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第二百九話◆:木曜日、奇怪な機械に出会える機会があると思う気かい?

前回のあらすじ:遠い地方で秘密結社の一員となった零一。普段は私立探偵で売れない探偵をやっているが土砂降りのある日、中学生の少女と赤ん坊を保護する。何もしゃべろうとしない彼女をベットに連れて行って襲う振りするも目をつぶる始末。赤ん坊の手前でそんなことできないので結局、三人で住むことになってしまう。次回に続く。

第二百九話

 木曜日、お空が今にもぐずりだしそうな天気だった。

「零一、聞いているのか」

「え、ああ………」

「最近ニアに会ってくれないと思っていたら家に近衛兵を付けたそうじゃないか」

 ニアはぶすっとした感じでそう言っており、その後、何かを取り出した。

「何だそれ」

 それはまるボールを真っ二つに切ったかのような代物であり、ケーブルが数本つなげられていた。ケーブルは一メートル弱ほどの長さで箱のような機械につなげられており、一言でいえば漫画で出てきそうな脳波測定器のようなものだった。

「じーじが作ってくれたんだ。これな、人の嘘を見抜けるらしいぞ」

「………嘘」

「嘘じゃない、本当だ」

 自ら頭にかぶって電源を入れる。緑色の文字で『嘘ついてないよ』と表示されていた。

「な、言っただろう」

「いや、ね、ニアが信じていたとしてもこれを作った爺さんが嘘ついていたら嘘だろ」

「む、ともかくニアは嘘をついていないぞ、零一、さっさとこれを被れ。質問は一回で終わるから」

「はいはい、わかったわかったわかりましたよぉ」

 被るというよりも無理やりかぶせられた………まぁ、どっちでも結果は同じなので構わないんだけどな。

「どうせ被るならパンツを被りたいな」

 そう言ったのは俺ではなく、満である。放送室に来るなんてよほどの事がないとわからんだろうがこういうのには必ず駆けつけるよな、こいつは。

「お前は最近危ないほうへと突っ走ってないか」

「何言ってるんだよ、あのアンパン○○に出てくるバイキン○○だって頭にパンストを被っているじゃないか」

「………あれはな、自前の触角だよ」

 ええ、うっそだあと満がほざいている間に機械のスイッチをニアが入れる。

「最近、零一にはニアのような存在が出来たか」

「………」

 ニアのような存在………壁からいきなり現れたり、屋根の上から飛び降りてきたり………背後を取られたり、と………。

「いないわなぁ、そんな人間に会えるほうが珍しい」

「そうかぁ、ふふふ、ニアは嬉しいぞ」

「………月並みだけどさ、なんだかすれ違っていると思うよ。これが男女のすれ違いイベントって奴かなぁ」

 満の意見はこの嘘発見器には察知されないだろう………ほら、しっかりと『嘘はついていませんが勘違いはしています』って出ているもの。

「じゃあ、零一にとってニアの存在は一番目か」

「一番目………ねぇ」

 大体一番目とか具体的に言ってもらわないと(変態一位、長話一位とかそんなの)こまるぜ。

 俺の悩むようなことでもこの機械は逃さず、反応したようだった。

「………零一、『微妙』ってなんだ、誰だっ、微妙って苗字か、下の名前か」

「………」

 満はかなり驚いたような感じで『うわぁ、この子たぶん天然だぁ』と眼で語っていた。

「え、さぁ……俺が知るわけないだろ」

「もう一度聞くけど、こいつ、ニアが知らないやつだぞ、微妙って誰だっ。嘘つくと後が恐いぞ」

「いや、ほら、みてみろよ。ちゃんと『たぶん、ニア』って出てるから」

「ん、それなら許す」

「いいんだ………零一、微妙はさすがにひどいし、たぶんも普通の女の子だったら傷つくと思うけど」

「お前もお前で十分ひどいと思うぞ」

「ふっ、女の子はちょっと普通じゃないほうがいいのさ」

 全く、こいつの言っていることはよく意味がわからんな。

「で、もうこのヘルメットははずしていいのかよ」

 ニアはしばらくの間考えているようだったが首を振った。

「最後の質問をさせてほしい」

 そう言ったのである。

「俺の記憶が正しければ『質問は一回だけ』って言っていた気がするぜ」

「む、嘘ついてるだろ」

 ニアがそういうが、機械に表示されている文字は『嘘じゃないよ、本当だよ』と表示されている。うわぁ、この機械どっちかというと心を読み取る機械じゃん。

「零一はニアのことをどう思ってるんだっ」

 目を閉じて一気にそう言った。満は驚いたかのようにニアを見て、俺を見た。

「………どうって………」

 機械は瞬く間に文字を表示して、こわごわと目を開けたニアがきょとんとしていた。

「『正体不明の謎の少女』って………ああ、秘密は女をきれいにするってことか」

「まぁ、ニアが納得するなら何でもいいけどな」

 その後、ニアから特に言われることなくニアは帰ってしまった。

「何だったんだろうな、あれ」

「あの機械僕も欲しいなぁ。あれで全学年の女子に僕の事を好きかどうか聞いて回りたいよ」

「きっと結果は悲惨なものになるだろうな……」

「む、ひどいなぁ」

 そんなことをいう満の反対側の窓に一人の女子生徒が映っている……そのことを当然、満は知らなかった。


今回のサブタイトルがめちゃくちゃなのは勘弁を。あ、前書きの奴は本編とまったく関係ありません。本当は二百話以降はそっちを書くつもりだったんですけどね、家のごたごたもありましたからそっちを優先したんです。いやぁ、しっかし………あれだけ面白くないと思っていた箱360のMHFもやってみれば面白いもので………小説のほうがなかなか………ね、手つかずってわけじゃないですけど(頭の中では洋一郎と出会うところまで行ってます)つらいっすねぇ。ああ、そういえば今回のあとがきじゃ暑いですから怖い話の一つでも、と思っていたのですが完璧に忘れていました。ま、ご勘弁お願いします。そういえば、久しぶりに言うと思いますけど感想、評価、メッセージくださる方、どうぞください、ええ、喉から手が出たり、舌が出たり、嘘が出たりと、待っていたりするんです。それでは、また次回。六月二十九日火曜、二十二時五十一分雨月。

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