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第百五十一話◆夏樹編:黒のまほろば ~日本廃墟に潜む怨霊~

ここから先は繋がっているようで独立しているような話になっています。お気をつけください。

第百五十一話

 ゴールデンウィーク一日目に竜斗救出を行い、それ以降実は暇というイベント最初だけのスケジュール。だらだらと一日過ごそうと思って布団の中に入ったままになっていたのだが、やはり、暇だったので佳奈に連絡を入れてみたのだが相手は出ない。朱莉に連絡を入れてみたのだが、やっぱりでない、剣のケータイ電話も音信不通。ニアはケータイを持っていないので最後に回すとして、澤田に連絡をしてみた。

「………はい」

 まるで、変態からの電話に出るような感じの声が返ってきた。

「あ、もしもし、俺だよ、俺……いやぁ、ゴールデンウィーク……って、悪いな。よくよく考えてみたら澤田の家は絶対に予定が詰まってそうだもんな」

 あの家は澤田のことを第一に考えているからなぁ。

「いえ、実は両親共に仕事に出かけてしまっていて……」

「そっか、それなら一緒に遊びに行かないか」

「い、いいんですかっ」

 凄い大声がケータイを通じて襲い掛かってくる。ディスプレイに表示されているゼロツーは耳をふさいでいた。

「ああ、俺が誘っているんだし……でも、剣とか朱莉とかいないぜ。連絡がつかなかったから俺と二人で遊びにいくことになるんだけどそれでもいいか」

「はいっ、大丈夫ですっ」

「あ、でも澤田のほうから連絡を入れれば……」

「いえ、二人で大丈夫ですから気にしないでください」

 元気な澤田の声が返ってきたのでほっとした。てっきり、昨日のあれで問い詰められるかとも思ったのだが、黙っていてくれたようだ。



―――――――



 駅前の噴水で待ち合わせをしていると澤田がやってきた。淡い緑のワンピース姿で見ていてまぶしいものがある。俺と同じように待ち合わせしている連中も少しは澤田のことを見ていたりする。うん、なんだか勝った気分だ。

「今日は何処に行くんですか」

 そういわれて肝心の予定を全く考えていなかったことに気がついた。

「ん~、予定なんて決めてなかったからなぁ……電車も人が多いと思うぜ。暑苦しい中で突っ立ってないといけないって結構苦行だな」

「じゃ、そこの映画館で映画でも見ましょう」

「そうだな」

「ささ、早く行きましょう」

 前は大人しい子だとばかり思っていたのだが意外と活発なところもあるんだな。もしかして、何か見たい映画でもあるのだろうか……

「で、どれがみたいんだ」

 どの映画が上映されているところも人でごった返していた。人ごみに入るのは別に嫌いではないが、それは一人でのときである。今日は澤田と一緒のためはぐれる危険が出てくる。澤田がはぐれると、俺が悪くなって、澤田のご両親から、俺の保護者である鈴音さんと達郎さんに連絡が行き……



「零一って馬鹿でしょ」

「こんの馬鹿野郎がぁぁぁっ」

「やっぱり、悪いけど零一君は家に置けないわ」



 そういった事態が考えられる。俺は絶対に澤田を見失わないように心に誓った。

「あの、私はあれが見たいです」

「どれだ……え」

 指差したポスターを見て俺は言葉を失った。



『黒のまほろば ~日本廃墟に潜む怨霊~』



「え、えーと、これでいいのか」

「はいっ、去年、朱莉先輩や零一先輩、佳奈先輩と一緒に海に行ったとき以降、こういうのが好きになったんです」

「ま、まぁ、人の趣味はそれぞれだし」

「あ、恐かったら私に抱きついても大丈夫ですから」

 何が大丈夫なのかは知らないが、ともかく中に入って見てみることにしよう。



―――――――



「ちょ、ちょっとだけ……怖かったですね……」

 俺の腕をしっかりと掴んで放そうとしない澤田がどれほど怖がっていたのだろうかと考える。

「……まぁ、客の中でも悲鳴を出していた人殆どだったからな。ちょっとってレベルじゃなかっただろ」

「でも、零一先輩は悲鳴すらあげてなかったですよね、凄すぎですっ」

「あ、あははははは……そうだな」

 正直に言おう、俺はあまりの恐さになると黙り込んで目が見開いてしまう性質なのである。俺の隣席にいた澤田が叫んだ時は危なかった……そして、なんでもないところで腕をつかまれたのが本当、びびった。

「んじゃあ、これから昼飯でも食べに行くか」

「そうですね……でも、今の時間帯何処でも人がいっぱいいますよ」

 近くのファミレスには長者の列が……何処の店も澤田が言ったとおりいっぱいである。

「ん~そうだな~じゃ、スーパーに行くか」

「え」

「あ、何か勘違いしているみたいだけど違うぞ。俺が作るんだよ、俺が。ここからならアパートまで歩いて帰ったほうが早いだろうし」

 俺はそういって歩き出した。当然、俺の腕を掴んでいる澤田もついてくることになる。


休載の前に溜まっている分を消化しておくことにします。期間がどれだけなのかはわかりませんが、作者である雨月がひらめいて、小説を書くことが出来ればそこで休載は終わりということになるんですね、はい。実質、もう小説を書いておらず悩んでいるというわけで休載は始まっているといっていいのですがこっちの投稿はまぁ、別の話になってくるわけです。さっさと休載から脱出できるようにがんばります。四月二十九日木曜、九時三十三分雨月。

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