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02◆:見た目は駄目でも中身はうまい

02

 四月に入っての初めての移動教室。お外で駆けずりまわっているのは新一年生たちだろうか………まぁ、あんな子供もいずれは初々しさとやる気をなくしていってしまうんだろうなぁ。

「あれ、宵乃淵さんがいないな」

「もしかして、教室がわかってないとか………」

 授業が始まったのに、件の宵乃淵さんの姿がない。一度見たら夢の中まで出てきそうな見た目のため、いなければすぐにわかったりする。しかし、たまに気がついたらそこにいたとか、トイレから二人出てきたなど、既に変なうわさがたっていたりする。

「しょうがないな、雨乃零一」

 出席簿をぽんと教卓においてこっちを向いた。身長は二メートル近く、まるでプロレスラーと見間違うような身体をしているくせして(顔もものすごーく、怖い)生物の先生とは笑わせてくれる。

「はい、なんですか」

「呼んできてくれ」

「はぁ、わかりました」

 この先生は俺が猛勉強している事を知っており、特別に放課後授業をしてもらったりした仲だったりする。友人の一人、澤田夏樹もこの先生から指導してもらったおかげでさらなる飛び級を果たしたと言っていいだろう。先生がいなくても飛び級できていたと澤田はいっていたので、実際のところは定かではないが。

 ともかく、先生に言われたのでさっさと元いた教室へと向かうことにする。

「宵乃淵さ………」

「そうだよね、一時間ぐらいでなくても大丈夫だよね。だって、教室がわかんないから」

 そこまでいって、俺の存在に気がついたらしい。握られているのは藁人形だ。他に人はおらず、どうもこのお人形さんと話をしていたらしい。

「あ、こ、これは違うんですっ」

 あわてて藁人形を隠してそう言った。どうやら頬を紅潮させているようで、こっちのほうへと寄ってきている。正直、逃げたかったのだがここで逃げたら笑われてしまうだろう。

「そ、そうなのか……ええと、とりあえず先生が教室の場所が分かってないかもしれないから俺が迎えに来たんだ。さ、行こうぜ」

「は、はい」

 想像していたようなくらーい感じの声じゃなかった。かなりの不思議ちゃんかと思えば、そうでもなさそうである。

 教科書とその類を持って廊下を二人して歩く。当然、会話などそこには存在しておらず気まずい空気が漂っていたりする。

「ち、違うんですよっ」

「え、何が」

「あれは藁人形と話していたんじゃないんです」

 唐突にそう言われた。

「そうだろうな」

「わかってくれましたか………」

 ほっとしたような雰囲気の後、彼女は笑ったが俺は言った。

「藁人形に一方的に話しかけていた、が正解だろ。藁人形は話せないからな」

「違うんですっ、違うんですよっ。あれは不安になったから、友達いないんです、わたし」

 友達がいない理由を聞こうとも思ったのだが、やめた。それより聞きたいことがあったりするからだ。

「えっとさ、なんでそんなに髪の毛を長くしてるんだよ」

「これは……その、片目が緑色なんですよ」

「ふーん」

 碧眼ってやつね。

「外国人の血が混ざってるのか」

「えっと、はい。そうだって聞きました。小さいころにそれでいじめられたのでちょっとトラウマになって………」

「なるほどねぇ。んで、友達が出来ない理由は」

「それは……その、それを指摘されたくないってのもあるし、なんだか会話をつづけていく自信がないっていうかその………」

 消極的な感じの子なんだなぁ。

「そっかそっか、それなら俺が友達になってやろうか」

「え」

「みたところ面白い感じがするし、俺も友達少ないからな。高校生活も今年で最後、何か友達と一緒にやったって思い出ぐらいあったほうがいいだろ。まぁ、俺が嫌ならもっとイケメンの友達を探せよ」

「そんな、大丈夫です。お友達になってください」

 大丈夫と言う言葉が引っかかったのだがまぁ、いいだろう。

「ところで、転校初日に読んでいた本って一体何なんだ」

「ええと………黒魔術の本です」

「…………」

「いたって普通の内容ですよ」

「そ、そうか」

 やっぱりさ、普通じゃないかもしれないな


一見変人の宵乃淵静。しかし、中身はいたって普通だったりします。さて、あとがきを始めましょうか。今回のあとがきでは特にネタがないので困った時のゲームネタ。しかし、ゲームであげるネタがそうない………。仕方がないのでたまにはどうでもいい話をしたいと思います。漫画やアニメではさまざまな設定がなされており、中には不思議な力を持った人たちが登場することもざらにあります。しかし、実際それらを考えてみると………夢がないとか、設定にいちいち口を出すなとかいわないように………意外と突っ込みどころがあったりします。たとえば、人間は微弱な電気で体を動かしているそうですがゴムは電気を通さないそうですね。ええ、ここまでにしておきます。あまり言っていると槍が飛んできそうですし。ここで、ネタを一つ思いだしました。グラフィックばっかりきれいにしてもだめなんですよ。いい加減、ファイナルなら終わっちまえと、そういいま………冗談ですよ、冗談。最近は冗談と本気を間違えちゃう人がいるから困ります。まぁ、次回も会えたならお会いしましょう。

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