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第二百二十五話◆:竜斗と風花の関係性の謎

第二百二十五話

 俺の家はアパートとなっているのだが(今更だが、もう昔の家、雨乃家ではなく、爺ちゃんと住んでいた家に戻っていい気がする)そこへ帰ってきたら必ずと言っていいほど鍵が開いている。当然だ、だって風花がいるのだから。

 そして今日はプラスアルファ、他の人物も居座っていた。入る前から気付いていたのだが、何やらにらみ合いが中で行われているような気がしてならなかった。

「竜斗、久しぶりだな」

「や、お邪魔してるよ」

 ここ最近隣から音が聞こえてこなかったのだがどうしていたのだろうかとか、いちいち聞くのはストーカーさんの発想だ。いや、ね、俺もそりゃあ興味がないかと聞かれれば、何をしていたのか知りたいものはあるさ。ああ、先に断っておくが知らないことを放っておくのが嫌いだからだ。

「なんだか空気が重苦しいんだが」

「気のせいだよ、ちょっと昔の話をしてただけさ」

 そういって実にまずそうにコーヒーをすすっていた。

「昔の話………風花の話か」

「鋭いね、そうだけど」

「聞きたいって言ったら風花が困るんだろうな」

 ちらりとこちらを見た風花に俺は目で合図した。

「ま、そうだろうけど零一君が聞きたいっていうのなら教えてあげるよ」

「いや、今回は遠慮しとくわ。知りたくなったら自分で調べるから」

「ふふ、そうだったね」

 愉快そうにそういって立ち上がった。

「何だ、もう帰るのかよ」

「ここは風花さんの領域だからね。ぼくがいるといろいろと面倒が起きそうだし」

「…………」

 風花は何も言わず、テーブルを拭いた。

「じゃ、またね」

「ああ、気をつけて帰れよ」

「何なら、見送りにでも来るかな」

「わたくしが見送っておきます、零一様はどうぞ、疲れをいやしていてください」

 俺の前にコーヒーを置いたのちに竜斗を連れていった。最後、竜斗は首をすくめて笑っていたのが気になった。



――――――――



 その日の晩御飯は俺の嫌いな青魚の煮つけだった。あのどろっとしたような………というか、血合い肉が嫌いなだけだ。いや、白身とかだったら大丈夫なんだけどな。

「零一様はわたくしの過去が気になりますか」

「言ったろ、気になったら自分で調べる」

 風花と食事をするまでも道のりはかなり遠かった。当初は俺の後ろに食事中立っている為に気が気でなかったし、話もろくにできなかった。それから説得に説得を重ね、ネゴシエーションの結果が今こうして向かい側に座ってもらっているのである。

「そうだな、風花の事で気になっている事はスリーサイズぐらいだろ」

「…………」

 あ、当然冗談だからな。

「では、今夜確認してみますか」

「冗談だよ」

「そうですか…………」

 ああ、冗談通じる相手じゃないのかもしれないな。

「零一様、ありがとうございます」

「お礼を言われることはなにもしてないけどな。どっちかていうと俺のほうが毎日料理作ってもらっているんだからお礼を言わなきゃいけないほうだし」

「給料もらってやっていますから」

「へぇ、時給に換算するとどのくらいなんだ」

 そうですね、と少しの間考えているようだったが計算が完了したらしい。

「ざっと千五百円程度ですか」

「………高い………のか」

 バイトなのか、正社員なのか………さっぱりわからないが比較的高いほうなのではないだろうか。

「零一様の全ての世話が条件です。これはわたくしだけで、他のメンバーはそこまでもらえていないと思いますよ」

「そうなのか」

「ええ、中にはもらえない者たちもいます。寝る場所、三食の食事やおこづかい、病気時の医療代金程度しか保証されていないと思います」

「ははぁ、でもおこづかいももらえるんだろ」

 それなら扶養家族的な扱いなのだろう。家事をする代わりに生活するみたいな。

「零一様が家政婦の中に好きな女性を見つければ恋愛することも可能です」

「ははは、そりゃすげぇな。ま、会うことはないだろうけどな」

 そういうと風花は少しだけ悲しそうな顔をしていた。

「やはり、東を継ぐつもりはないということですか」

「そうだな、出来るだけ面倒なことには巻き込まれたくない………って、そう言ってももう既に巻き込まれていたりするんだが………それにな、俺が人の上に立てるほど技能があるって思えないし、家政婦を養える自信もねぇよ」

「そうですね………このままいくと零一様は…………」

 何やら悲しそうに風花は言葉を濁し、それでこの話は終わってしまった。



―――――――



 風花がお風呂に入っているとき、チャイムが鳴った。

「はいはい、誰ですかっと」

「ぼくだよ、ぼく」

 玄関には竜斗が立っていて何やら持っていた。

「何だこれ」

「今日迷惑かけたからそれ、風花さんに渡しておいてくれないかな」

「ああ、って、何だこれ」

「あの人、意外とそういうのが好きなんだよ」

 手渡されたのは不思議な植物。

「それさ、食虫植物。名前は忘れたけどね」

「………へぇ」

「観葉植物とかあげると喜ばれるよ。あ、ちなみにぼくは零一君がくれるものはなんでももらうからね、よろしくー」

「はいはい、今度何かお返しするからな」

「それとさ、出来るだけ風花さんには構わないほうがいいかもよ」

「は、なんでだ」

「そうだね、一番近くにいるから………かな」

 それだけ言って竜斗は出て行ってしまった。よく意味がわからなかったのだが、とりあえず食虫植物を渡しておいた。すると、頬を染めながら、こういったのだった。

「こ、今度竜斗様にはあれをお礼の品として送っておかなくてはいけません………」

 何を送ったのか非常に気になったのだが、風花は絶対に教えてくれなかった。


次回から『雨乃零一殺害事件』が始まります。え、嘘じゃないですよ。本当です、いつもとちょっと違った話を………ということで考えています。主人公は雨乃零一、被害者も雨乃零一。変な話になるかもしれませんが………まぁ、雨月もまだ考えてすらいません。ああ、そういえば久しぶりにデッドラやったらやっぱり、ゾンビは弱いですね。出てくる人間のほうが強いって何なんだよ、一体全体………そう思いながらも進め、途中でやめました。あれの2とか出るからほしいんですけどね~、あんまりやったことのないギャルゲーのメモオフを初めて予約してやってみようとか、ポケモンの新作とか、アガレスト戦記の新作とか、GEバースト、アーマードコア5、結構欲しいゲームはありますがゲームやってたら小説書く時間がなくなるし、懐も乏しくなるんで出来るだけやめておきたいんですよ。テスト期間なのに小説書いて、ゲームやって、昼寝したりとかなりテストをなめています。こんなんじゃ単位もらえないぜ………と思いつつ、あとがきにも熱が入っています。ゲームもしたいが、小説もしたい。時間はみんなに平等のため、使える時間は限られています。基本、夜の十一時には寝ているのでいい子ちゃんですが睡眠時間を削ると色々と疲れるので却下したいのですがううむ、これは睡眠時間削って小説を書くべきでしょうか。ま、どこでこの小説に終止符がうたれるのか誰にもわかりませんが零一の最期、見届けてやってください。感想、評価、頂ける方はぜひよろしくお願いします。一時期はひねくれて『感想、評価なんていらねぇよ』と思っていた時期もありましたが感想もらってかなり嬉しかったんで。七月二十八日水曜、七時五十三分雨月。

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