夜の砂漠
掲載日:2026/06/16
夜空を消しゴムで
ゴシゴシと削ってみたら
清しい蒼空がみえたので
急いで削りカスを集めて
その蒼空を塞いだ
街から遠く離れて
トボトボと夜の砂漠を歩く
どれほど歩いたか忘れたころに
蜃気楼がみえたむかし好きだったひと
水筒から水を飲み
生きてるだけでたいへんだなと
想っていた昨日までの記憶が
うっすらと消えてゆく
砂漠に虹は掛からないと想っていたが
月虹が静かに中天に浮いている
あれ、雨でも降るのかな
ひとりよがりだもんな地球なんて
夜だけが悲しみを覆いかくしてくれる
だから夜が好きだ
砂漠だけが罪を洗いながしてくれる
だから砂漠が好きだ
だから夜の砂漠が好きで
何処へ向かうわけでもなく此処へ来た
だから夜の砂漠が好きで
無色の空気が澄んで乾燥している此処へ




