は情報を持っています。

案の定、1階の食堂では盛んに情報交換がされていました。

私がご飯を食べていると、恰幅の良い男性が話し掛けてきました。


「あまり、見ない顔ですね。サクセスには何をしに来られたんですか?」


「私は修行中の魔術師なんですが路銀が尽きたので自分で魔力を込めた魔石を幾つか売りに来たんですよ。それにこの宿に泊まれば次に目指す町を決めれますからね。色々と物騒な話を聞きましたし」


きな臭い町程、儲け話がありますから商人は各国の情勢を把握しています。


「ほう、チャージが出来るんですか。よろしかったら魔石を見せてもらえせんか?」


「拙い物でお目汚しになりますが」

魔石を見た途端、男の目の色が変わりました。


「これは素晴らしい。魔石の容量ギリギリまで魔力が込めてある、他にも魔法は込めれますか?」


「下級なら一通り込めれますが、よろしかったら空の魔石に魔力を込めしょうか?その代わりに世界の情勢を教えてもらえれば、何しろずっと修行をしていたもので世間に疎くて」

魔石は容量がありオーバーすると誤爆しやすくなります、そのギリギリを見極めるのが魔法使いの腕の見せ所。

そして商人は儲け話を独占したがります。



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