08:暗がりに二人きり◆
08
「はぁ、これが旧校舎か」
「まるで隠れるようにして置かれているんですねぇ」
宵乃淵さんと二人で見上げる。そりゃそうだ、既存の校舎より大きく、趣がある。曇りつつある空とぴったりだし、趣があるといったが、それは晴れの日に見たときだけだ。
「聞いた話によると小学校と中学校が混ざったような感じだったそうです」
「なるほどな」
正面玄関にカギがかけられており小さく『入口は西口』と書かれていたためにそちらへと回る。
「両脇に教室があるから大きいんだな」
土足で入っていいかどうか悩んだのだが土足可と書かれていたので大丈夫だろう。というか、本当に侵入してくださいって言っているようなもんだな。
「しっかし、何か仕掛けられてるって言う割にはいたって普通だな」
バタン
「………」
「扉が………」
「しまりましたね」
反射的に西口の扉を開けようとしたが、びくともしない。
「なるほど、こりゃやられたぜ」
首をすくめて見るが自体は好転しないわけで他の二人からの視線がいたい。
「まぁ、まっすぐ行けば東口に出るだろうし、中からなら中央玄関だって開けることが出来るだろ」
「それはそうですが、ここをまっすぐ素直にいけるとは思えません」
剣の先には長い長い廊下が待っているが、長いと言えど、中央玄関へ着くと思われる曲がり角はしっかりと見えている。
「なんだか仕掛けがありそうですね」
「まぁ、どうだろうな。ちょっと走って行ってみる」
剣、宵乃淵さんからやめたほうがいいという言葉を背にもらいながら走っていく。
「意外とそうでもないかな」
そういった仕掛けがあるとは思えないし………と、足元がいきなりなくなった。
「あ」
っと、そういう前に俺は浮遊感、そして、そのまま落下していったのだった。どこへと聞かれてもわからない。聞くならば、地球の重力の赴くままに下へ下へと………。
「ごはっ」
そんなに落ちてない………上のほうにはまだ光が見える。
「いたたた」
強く打った太ももをさすりながらあたりを見渡すと碧で塗られた廊下があった。教室が近くにあり、『理科室』と書かれていた。
「なるほど、地下室が特別教室になってるのか」
そんな時だった。上から悲鳴が聞こえて、いや、落ちてきて、ドンと言う鈍い音がした。
「いたたた………」
「宵乃淵さんか」
スカートをめくらせてきているようだが、あいにく暗がりのために色を確認することができなかったりする。
「大丈夫か」
「はい」
立ち上がらせて怪我がないか確認してあたりを見渡す。
「剣はどうした」
「二階からなら大丈夫かと思って二人で階段をあがって、二階を歩いていたらわたしだけが落ちたんです」
「そうか………」
「はい」
きっと剣はうまく残っているんだろうなぁ。
「ともかく、一階が駄目なら二階、二階が駄目なら三階と………いずれはなんとかなるだろ。とりあえず、階段を探そう」
「そうですね」
暗がり、女の子と二人っきりと………いろいろと嬉しい状況ではある。やっぱり、不安なのか俺の手を握ってくれたりしている。
「なんだか丑ノ刻参りみたいで緊張しますね」
「…………」
普通の反応を期待しているわけじゃあないさ。うん、でも緊張しているって言うしさ、この状況を楽しむ事としよう。
「ついでにそこらへんの教室にも入ってみるか」
「え、ええ………何か出たらどうするんですか」
「さぁ」
「そんな無責任な………」
うんうん、こういうのを期待していたんだ。
さて、それじゃあ気を取り直していってみますかね。
さてまぁ、次回作を考えているといった気がするのでちょっとした予定なんかを……もしかしたらまた零一かもしんないですね。うん、たぶん違うとは思いますけどね。