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第百八十九話◆竜斗編:からかいだと思う今日この頃

第百八十九話

 野々村竜斗、男装している俺の女友達である。まぁ、本人はこれまた変な奴で最近やたらと俺の周りをちょろちょろしたかと思うと誰が近くにいようとお構いなしに飛びかかってひっついてきたりする。そのたびに、男子生徒たちからはひかれた視線で、女子生徒からは奇異の目で見られたり嫉妬の視線を送られたりするわけだ。

 うーん、最初は嬉しはずかし大慌てだったのだが、今ではもう、ああ、またかと神経が麻痺してきた状態である。男装女子生徒に抱きつかれるという非日常だった光景が、日常の一ページとなってしまったと言っていい。

 それに、俺に対してこんなことをしてくるといろいろと問題が出てくるのである。苦情の手紙が俺の下駄箱の中に入っていたり(てっきり、ラブレターかと最初は思ったさ)、女子生徒からずっと睨まれる日々が続いていたり(竜斗君護り隊が結成されたらしい)して正直面倒になったのだ。



―――――――



 中間テストも終わって俺の成績は当然、一年生の中でトップクラスっ………まぁ、留年しているのだからそのぐらいは当然だろう。

 校門前、偶然俺は満と会ったために一緒に帰ろうとなったわけだ。野郎二人で帰って何が面白いんだと思うかもしれないが、俺はちょうどこいつに尋ねたいことがあったので面白くなくても役には立つのである。

「なぁ、満」

「何だい、そんなに疲れたような顔をして」

「竜斗の奴が俺にちょっかいを出してきているのは知ってるだろ」

「ふぅん、あれは愛情表現だとばかり思っていたんだけど違うのかい」

「はっはっは、もうちょっと抑えめな愛情表現がいい………じゃなくて、あれを俺に近寄らせないようにするにはどうしたらいいか何かいい案はないのかよ」

 そういうとしばらくの間ずっと考えていたようだが、ひらめいたというような表情をした。わざわざ電球を取り出すところがこいつらしい。



「いっそのこと、今度抱きついたら押し倒しちゃいなよ」



「は」

 犯罪の匂いがぷんぷんする提案だった。

「お前なぁ、そんなことしたら…」

「いやいや、あのね、そんなに竜斗のことが嫌いなら嫌われるようなことをすればいいんだよ。抱きついてきて、押し倒せば抵抗されるでしょ。だから、『俺をもう二度とからかうんじゃねぇっ。今度抱きついてきたら警察に駆け込むぞっ』と格好よく言いつけるのさ」

 はっきり言うが、俺に提案したセリフ、前者はまぁ、かっこいいと思うのだが後のほうは俺が使うようなセリフじゃない気がしてならない。

「まぁ、確かに考えとしては使えるかもなぁ」

「よし、じゃあ作戦考え付いた僕に軍資金を恵んでくれ」

「はぁ、嫌だよ。俺って貧乏だからな」

「なんだよ~、ケチ」

「ケチでも何でも構わないけど、お金がないから本当にダメだ。この前だって竜斗と遊びに行っていろいろと奢らされたんだぞ」

 そういうとものすごく驚いたような顔を満がしていた。珍しい事もあるんだな。

「え、ええ………一緒に遊びに行ったのかい」

「ああ、ここ最近ずっと遊ぼうとか言ってくるんだよ。用事があるとか言ったら家に居座ってな………」

「あのさ、さっきの作戦、違う意味で成功しちゃうかもしれないからやっぱりやめたほうがいいと思うよ」

「は、成功するなら別にいいんじゃないのか」

「……あ、あれって竜斗じゃないかな」

 指差す方向には確かに竜斗がいた。俺は身体がびくついており、既に条件反射に入るほどだったのだ。

「よし、じゃあお前の作戦通り頑張ってくるぜ」

「あ、ちょっと………行っちゃった………もう、どうなっても僕は知らないからね」



―――――――――



「おーい、竜斗っ」

「あ、零一君っ」

 いつものように俺に気がつくと走ってくる。そして、両手を広げて当然抱きついてきた。俺はそのままアスファルトの道路に竜斗を押し倒そうとして………やっぱり、汚れてしまうだろうからやめておいた。

「おい、降りろよ。このまま押し倒すと汚れちまう」

「え、お、押し倒すって………」

 どうやら実際に行動には起こしていないが効いたらしい。うん、この作戦いけるかも。

「ぼくを………押し倒すってことなのかな」

「そりゃそうだろ。お前以外誰を押し倒すんだ」

「………え、えっちだな~零一君はっ。ここ、人通りは少ないけどしっかり人は通るんだからっ。そういったことは外でやっちゃだめなんだよっ」

 なんだか………かなり誤解を招いているようだった。そして、竜斗は俺から離れると腕に自分の腕をからめてくる。

「帰ろっか」

「ん、ああ」

 なぜかはわからないが、非常にこの作戦自体が問題だったような気がしてならない。そして、抱きついた後に頬擦りを竜斗がしてきたのは次の日からであった。


ん、竜斗編ってこの前も書いたような気がしないでもありませんね。いや、気のせいなのかな。まぁ、ともかく竜斗編です。あとがき読んでくれている方が確実に減ってきているだろうと思われますが、そんなこたぁ、気にしません。書きたくて書いているだけですから。そういえば先日、友人からゲームを借りようとしたのですが、なかなかする暇がありません。そして、再びポケ○ンをし始めました。まぁ、近状なんてこの程度ですかね。感想、評価など待っていますので出来ましたらよろしくお願いします。

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