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第二百五十三話◆:自分中心、好き勝手

第二百五十三話

 扉を開けたその先に、俺を待っていたのは三人の女の子。

「朱莉………風花………ま………」

「………」

 眼鏡の朱莉、お手伝いの風花、俺の妹だと名乗っていたま………。威圧感バリバリの小さい子だ。

「ま、真美………」

「東麻妃」

「そうだ、麻妃だ。うんうん、麻妃だったな」

「零一君、時間がかなりかかりましたね」

「そうだな、行方不明あつかいにもなったからな」

 誰のせいだろうと思いつつ、全部爺さんが悪いということで俺の脳内は手を打った。実質、あの爺さんが全ての黒幕なんじゃあないかと俺は睨んでいたりする。

「零一様のことが心配でしたが、無事のようでホッとしています」

「そりゃよかった」

「再会はその程度にしてほしいですね………それでは、零一お兄様……」

 やたら堅苦しいのは縁起か、素か。

「答えを聞かせてもらいますか」

「………俺はこれまで、いろんな人間にあってきた」

 テーブルの上にそこらの神社のお守りよりも効きそうなお守りを並べる。ついでに、画像付きのケータイも提示してやった。

「零一お兄様、お友達は選ばれたほうが身のためですよ」

「俺は周りに流されるほど弱い人間じゃない。知ってるかどうかは知らないが、俺は爺ちゃんと二人で生活してきたほどだ。正直、友達なんて出来なかったし、要らなかったって思っていた時期もそれなりにあった」

 朱莉と風花は黙って俺の事を見ているだけだ。麻妃も、口をはさむつもりはないらしい。

「両親が行方不明、そう聞かされていた事もあったが、爺ちゃんが行方不明になったときはちょっとだけ不安だった。だがなぁ、俺は爺ちゃんが行方不明になったって演技をしてくれたおかげで友達や、他人の大切さを知ったんだよ」

「………言葉ではっきりと言ってくれなければ何も伝わりません。これらの写真を出されただけでは無意味ですよ」

 それも事実。麻妃には多分、伝わっているのだろうがはっきりと言ってもらいたいのだろう。

「俺は………俺は東零一じゃなくて、やっぱり雨乃零一だ。東を継げる意思も、実力も伴っちゃいない。ただ、約束は守る……俺は風花との約束を………」

「貴方の言いたいことはよくわかりました。零一お兄様、貴方には東を継ぐ必要はありません」

「………」

「東は私が継ぎます。私から言えることはこれだけです」

 どこから出てきたのだろうか………二人のお手伝いが俺を部屋から押し出した。

「おい、ちょっと待てよっ」

 出された後にすぐさま扉を開けようとしたのだが、びくともしなかった。

「………」

 これから、どうすりゃいいんだろうなぁ。



――――――ー



 とりあえず、アパートに帰ろうとしたのだが館の中を見るいい機会だと思ってうろちょろしているとあり得ないものを見つけた。



『零一様の部屋』



「…………」

 そっと扉を押してみると意外や意外、簡単に開いてくれた。辺りを気にしつつも、電気を付けて中を確認する。

「思ったより普通だな」

 麻妃の部屋は彫像品などの高そうな代物がおかれていた。それに比べて、俺の部屋はベッドに机、それだけだったりする。普通、と言うよりも変だった。異様なほどの広さに、家具と呼べるものが二つだけなんだからな。

「この部屋は零一が生まれる前の日に出来上がったものだ」

「爺ちゃん」

 天井から降りてきたことにはこの際、目をつぶることにしよう。いちいち突っ込んでいたら話がずれてしまうから。

「だが、東のごたごたで部屋は主を失ったんだ」

「東のごたごたってなんなんだ」

「零一、わしはお前に教えたことがあったな………覚えているか」

「それは………ああ、覚えてる」

 俺が爺ちゃんにならったこと、それは『知りたいことは自分で探せ』だった。

「ただ、お前はさっき麻妃に雨乃零一として、そう言ったな」

「ああ」

「これが、お前の下につくはずだった者たちだ」

 名簿には十数名の名前が記載されている。

「…………」

「安心しろ、この者たちはわしの下につかせたからな」

「そっか………」

 心の底にたまっていた心配事が消えた今、俺がここにいる必要性など皆無であろう。

「お前がさっきまで話していた麻妃だが」

「ん」

 爺ちゃんはこっちを見ることなく、しゃべっていた。

「あれは東代表を受け継ぐ候補者としての意見だ。周りに人がいるのなら、あの子は強がるだろうから」

「…………言葉にしてくれないとわからない」

「する必要もないな」

 爺ちゃんは俺に何かを言いたかったのだろうか。尋ねようとしたときに、その姿はどこにもなかった。

「………みんな、好き勝手な性格だよなぁ」

 まぁ、俺もその一人なんだけどな。


先日、久しぶりにバイトに行ってこれがまた、肉体労働でしてねぇ、雨月はそういった体格ではないので、案の定、体が痛くて痛くて湿布を貼ったわけなのですよ。それで、痛みも取れて部屋のゴミ箱に捨てていたつもりだったのですが、その晩、弟が叫びました。びっくりしてみてみると、素足の裏に、シップが………その後、再度ゴミ箱に捨てたつもりなのですが、ふと見ると左後方にシップがあります。シップの恨みでしょうか………。さて、あとがきを始めます。零一と東の関係は最初からまぁ、あったといえばあったわけなのですが後付けの連中はあんまりいなかったりします。敢えて言うなら、○が○の妹じゃなかったってところですかね。うん、そんなところです。こんなことを此処に書き込む意味はあんまりないかもしれないですが雨月の小説じゃ汚い言葉は使わないようにしています。あとは、出来るだけ下ネタは使わない方向で………いや、ね、本当は使いたいんですよ。ものすごく、本当に。でもね、人間やりすぎるとかいけないんですよ。だから、自ら封印しているんです。感想、待ってますよ~九月八日、水曜、二十二時一分雨月。

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