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06:旧校舎へのいざない◆

06

「あ~、暇だ」

 日曜日、とくにすることのない俺は高校三年生とはいえ、アパートでごろごろとしていた。テレビも特にこれと言って面白いものもないし、風花も掃除などで忙しいので相手してもらえなかったりする。

「零一様、麻妃様がA.S.Tのことについて勉強しておいてほしいとも言っておられましたが」

「ああ、そりゃ昨日の晩にちゃんとやったぜ」

 俺は高校を卒業したらそっちに行くので受験勉強をする必要はない………といっても、一応のところはある程度勉強してないと入れてもらえないらしいからな。まぁ、一般企業とかそういう有名なものとは無縁のところなので本当に一部の人間しか知らず、ライバルは今のところいないらしい。

「暇だからちょっと出てくるわ」

「いってらっしゃいませ。いつ頃帰宅予定でしょうか」

「そうだな、まぁ、夕方ぐらい」

「承知いたしました」

 どこに行こうかなと考えつつも、アパートを後にする。ふらふらと出歩くってのもなんだか嫌なのでしっかりとした目標を立てることにした。

「………よし」

 携帯電話を手にして電話をかける。数度のコール音の後にため息交じりの声が俺の耳に入った。

『なんだい、零一』

「いや、久しぶりに何してるんだろうなと思って電話してみただけだ。何もそんな嫌そうな声を出さなくたっていいだろうに」

 満はいま一人暮らしをしているそうで自由を謳歌していることだろう。

「んで、何してるんだ」

『そうだね、美女に囲まれて実に嬉しい毎日を送っているよ』

「そうか、俺の質問とまったく違う答えを返してきたところをみると本当のようだな」

 向こうからは『誰、誰からの電話なの』といった女の声がする。ふむ、うらやましいものだな。

『まぁ、楽しい生活を送っているよ。それはいいとして僕が言っていた場所に剣と一緒にいったのかい』

「は、何の事だよ」

 そういうと向こうからため息が聞こえてくる。心底私はあきれました、そんな感じだ。

『旧校舎だよ、旧校舎。旧校舎に剣と一緒に行って肝試しでもしてきたらどうだいって卒業式の日に言ったじゃないか』

「わるい、卒業式の日は他にいろいろと面倒事があったから忘れてたぜ」

 何があったかってそりゃあ、笹川とニアが河川敷で闘っていたので命をかけてとめたりしていたんだよ。

「でもよ、学校敷地内に旧校舎なんてねぇよ」

 そういうとまたため息が聞こえてきた。完全にバカにしている雰囲気だ。

『全く人の話を聞いていなかったんだね。ある意味感心するよ』

「そりゃよかった」

『旧校舎って言っても高校の旧校舎じゃないよ。近くに中学校があるからそこの旧校舎のことだったんだよ』

「それって普通に不法侵入だろ」

 見つかったら怒られるに違いない。ただでさえ、留年と言う重しがあるのだから何らかのバツが考えられるぜ。

『まぁ、そう思うだろうけど旧校舎はたくさんの仕掛けをとある老人が設置しているそうなんだ』

「仕掛け………」

『ああ、だから旧校舎内は大丈夫だよ』

「わかった」

 とある老人ってかなり気になるのだが、とりあえず暇だしその旧校舎とやらにいってみることにするか。

『じゃあ、これから僕が剣に連絡を入れておいてあげるからその中学校前で待ち合わせにしておこうか』

「別に俺が剣に連絡するぜ」

『ううん、君が言うより、僕が言ったほうがいいだろうし。何より、そんなんじゃうまくいくものもいかないかもしれないからね』

「何だよ、うまくいくものがうまくいかないって」

『それは向こうでのお楽しみだよ』

 それじゃあねと一方的に別れを告げられてしまった。

「なーんか、はめられている気がしないでもないな」

 しかし、約束した相手は剣である。そりゃもう、おこったらどうなるか想像もしたくないな。

 しょうがないので俺は満の言う通りの場所で待つことにしたのだった。


久しぶりの更新です。いやぁ、自作をどういったものにしようかと考えているのもありますが忙しくなったのも一応、理由としてあります。ケータイが壊れたりしてますんで工場送りですよ。では、また次回。

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