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第二百四十話◆:二つに一つの選択

車を運転する時は、裸以外の服装なら何でもよいか?

第二百四十話

 屋敷の中は広く、そして天井が高かった。とある日、一度ここにやってきていたのだがその時にお手伝いさん以外を見たことはない。

 ともかく、今は風花の後を追いかけていかねばきっと、迷子になってしまうのだろう。風花も一度くらいは迷子になったことがあるのかと尋ねてみたところ………

「屋敷内の廊下にはカメラがつけられていますので、迷子になる心配はございません」

「そうなのか」

「はい、左様でございます」

 まぁ、それなら大丈夫かと思いつつ、金持ちの地下室にはすごい施設があると相場が決まっている。この家の中をいろいろと探索してみたいなと思ったのだが後で風花が困るだろうから今回は静かに従うことにしたのだった。

「あと少しでつきます」

「そうか」

 まるで学校だなと思いつつ、外を見ると既に暗かった。春先とはいえ、この時間帯では既に暗くなっており、携帯電話は鞄の中に入っている為、此処にはない。

 誰が描いたのかは知らないが、とりあえず滅茶苦茶な絵が描かれている場所を右に曲がると、そこには扉が一つだけあり、他の部屋とは違うものであった。

「こちらでございます」

「はぁ~」

 軽く叩いてみると金属質の響きのいい音が返ってくる。きっと、かたいのだろうな。

『誰かしら、開いているわよ』

「麻妃さま、零一様をお連れしました」

『そう、入って』

 まき………ねぇ。まぁ、普通な感じしかしない名前だな。東麻妃ってなんだか違和感を覚えてしまうが、そんなことは些細なことだ。

 重たい扉をゆっくりと開けて、俺は妹と言う相手を見た。

「はじめまして、零一お兄様」

「………え」

 俺は高そうな木の椅子に座っている相手よりも、その近くで立っている一人のお手伝いさんに目が釘付けになっていた。

「お前………もしかして、02か」

「ははぁ、これはまさか、一発で見破られるとは………零一様の目はまだ大丈夫のようですね」

 うるさそうな、失礼………元気そうな感じの表情をしており、風花と同じで黒のワンピースに白のエプロンだった。ただ、髪の毛は真っ白で、目は真っ赤、肌も若干白目でこいつは人間かと聞かれるとぎりぎりでうなずくところだろう。ただ、不健康そうにみえないのはおしゃべりだろうと思わせる雰囲気だろうか。

「ダニエル様に身体をいただいたのですよ。この身体を作られたのは別の方だそうで、零一様の事を素晴らしい教育者だ、そのように間違って賛美していました」

「失礼だな、おい。でもまぁ、なかなかいい身体じゃねぇか」

「やらしい目で見ないで下さいね」

「見ねぇよ」

「こほん」

 二の腕を掴んで02は笑う。目が生き生きとしており、これが人間じゃないというのは相当難しいかもしれないな、素直にそう思ってしまった。

「ふふふ、緊急時には空を飛ぶことだって可能なのですよ」

「す、すげー………今度、とんで………」

「こほんっ」

 椅子に座っている東麻妃はたいそう不機嫌のようであった。

「零一様、麻妃様のお話も聞いていただけると助かります」

「あ、悪い」

 風花からもそう言われたので今度こそ、麻妃のほうへと視線を動かした。

「で、なんだよ」

 初対面の相手だったが、妹ということならば適当でいいだろう。無理やりこんなことにした東家が全部悪くて、俺は何一つ悪くないはずである。

「………零一お兄様にはあまり自覚がないようですが、仮にも東家のものですよ」

「仮にもって失礼だな。大体、俺は東じゃなくて雨乃零一だ」

「…………」

 非常に気に食わないと言った顔だった。02は麻妃の隣で知らんぷりを決め込んでいる。まったく、ひどい奴だ。

 まぁ、ね、容姿としてはなかなか悪くないんだけども。どう見ても俺と血がつながっているとは到底思えなかったりする。金髪に、碧眼。鼻は高いし、俺と似ているところなんて一切ない。

「貴方の回答一つでは、明日から風花チームは解散し、全員路頭に迷ってしまいます。それでもよろしいのですか」

「は、何がだよ。回答一つってどういうことだ」

「今後は、この家から学校に通いなさってください」

「はぁ、何言ってるんだよ」

「出来ないというのならば、貴方を東家の中から除名するとともに、風花チームが路頭に迷うことになります」

 理由がさっぱりわからない上に、なんだよ、風花チームって。02を見てみても、やっぱりあさっての方向を向いて知らんぷり。風花を見ても無表情だった。

「貴方の回答で、いろいろと変わるんですよ」

「なんでそんなことをするんだ」

「東家であるという自覚を零一お兄様にさせるためです………簡単なことです。貴方があの雨乃家でこれから生活をするのならそちらを、風花と一緒に生活をしたいというのならこちらで生活をすればいいだけの事ですから………どうですか、零一お兄様」

 きっと、こいつは人の悩む表情を見て喜ぶタイプなのだろう。実に嬉しそうな表情で俺を見ていた。

「さて、どうしたものかねぇ」

 既に答えは決まっていたのだが、俺は敢えて悩んでみることにした。


なんだか、次回で終われそうな気がしないでもないですね。ああ、長かった。なぁんて、言ってみましたが本当のところは誰にもわかりません。どんな小説にも終わりはやってきますからね。まぁ、途中で打ち切りっていうのもありますが。いまさらですが、小説の更新スピードが下がったのにはわけがあるのです。実は、車校に行き始めており、時間がなかったりします。あと、ゲームが忙しかったりするかもしれないですが、それは別の話です。前書きの問題は、雨月がミスった問題です。答えはバツですね。丸にして見事に失敗でした。評価、感想、駄目だし、押し出し、メッセージ。待ってますので一言言ってやりたい方はどうぞ、お願いします。ああ、もう八月も終わりが近いです、本当。八月二十日、金曜、二十時五十八分雨月。

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