表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
272/290

12:ロイヤル◆

12

 爺さんと会った後に家に帰りつく。

「ただいまぁ」

「おかえりなさい」

 うんうん、こういった受け答えっていうのは実に嬉しいもんだな。家に帰ったら誰かがいる………俺の生活じゃ一時期あり得なかったし、実に嬉しいものだ。

「零一様、お客様が来ております」

「客……へぇ、誰だよ」

 さしずめ、剣ってところだろうか。用事があるってわけでもなさそうだが………久しぶりに走るのもいいかもしれないな。

「ゼロワン様、お久しぶりです」

「なんだ02かよ」

「なんだ、とは失礼ですねぇ」

 風花と同じ格好をしており、似合うか、似合わないかと聞かれれば似合うと言ってやったほうがいいのだろう。

「02が来る時は大抵面倒事が起こる前触れだからな。どうかしたのかよ」

「それはそれでさらに失礼ですね。失礼度100ってところでしょうか。失礼度100というのは血も涙も通っていない人が言うセリフに値します」

 血も涙も通っていない02からそんなことを言われるのは非常に悲しいことなのだろう。

「つまり、俺は機械に相当とするって事だな」

「いや、計算能力も機械に劣ると思いますんで機械よりひどいですね」

「つまり、どういうことだ」

「ネジってところです」

「まぁ、それはいいとして用事があったから此処に来たんだろう」

「ええ、そうです」

 よくわかりましたねと言っているが02の考えていることぐらい大体わかるぜ。

「で、何だよ」

「実は最近ゼロワン様とお知り合いになられたよいのふちしずかさんですか」

「いや、よいのうち、せいだ」

 風花が置いてくれたコーヒーに口をつける。

「それは失礼いたしました。宵乃淵静さんとお見合いの日が決定したんですよ」

 コーヒーを遠慮なく目の前に座っている02に吹き付けてしまった。

「悪い、突然だったからやっちまった」

「いいですけどね」

 さっさと顔を拭き終えて02は笑った。

「今度の日曜日、しっかりと開けておくように麻妃様から言われていますんで」

「なるほどな、麻妃が言っていたのか。ところで、なんで俺がいまだにお見合いしているのかわからないんだが」

 てっきり、麻妃との話が終わった後はなかったと思っていたんだけどなぁ。

「零一様、念のためと言うのもあるかもしれません」

 それまで黙っていた風花が珍しく口をはさんでくる。普段は俺の後ろのほうに立っているんだけどな。

「念のため………ってどういうことだ、風花」

「零一様は高校を卒業後、A.S.Tに入ると聞いております」

「ああ、そうだな」

 行く先決まっているからこんなにゆっくりしているのである。あちらこちらに遊びに言っていたりするのだが、他の受験生たちは一生懸命勉強していることだろう。剣、宵乃淵さんも例外ではないはずだ。

「あそこに一度はいってしまうとなかなか抜けることが出来ませんし当然のように出会いもなくなりますから心配なされてのことでしょう」

「………何の心配だよ」

「一生、一人身の事が心配なのかもしれません。わたくしは零一様のお世話をするために一生お仕えしますが」

「そりゃどうも……しっかし、それが本当の考えなんだろうかなぁ」

 麻妃と話はつけているのだがちょっと怪しいものだな。

「02、他に麻妃が言っていた事って何かあるか」

「ご自分も参加すると言っていたぐらいですかね」

 ずずーっとコーヒーをすする02にため息をついた。

「麻妃が参加したところで何か起こるのかよ」

「さぁ、それはわかりませんが参加することに意味があると私は思いますよ」

 なんだそりゃ、運動会とかじゃあるまいし………。

「麻妃が俺のお見合いに参加してもあまり意味がないだろうに……まぁ、そりゃいい。これから俺が麻妃のところに行って詳しく聞いてくればいいんだし」

 立ち上がると02は笑うのだった。

「ゼロワン様、行ったところでどうするんですか」

「聞くだけだ、他に何かすることでもあるのかよ」

「いえいえ、私はここで待っておきます」

「02さん、私は零一様について行きますのでお客様が来たときはお願いします」

 風花は支度を始める。と、いっても玄関のほうへと向かっているだけだったりするが。

「お前は来なくていいのかよ」

「必要があったときは呼んでください。ゼロワン様のケータイには既に私の番号が記載されています」

「………いつの間に」

 確認してみるとあった。02と書かれているだけだったが番号もあるし連絡も取れるであろう。

「いやー、技術の進歩ってすごいですね」

「お前が言うとなんだか変な感じがするけどなぁ」

「じゃ、いってらっしゃい」

 適当に手を振る02をみてこいつは本当にあっちで仕事をしているのだろうかと無駄に心配してしまうのだった。


気合と根性があればなんとでもなるものなんですかねぇ。二日連続で更新できてよかったよかった。次回作の名前でも考えようと思いきや、そういえば『ハッピーエンドは底ですか?』にしようと決めていたんですね、忘れていました。サブタイトルは何にするかなぁと悩んでいますがそんなの悩むぐらいならさっさと書きすすめたほうがいいかもしれませんねぇ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ