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第二百十九話◆:眼鏡を外したかわいいあの子

第二百十九話

 ただでさえ人の少ないと感じる広い部屋で知り合いの女の子と二人きり。自分から積極的に会話を続ける自信もないし、腹の探り合いを続ける勇気もない。こういった理由から、ある意味閉じ込められている状況と言ってもいいかもしれない。

「ところで零一君はなんで今回の見合いを受ける気になったんですか」

「ん」

 唐突にそう言われて一瞬、何を言われたのか理解できていなかった。なぜなら、俺の頭の中では現実逃避のために脳内ぷよぷ○が行われていたからである。後一種類レインボーが来ていれば全消し完了………え、レインボーって色はなかったっけ。

「見合いを受けるも何も、俺にもいろいろと事情があるからな」

「事情………詳しく教えてもらえますか」

 眼鏡をいちいちかけて光らせる。まぁ、他言無用でしゃべっちゃだめよと言われていないので別にかまわないだろう。

「えっとだな、俺の………」

 両親が無理やりそれを望んでいるんだよということを言おうとしたら向かい側の窓からきらりと光る何かが飛んできて背の高い椅子(俺が座っている)の背もたれに突き刺さった。

「…………」

 目を左に動かすだけでそこには冷たく光るナイフが刺さっていた。

「どうもな、しゃべっちゃだめよという合図らしい」

「そ、そうみたいですね………」

 投げてきたのは風花だろうか………いや、もしかしたらまた別の人物かもしれないな。

「ともかく、俺の両親があの東グループのお偉いさんだそうでだな……」

「あ~、それは知ってますよ」

 何故だか知らないがちょっとだけバツが悪そうな顔で言うのだった。まぁ、佳奈とかがしゃべっていたのかもしれないし、自分の父親がA.S.Tに入っているというのなら知っていてもおかしくはないだろう。

「そうか、まぁ、それ関係だろうから朱莉の父親に聞いたらわかるんじゃないのか」

「一応、聞いてみますが………」

「ああ、頼む。俺も他に何かわかったら………」

「失礼します」

 突如として風花が入ってきた。心なしか、怒っているようにも見受けられる。

「差し出がましいようですが今回の見合いは互いの情報交換の場ではありません。親密なる関係を目指しての事でございますから」

「あ、あ~そうだな、悪かった」

「すみません」

 朱莉と話しているとたまに事務的なほうへと行ってしまうときがあるからな………。

「では、わたくしはこれで失礼します」

 帰りにさりげなく俺の椅子に刺さったナイフを抜いて行った。

「ははぁ、噂どおりのすごいメイドさんですね」

「そうだな、まぁ、メイドじゃなくてお手伝いさんだ」

「今度、あたしもあんな服着てデートしてあげましょうか」

「満だったら喜ぶだろうけどな」

「ああ、見慣れているから新鮮味に欠けると言いたいんですね。それならもうちょっと過激な衣装を………」

「いや、いいから」

 他には日常話すような雑多な事を話しているだけで俺と朱莉は多分、風花が想像しているような『親密な関係』にはならなかったと思う。

「楽しかったですよ、零一君」

「ああ、俺もだ」

 最後はそんな風にして別れてしまったし、これでよかったのだろうかと帰り道、後ろから静かについてきている風花のほうを見たのだがこれと言って変化はないようだった。

「なぁ、風花」

「なんでしょうか」

「ナイフを投げたのは風花なのか」

「………わたくしはそのようなことはいたしません」

「そうか」

 頭を下げた風花は嘘を言っているようには見えなかった。

「機械でなければきっと、正確に打ち込むことなどまず無理だとわたくしは思います」

 そして、最後に言ったその一言がどうも頭に引っかかって気持ちの悪いものになった。



―――――――



 アパートに帰って気がついた。以前使っていた02入りのケータイが置かれていたのである。風花がその存在を知っているか分からないため、こっそりとケータイを開けるとそこにはこう書かれていた。



『守る側から狙う側に鞍替えしました。BY02』



「…………」

 ケータイに裏切られるなんて人生で体験したこと………なかったぜ


告知、今後の新作として『ハッピーエンドは其処ですか?~気になるあの娘のフラグを立てろ!~』を予定しています。次回、最終回ですよ…………いえ、本当はウソですよ。まだこの小説は終わってすらいませんからね。ええ、ちゃんと終わらせてからやります。いや、小説がなかなか進まないのは雨月の部屋が殺人的な暑さを観測しているからです。部屋に入るだけでむわっとして、いるだけで頭がぼーっとして汗が滝のように流れます。この文章を打っている今現在も室内簡易地獄は発生しているんです。みてみんのほうに無感の夢者さんが絵をアップしてくださっているのでごらんください。ああ、本当頭がぼーっとしてきてさまざまな小説ネタがいったりきたり、きたりいったりしています。次回作、『龍の柩』を期待していてくださいね。七月十九日月曜、二十一時五十一分雨月。

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