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第百六十五話◆剣編:何でこんな事になったのか

第百六十五話

 久しぶりに、というより初めて吉田家の門をくぐった俺に満は胸を張って威張るのだった。

「どうだい、初めて家に連れてきたけど驚いただろう」

「すっごく驚いた」

「しらじらしいような驚き方は逆に心を傷つけるよ」

「あはは、ばれたか」

 中にお邪魔したことはないが満の家がどういったものなのかは知っていたりする。以前、吉田剣はどういった存在なのかを詳しく知るために追跡した末ここにたどりついたというわけだ。

「あのときは剣のことを話していなかったから家に呼びたくなかったんだよ」

「へぇ、なんでだよ」

「剣はねぇ、自分が気に入らない人が家に来ると怖いんだよ、あとで」

 きっと、友達が帰った後木刀でぼこぼこにされるのだろう。一部の趣味の人だったら喜びそうだが満はそういった趣味がないと見える。

「満、おまえがそういった趣味に目覚めたら俺、友達やめるぜ」

「勘違いしないでくれよ、栞たんに殴られるのなら話は別さ」

 友達をやめるにはどうしたらいいのだろうか。やっぱり、辞表とか必要になってくるのだろうな。用意しておかなくてはいけない。

「ま、ともかく剣の中では零一が比較的いい待遇だから今日は連れてきたわけさ」

「ははぁ、おまえ大変なんだな」

「そうなんだよ、真先輩が来ているときに剣が帰ってくると大変なんだ。一方的に真先輩の血の雨が降るね」

 一度でいいから見てみたい景色だな。

「さ、玄関先でなんだからさっさと上がってくれよ」

「お邪魔します」

 年季の入った柱に壁、それらは木でできており、なぜか落ち着いてしまうそれはなんでだろう。

「いい材木を使っていますねぇ」

「いや、そんなほめ方はいいからさっさと二階にある僕の部屋に行こうよ」

 満に先導してもらって二階へと上がる。二階も一階と変わらない部屋数があってもう一か所階段があった。

「へぇ、外から見たらわからなかったけど三階まであるのかよ」

「三階というより屋根裏部屋かな。押入れみたいな感覚だね。別名、僕の宝物庫」

 ほほう、それはあとでお宝を拝見させてもらおうかな。

 二人してしばし笑うといよいよ満の部屋へと案内された。

「いや、普通すぎて逆にがっかりだな」

「がっかりとか言わないでくれよ」

 ベッドの上にはパジャマが散らばっており、たんすの前には畳まれている状態の洗濯物が置かれていた。単行本やライトノベルがそこらに散乱し、お世辞にもきれいとは言い難い。

「よし、掃除するか。まずはベッドの下からだ」

「させないよっ」

 満は急いでベッドの上で大の字になった。

「おいおい、ちゃんと宝物庫にしまっておけよ」

「最近剣が僕にうるさくないからいろいろと余裕が出てきているんだよ」

「へぇ、おまえにうるさくなくなったのか。そりゃよかったな」

 噂をしていればやってくるといった類はよく聞くわけだが今回もそうだった。唐突に下からただいまと聞こえてきた。

「おい、急いで部屋の扉を閉めたほうがいいんじゃないのか」

「零一、閉めてくれよ」

「いや、ここはおまえが閉めるべきだろう。ほら、そこをどかねぇといろいろとまずいぜ」

「くっ、僕を脅す気か」

「いいや、俺はお前のことを考えているだけだぜ」

 緊迫したやり取り、ぎりぎりの交渉。にらみ合いが数分続き、デッドラインを経過してしまった。

「あれ、一先輩じゃないですか」

 その後、部屋の惨状を目の当たりにする。

「一先輩、此処にいてはいけませんよ」

 俺の腕を掴んで引っ張っていく。そして、向かい側のふすまを引いて、殺風景の部屋へと連れて行かれた。

 満の部屋からは安どのため息と何かを取り出して廊下を走っていく音が聞こえる。ちっ、やつのとっておきを確認するチャンスだったのによぉ。

「では、一先輩、お茶を持ってきますのでおとなしく待っていてください」

「ああ、わかった」

 さすがに、女の子の部屋を家探し(佳奈の部屋なら掃除をするが)するのはやばいであろうからおとなしくちゃぶ台前に鎮座。きょろきょろと見渡しても面白そうなものはなさそうだ。

「よし、部屋を片付けたよ零一」

 満が入ってきて同じようにちゃぶ台まえに座る。

「でも、もしかしたらまだ何かあるかもしれないから今日は剣の部屋で勘弁しておいてくれ」

 とりあえず、二人で剣が帰ってくるのを待つことにしたのだった。


ぶっちゃけ、小説書くときは指標が必要だと思います。この話が好きだなんて言ってもらえると頭の中のブースターが加速するなんてことはよくあるものです。極論、感想が欲しい時は『この小説打ち切ります』と言ったりします。もちろん、他の理由があってやめることもありますよ。一度使ってみようかなぁと考えているところです。でも、そんなことなら最初から『喉から手が出るほど感想が欲しいです』と言ったほうがいいかもしれませんねぇ。おっと、話がずれましたが、指標はやっぱり読者も関わってくると思います。読者から頂いた感想やメッセージでふと閃く何かがあったりするわけですよ。と、いうわけで大体読んだ小説には感想を書く努力はしていたりします。皆さんも出来るだけ感想を書いてあげましょう。読者がいると書き続けようという気持ちになりますからね。五月十二日水曜、八時四十一分。あ、こんなこと言うんじゃなくて剣編がよかったと言う方がいらしたら意思表示をお願いします。

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