第八十七話◆:宇宙へ旅立て
第八十七話
「……私の言うことを聞かないというのなら、雨乃零一君、君には宇宙に旅立ってもらう」
そんなことは言われていないが、退学してもらうといわれた。正直、俺はこの仕事を降りたかったが残念ながら運転手は途中下車を許さないという運転手にあるまじき性格の持ち主だった。
「……」
「……さ、今日から気合入れて張り込みますよ」
そして、妥協点として以下の条件が付与されたというわけである。『朱莉に危険が及んだ場合は良くて停学、怪我させたら退学』、一ヶ月以内に決着つかなかったら『警察に任せる、その場合、俺は停学一ヶ月』という……何とも、俺に条件が悪い代物となったわけである。
「な、なぁ、湯野花さん……」
「何ですか」
「俺、今回の仕事降ろさせてもらいたいんだけど」
「……友達としてお願いします」
「だって、俺だけ悪条件だと思うぜ。それに今回のは……」
「お願いしますっ」
「……わかった、わかった、わかりました。手伝いますって……」
「ありがとうございますっ」
あ~あ、言っちまったよ。やれやれ……本当、俺ってどうしようもない男だな。
――――――――
文化祭が終了したその日から俺は張り込んでいる。ストーカーにとって一週間も対象と出会えないというのは苦痛に違いないので怪しいやつはさっさと通報したりすることにした。今回の条件は(俺にとって)非常に大変なものなので……湯野花さんには指揮をとってもらうことにしている。つまり、自宅待機。俺が連絡をして湯野花さんが書類にまとめるというものだ。
「ん……」
動きを見せたのは二日目だった。二日目……二日目かぁ。湯野花さんの家に泊まることになって二日目ということでもあるな。鈴音さんと達郎さんには頭を下げながら事情を説明したのだがばたばたしていたために佳奈には説明が出来ていない。その結果として佳奈から送られてきたメールが『もうあんたなんかしらなう』というものだった。きっと、感情こもってメールしようとしたんだろうな。連打したのだろう……可哀想に。その後ちゃんと『もうあんたなんか知らない』と送られてきた。
話がかなりずれてしまったが、動きを見せたのは二日目だ。思った通りというか、依頼主の人に痴漢をはたらいたやつがストーカーでもあったのである。ストーカーしているその姿を見張っている姿は見ている人から見たらかなり危ないストーカーに見えているに違いない。
ともかく、その数日後無事に警察に連行されていったのを見送ったのだ。そして、問題が起こったのは更にその数日後……
――――――――
「おいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおい」
満が俺に詰め寄ってきたのだ。校内新聞と、地域に出ている新聞を持って。佳奈はいまだに怒っていて、話をしてくれないし、笹川も文化祭から現在進行形で俺と話をしてくれなかった。ニアは……どうだろう、最近学校に来ていないようで家にも連絡がつかない。
「おいおい、朝からどうしたんだよ」
「それは追々話すよ……じゃなくて、今話す。大変なことになってるよ」
そういって新聞を突き出した。
「何々……『我が高校の一年生、湯野花朱莉さんがストーカーを捕まえたという事で警察の方から感謝状を……』ああ、いいじゃねぇか。綺麗に写真に写っているな、湯野花さんも」
俺はこんなものが欲しくてやったわけじゃないのでもらえなかったのを悔しいなんて思っていないし、下手に顔が広まっちまうと色々とやりにくくなるからな。
「いや、そっちじゃないよ。もっと先のほうを読んでみなよ」
「どれどれ……『尚、このことは同学年の男子生徒が提案したそうだがその生徒は湯野花朱莉さんに全てを押し付けていたということで停学処分に処す』ってマジかよ」
一体全体、誰のことだろうか。
「湯野花さんの男の友達って言ったら零一しかいないよっ」
「待て、お前も友達だろ」
「残念、僕は彼氏候補生その一なんだ」
二人でぎゃーぎゃー騒いでいると放送が入った。
『一年G組、雨乃零一君。至急、校長室まで来なさい。繰り返します……』
「……」
「俺、早退しようかな」
「無理だと思う。大人しく行った方がいいよ」
しょ、しょうがねぇ。こうなったら冤罪だときちんと法廷で証言しよう。いずれ日の目が俺に当たって娑婆に戻る事も可能かもしれん。
戦々恐々とはまさにこのことだろうな。
サブタイトルが関係ないのは気にしないでください。仕様です。さて、無感の夢者さんに雨乃零一の画像を送っていただきました。あれをみて絵の勉強したいと思います。それと、新潟のアヒルさんからのネタの提供で第百話を改定しました。以下、元の第百話です。
第百話
満から渡された紙にはこんなことが書かれていた。
最高だと思うロボットアニメ名を書きなさい。
最高だと思うエロティックなアニメ名を書きなさい。
最高だと思うロリのアニメ名を書きなさい。
「おい、こりゃなんだよ」
「アンケートだよ。さっさとかいて」
「……」
以下、俺の答えである。
最高だと思うロボットアニメ名を書きなさい。
ドラ○もん
最高だと思うエロティックなアニメ名を書きなさい。
サザ○さん
最高だと思うロリのアニメ名を書きなさい。
ちび○こ
「わけがわからないよ」
「そりゃ見たままだ。ロボットは仕方ないだろ、次はわか○ちゃんのパンチラがアウト、最後の奴は長いからな」
「……まぁ、人それぞれだろうからね」
満は笑って俺から紙を取り上げる。そして、廊下へと出て行った。
「なんだったんだ……」
あいつは謎が相変わらず多い奴だな。
これはウソじゃありません。本当にこんなしょぼい第百話でした。ネタ提供、ありがとうございます。流石にそのままというわけにはいかないとおもって勝手に改定させていただきました。それと最後に、神技さんからの感想の返信でもいいましたが以前(生まれて初めて投稿した小説以降)の小説の誤字脱字を消していこうと思います。さて、これから完全な私事になりますが、ディスプレイを購入しようかなと思います。他の方の事情は知りませんが雨月の家は非常に厳しいためにゲームは基本的に禁止です。据え置きゲームは平日にしか出来ません。しかし、雨月も学生のために平日は大体いないため、かってもできないということでディスプレイの購入を考えたというわけです。部屋においておけば母親にばれそうになったときにすぐに布団をかけて隠すというまるで小学生みたいなアイディアですがいけると信じてやってみます。そういえば、以前も言いましたが感想いただいたら更新スピードが上がったりします。今回の後書きはおしゃべりでしたね。すみません、やりすぎましたか。三月二十一日日曜、二十一時十八分雨月。