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第十八話◆:普通と特別

第十八話

 お世話になっているのは佳奈である。そういう理由で俺が選ぶのは佳奈のほうだ。どうせ、嘘だけついてそれではい、おしまいだろうからな。

「ああ、二人で一緒にちょっとデパートに行くんだよ」

「そ、そうそう、デパートに」

「二人でデパート……何しにさ」

 ジト目でにらまれる。

「そりゃ、決まってるだろ。俺の生活用品だよ」

「生活用品……ああ、それなら仕方ないか」

 納得してくれてほっとした。まだ、学校につくには道のりがある。

「じゃあさじゃあさ、再来週の日曜日一緒に何処かに行こうよ」

 くぅ、一回断られたんだからさっさと諦めろよっ、満。そして、嘘の上に嘘を重ねるしかない泥沼の状況へと人は陥っていくのだ。

「……あ、あー……ごめんね、その日は零一に勉強を教えて欲しいって言われているからちょっと無理なんだ」

「勉強……本当か、零一」

「え、も、勿論だ」

 乗りかかった船は実は泥舟でした……とかにはならないよな。最終的に自滅して終わってしまいそうだったが一応、乗っておいた。

 その後も、色々と嘘に嘘を重ねて嘘タワーが完成。一体全体何のこっちゃ……



―――――――



「ふぅ……おはよう」

「おはよう」

「……え」

 隣人さんに挨拶をしたら返ってきた。ちょっと拗ねたような感じでなんだか、怖い。何をするのか怖いって言うほうの怖い。

「何、わたしが挨拶したらそんなに変かしら」

「いや、変じゃないけど……むしろ、嬉しいほうだけど……」

「だけど、どうかしたのかしら、雨乃」

「え、あ……」

「別に、雨乃もわたしのことを笹川って呼び捨てにしているからいいわよね」

「ま、まぁ、構わないけどな」

 名前まで転校生君から雨乃君、ではないが雨乃と呼び捨てになったことはとてもいいことなのだろう。うん、出来れば『雨乃きゅん』とかがよかったけどそんな事を言ったら俺の人格が問われるな。

 そんなことを考えていたら満がやってきた。

「栞ちゃん、おはよう」

「……おはよう」

 それだけ言って奴は去っていた。

「……おい、ちょっと待った」

「何、どうかしたの雨乃」

「……栞ちゃん……ごはっ」

 それは一瞬の出来事であった。電子辞書ではなく重たい紙の辞書が俺の腹部を右から左へと駆け抜けようとして……激突。

「……栞ちゃ……ぐへっ」

 今度は頭部に激突。お星様が見えた気がした。

「なれなれしく下の名前で呼ばないで」

 なんだか、これ他の誰かともやったきがする……ぜ。

 めげずにトライしていても男の勲章が増えるだけだと学習した俺は攻め方を変えることにした。押して駄目なら引いてみろ、引いて駄目なら諦めろという奴である。

「……じゃあよぉ、何で満だけいいんだよ。不公平だろしお……」

 煌めく紙の辞書は今度は俺のどの部位を狙ってくるのだろうか。

「……笹川、何であいつには下の名前を呼ばせるのか納得のいく理由を言ってくれよ。もし、納得できない理由だったら満を襲いに行くからな」

「……あの人はわたしから見て普通の人だから」

「なんじゃそりゃあっ。納得できるかっ」

 満は普通。俺は変……そう言うことだろう。言っちゃあ何だが俺はあいつより常識ある高校生だと自負しているつもりだ。

「じゃ、襲いに行けばいいわ」

「イエス、マム」

 俺は満を強襲する。

「うわ、一体全体どうしたんだ零一」

「知るか、てめぇだけ笹川の下の名前を呼んでぼろぼろにならないのが癪に障るっ」

「はっはっは、そんなに羨ましいか、あがめろよ、僕を崇めるといい」

 そんな事をしていたら朝のHRを開始するチャイムが鳴り響くのだった。まったく、俺が変な奴とは笹川め……


にょまたりきりきが足りない。さて、これでわかる方いらっしゃいますかね。わかるかた、凄過ぎです。尊敬に値する人ですね。例文としては『君はにょまたりきりきが足りないな』そういった感じで使います。皆さんもぜひ、様々なところでにょまたりきりきを使いましょう。努力の足りない雨月のどうでもいい一言でした。二月二日十九時三十二分雨月。

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