第二百三話◆:足がかり
二百話、新たに更新されました。
第二百三話
俺のケータイの番号を知っていたことなんて驚かないのだが、風花の方向音痴っぷりには驚かされた。
「お手を煩わせてしまってすみません」
謝るとき、しっかりとごめんなさいという雰囲気がしっかりと出ているのはいいことだ。
どっかの唯我独尊達は人のせいにする確率が高いからな。
―――――――
「私は悪くないわ、雨乃が悪いんでしょ」
「零一が教えてくれないのが悪いんじゃないのよっ」
―――――――
「言い訳になってしまいますが小さいころから方向音痴でした。医者では治せないと言われております」
「そりゃあ、そうだろうな」
結構材料を買い込んでいたため、材料の入った袋は俺が持った。不満を漏らされたが無理やり奪い取って返さないと言ったら案外すんなりと受け入れてくれたりしたので助かった。
「そういえば風花は何才なんだ」
「今年で十八になります」
「ああ、そうかぁ、そんなら俺と一緒だな。高校とか行ってるのか」
「いえ、中学を出た後は御屋敷で働いていました。しかし、高校卒業にたりうる知識はありますので勉強などで困っているのならばぜひ、あてにしてください」
「そりゃすげぇな」
留年している俺にとっては女神のような存在かもしれないな。
「零一様の置かれている状況は非常に複雑なものなのですが………一番気にしておかなければならないのは隣室に住んでおられます、野々村竜斗様のことです」
「へ」
何故、竜斗のことを知っているのか………とは思わなかったが、自分の家のごたごたよりもあの男女のことを気にかけろとはどうしたことなのだろうか。
「なんでだ」
「野々村ですから」
「…………それだけか」
「いえ、野々村竜斗様という人物は野々村という名前があまり好きではないようですので、わたくしたち東の思いもよらないようなことを仕掛けてくる可能性がありますから」
「…………まぁ、確かにあいつが何を考えているのかは分からねぇなぁ」
トリックスターって異名をつけられてもおかしくないかもしれない。
アパートの前まで歩いてくるが、静かだった。ここまで帰ってくるときに通った住宅街では家族の楽しそうな会話が耳に入って少しだけイライラしたりもした。
「家族が欲しいのなら雨乃家に行ったらどうでしょうか」
「………ふぅ、まぁ、それも一つの解決手段かもしれねぇけど、今はあんたが俺ん家に来た歓迎会が先だろうな」
「歓迎会ですか」
これには驚いたようで首をかしげているようだった。
「風花がさっき言っていた竜斗って奴が『いずれ誰かがこのアパートに来るかもしれないから』と俺の部屋にパーティー道具を一式置いて行ってるんだよ」
「…………」
無言の風花を促して俺は自分の部屋へ通じる鍵を開ける。
電気をつけるとそこには汚い文字で書かれた『風花ちゃんようこそ』と書かれた幕が垂れ下がっている。
「これからよろしくな、えっと………苗字は何だよ」
「………一応、東風花です」
「そっか、じゃあこれからよろしくな、東風花、歓迎するぜ」
「………ありがとう、ございます」
だらりとぶら下がっていた右手を勝手につかんでシェイクハンド。ああ、そういえば外国じゃ握手とお辞儀は一緒にしちゃいけないらしいな、これをやるのは日本人だけだそうだ。
「貴方のような方のお世話を出来て嬉しく思います」
「まぁ、もう世話なんてされる年頃じゃあないんだけどな」
なんでもっと小さいころに来てくれなかったんだとかいろいろと言いたいことはあるのだが自分で仕掛けたサプライズパーティーをぶち壊したくはなかったので笑うことにした。
「それではこれから料理を作りますので」
「ああ、よろしく頼むぜ」
「なぁ、ところで俺が兄弟に会いたいなんて言ったら会わせてくれるのか」
俺に背中を見せていた風花にそう尋ねるとゆっくりと振り返った。その手に包丁がにぎられているのがちょっと怖かったりするわけだが。
「会いたいというのであればわたくしが連絡を入れておきます。いつでもというわけではありませんが、休日ならば都合をつけてくれると思われます」
「そっか」
一礼し、再び食材のほうへと向き直った。
さて、会ってくれるというのならば会わせてもらおうかなぁ。
頭が痛い、吐き気がする………きっと、目の使いすぎだからでしょうねぇ。ライオットアク○がしたくてしたくてたまりませんが、持ってないので出来ません。最近、2が出るそうなので一応予約を………いや、しかしモンハ○も捨てがたいですがスラッシュアク○がないのでやる気が………ラン○も何だかガード突進がないし………はふ………どうしたものですかねぇ。あ、そういえばネタ提供とかしてくれる人、万歳ですよ。そろそろ眠いというよりきついので夢の世界に旅立ちます。