第十四話◆:意外、あの人が本を読むなんて
第十四話
土下座をしたところで済まされる問題と済まされない問題があるのである。そういうわけで、こういった場合は普通に逃げるほうを選ぼう。
「と、すでにつかまれてるから逃げることができないっ」
「どうしてそう、逃げるの、わたしが何かしたのかしら」
「小動物的見解です」
そういってみるが、相変わらず俺を掴んだままだった。
「そういえば、まだ校内を案内してなかったから案内してあげるわ。今日の放課後、時間あるわよね」
「……まぁ、あるけどな」
「そう、それはよかった」
「じゃ、わたしは用事があるから」
「ああ、放課後楽しみにしてるぜ」
そういうと俺を放した後にどこかへ行こうとしていた。
勿論、俺が放っておく事もなく、追いかけていくことにする。ついていった後に何か事件性のあるようなものがあるかもしれないし、おもしろいことがあるかもしれないのでばれないように、そっと追跡することにした。
行き先は……どうやら、図書館のようだ。そういえば、図書館って行ったことなかったな。
―――――――
図書館は人気があるのか意外と人が多かった。意外だなぁ、こんなにも本の虫が生息しているなんておもわなかったよ。
様々な蔵書を紹介している脇には読書数のランキングが掲載されていた。十位に、一年生の笹川栞と書かれている。
「え、嘘」
まったく、本を読みそうに無いタイプだったのだが意外と読んでいるんだなぁ。おっと、こんなことをしていたらまた対象を見失ってしまう。
追跡対象者である笹川は十冊もの本を持ってカウンターへと向かっている。ライトノベル、料理本、心理学関係、建築関係、ポエム集……どれもこれも一貫性がなくてばらばらのものが積み重なっている。
「……」
無愛想な図書委員と何も話す事も無く、そのまま図書館を出て行く。その後姿は文学系少女に見えることは無かった。
――――――――
放課後、約束していた通りに待っていてくれた。
「さ、行こうか」
「ああ、案内よろしく頼む」
正直に言うと、大体のところはこの一週間の間で頭の中に入り込んでいる。もちろん、二年生、三年生の詳しい教室までは知らないが今の俺が知る必要なんてないだろう。
「案内といってもどうせ殆ど知ってるでしょう」
「まぁな」
「転校生君が知らないところに連れて行ってあげるわ」
「そうだなぁ、知らないところっていったら……」
何処かあるだろうか。特に思いつかないし、今のところ困る事はないだろうな。
「特に無いなぁ……ああ、屋上に行ってみたいかな」
そういうと嫌そうな顔を見せた。
「……不良たちがいてもわたしは何もしないけどそれでもいいのね」
もちろん、これは相手にちょっかいを出すということではなく相手から俺がぼこぼこにされそうになったとき助けてくれないととったほうがいいだろう。
「別に、自分の身ぐらい守れるから安心していいぜ」
「どうだか……それなら、屋上に行くわよ」
「ああ、案内よろしく頼む」
「知ってるくせに」
そういわれて俺達二人は屋上へと向かうことになったのだった。
うーん、今改めて後姿を見てるんだが……
綺麗な後姿だなぁ。
→本読みそうには見えないなぁ。
明日が節分。さぁ、鬼さん出て行ってください。貧乏神がきっと背中にいるに違いないっ。不幸な作者、雨月です。特に何も話すことが無い状態ですが……ああ、あれですよ。そろそろゴ○ドイーターの発売日ですね。あれ、体験版をダウンロードするのにすっごく、大変だったのを覚えています。ま、たまにはゲームの話もいいかと思って話した所存です。二月二日火曜、十二時二十五分雨月。