07:各自のやる気◆
07
休日だが、中学校でも部活動が行われているようで俺のいやーな中学時代を思い出させてくれた。
「友達なんて出来なかったからなぁ」
中学時代、俺が打ち込んでいたことと言えば、他人を追跡するための様々なすべだったりする。一カ月の動向をつかんだり、情報を得たりとある意味青春を送っていたといっていい。もちろん、そんな俺に友達なんて出来なかったし、必要だとも思っていなかった。陰じゃいろいろと言われていたようだしこっちに転校してきたのはいいことだったのかもしれないな。
「あれ、零一さんじゃないですか」
「お、宵乃淵さんか」
私服姿とはいえ、真っ黒のワンピースにポケットにはまるで藁人形のようなふくらみがあったりする。
「こんなところで何してるんだ」
「それはこっちのセリフですよ」
「ん、ああ、そうだな。ちょっとこれからびっくりハウスに行くんだよ」
「びっくりハウスですか」
「ああ、ここの中学の旧校舎が仕掛けが満載らしい。ま、軽く言えば肝試しみたいなもんだな」
お昼にする肝試しなんて肝試しと言えるかどうか………まぁ、本場の廃墟なんて昼間だろうと他者を寄せ付けない雰囲気を出しているからなぁ。霊がいるとか、いないとかをさっぴいておいて廃墟は怖い。
「わたしも行っていいですか」
「いいぜ」
赤信号、みんなで渡れば怖くないというわけでもないがこういうのは人数がいたほうがいいだろう。
「ちなみに、誰を待っているんですか」
「吉田剣。剣の兄貴に電話をしていたらまぁ、こんなことになったってわけだ。大体、俺の友達は剣か、宵乃淵さんぐらいしかもうここら辺にはいないからな」
剣を待つ間、話すこともないので俺のことについてしゃべっておこうとふと思った。
「そういやぁ、俺もこっちに転校してきた生徒なんだよ」
「え、そうなんですか」
「ああ、一年生のころこっちにきたんだ。学校案内をしてくれたのはすっごくおっかない奴だったぜ」
「と、いうと………もしかして暴力的な不良さんですか」
なるほど、確かに暴力的だったといえばそうだな。
「確かに暴力的だったけど臆病な奴だったかな」
「え」
「友達から嫌われないようにびびっていた節があるからなぁ」
「変わった人なんですね」
宵乃淵さんがそう言ったので、改めて考えてみると確かに変な奴だった。
「そうだなぁ、俺の周りには変な人しかいなかったりするからな」
「類は友を呼ぶってことですね」
「そういうこと………って、それじゃあ俺が変な奴みたいじゃないか」
「あ、剣さんが来ましたよ」
はぐらかされたような気がしたが、まぁ、間を持たせられたのならそれはそれで構わない。宵乃淵さんが手を振る方向へと視線を向けて………目をひんむいた。
「………えと、あれは剣だよな」
「そうですよ、ちょっとすごい格好をしていますけど」
「そうだな」
どこかの道場を奇襲でもするのだろうか。あれは剣道をする時のスタイルである。しっかりと竹刀袋を肩にかけているところを見ると剣道少女だが、チェーンがあってその先にはスタンガンっぽいものまで露出している。
「こんにちは、一先輩に静さん」
「あ、ああ」
面具、籠手を付けていないのだが………まぁ、そこは置いておくとしよう。
「剣、似合うな」
「ありがとうございます………では、参りましょうか」
「………そうだな」
「はい」
今度、満に聞いておくとしよう、あいつはどんなことを言って剣を此処へと向かわせたのだろうか。
「一先輩、私は子供のころに遊園地のミラーハウスで不覚にも迷子になり、泣いてしまったことがあります」
「そうか」
「ですから、今後は絶対にそのようなことがないように努力してきたのです」
「すごいですね」
律儀にありがとうございますと答えているのだが、何をどう、努力してきたのだろうか。深く突っ込むとさらなる疑問符が目の前に現れそうで怖かった。
「まさか中学校に仕掛けがあるとは知りませんでした」
「ああ、そうか。剣はここの中学だったのか」
「ええ、旧校舎の噂ぐらいしか聞いていませんでしたからね」
さぞ、その時に旧校舎へ剣が行っていたらすごい事が起こっていたのかもしれないな。
いつか言っていたゾンビのゲーム。まだ1もクリアしてないというのに2を買ってしまいました。しかしまぁ、精神力のなさというかなんというか、一時間やっただけでへばってしまいました。ゾンビに囲まれどうすればいいのか分からず右往左往しながら逃げまどい、かみつかれて危うくやられそうになったりと………ね、ああ、そういえばこの小説を一から読み直していたりもありました。うん、最初のころのほうが面白い。今、全然だめ、駄目すぎる。状況を打破するにはどうすればいいのか探す毎日が続いております。