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第百四十六話◆竜斗編:竜を屠る者

第百四十六話

「いやぁ、零一くんって料理がうまいんだね。おれのお嫁さんにならないかな」

 竜斗はおどけたようにそういった。実においしそうに春巻きを食べてくれているのは嬉しいことなのだが……

「………」

「もう、さっきからどうしたのさ。ぼけっとおれをずっとみてて」

「いや……やっぱり、俺からみたらお前、やっぱり女にしか見えないな」

「はぁ、何言ってるの」

 不思議そうな顔を俺へと向ける。

「基本的に男装している女子を見て大体の男子は女だって気付かないもんだろ。いや、学校外で男装しているならまだしも、学校だ。それじゃあ多分、気付かないって思う……それこそ、着替えのシーンとかに立ち会わなければだけどな」

「………」

「お前、何か事情でもあるんだろ」

 そういうと頭をふった。

「さぁね、あったとしてもおれが零一くんに教える義理は無いよ」

「まぁ、そりゃそうだな」

「ご馳走様、おいしかったよ」

「ああ、そりゃよかった。食器は流しに入れておいてくれよ」

 玄関へと向かった竜斗を見送るために俺はかなり短い廊下を歩く。

「……そうだなぁ、ま、明日になればわかることさ。おれが君に勝ったとしても、負けたとしても……負けた場合はおれに理由を聞けばいいんだからね」

「……ああ、明日を楽しみにしているぜ」

「じゃあね」

 竜斗はそれだけ残して去っていった。変に大きな音がして扉が閉まったのはこのアパートがぼろい所為なのだろう。



―――――――



「ここが、ニアの家だ」

「へぇ、此処が……大きな家だねぇ」

 チャイムを鳴らし、少し待つとニアが出てきた。クノイチ姿で出てきたらどうしようかと真剣に悩んでいた俺が馬鹿みたいだ。

「お、零一……と、誰だ、そいつ」

「やぁ、始めましておれの名前は野々村竜斗」

「竜斗……女なのに変わった名前してるんだな」

 流石はニアだな。もはや、そんじゃそこらの人間ではないと認めてやりたいぐらいだ。

「え……」

 当然、竜斗は驚いたような顔をしている。

「ニア、お前は女と付き合えるか」

「……無理な注文だな、零一」

「よし、俺の勝ちだ」

「………」

 竜斗は愕然とした顔をしていた。俺の方へと首をゆっくりと動かしたのちに傾げる。

「あれ、何で……」

「やっぱりだな……というか、ニアを一般人と思っちゃ駄目だ。大体、お前の変装なんてわかる人にはわかるんだよ。笹川の兄貴、真先輩はすぐに女だって気がついていたぜ」

「………」

 再び黙り込んだ竜斗は踵を返した。

「あれ、どうしたんだよ」

「……今日は帰る。ちょっと疲れたからかな。ああ、ちゃんと約束は守るからさ……とりあえずここで遊んできなよ」

「わかった」

「じゃあ、零一……今日は地下の説明をしたいってじーじが言っていたぞ」

 竜斗のやつ、大丈夫なのだろうか……まぁ、ともかく、地下の話は聞いておかないとリアルに危険だからな。



――――――



 俺の住処に帰り着くと扉が開いていることに気がついた。

「………」

 もしかして、泥棒でも入り込んだのだろうか……そう思って慎重に扉を開けて中に入る。

「やぁ、お帰り」

「って、何だ、お前か……びっくりさせるなよ……で、何だ、その格好は」

 竜斗はベッドのシーツを纏った姿だった。今度は白い魔導士さんのコスプレなのだろうか……


久しぶりのバイトで天使のすんでいるほとりを見たような気がしましたが……それは白昼夢でした。太ももがすでにパンパンで色々と大変です。でも、両腕は止まらない、執筆、絶好調です……嘘、ですけどね。さて、気を取り直してやっていきましょう。最初、竜斗は登場する事無く、生徒会長が登場するつもりでした。しかも、その生徒会長は留年を許さないようなタイプの人であり、毎日毎日留年した人に勉強を教えるというとても熱血漢……女ですけどね。そしてある日、零一の番がやってきて勉強を教えるも普通に出来る。何故、この人物は留年したのかと疑問に思った生徒会長は零一のことを調べ上げ、決定的なことに気がついてしまうのです。なんと、それは剣が分岐点であったということなのですっ。つまり、他人を優先してしまったために自分が駄目になってしまったということを会長は零一に伝え、それを零一も思い出す……そして、剣本人はさっぱりそんな事を忘れてしまっていたのでしたっ……というそんなお話。しかぁし、そうなってしまうと今度は生徒会長の生い立ち、家庭事情、明日の天気予報など様々な情報が必要となってくるうえに設定がこれ以上やってしまうともう、覚えるのも面倒だということになりかねないと思ってすっごく濃いキャラを登場させねばとサブキャラのはずの竜斗が格上げ。そして、生徒会長は抹消されたというわけなのです。一応、生徒会長がどういった人かは竜斗が話してくれました。勿論、その頃からすでに竜斗は野々村でした。雨月も最初は野々村、東の話をちょろっと書くだけで終わろうと思ったのに、ここまで竜斗編が長くなってしまうなんて思っても見なかったというわけなのです。竜斗編を一気にやってしまってなんとな~くな立ち位置の各メンバーを脅かす存在に竜斗がなってくれればそれで満足……でしたが……目論見なんてうまくいかないものなのです。次回、またもや、竜斗の問題が零一だけを直撃します。そして、長かった最初の竜斗編最後では零一が絶対絶命のピンチに陥ります。まぁ、これだけ前フリやっておけば何とかなるでしょう。うん、読んでくれる人だけ読みますからね、小説って奴は……。自信は持ちたいけど、自信なんてどうやって持てばいいんだよぉっ。疲れていると妙にハイテンションになるのはおばかな証だ……多分。四月二十五日日曜、二十一時二十五分雨月。

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