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第百十七話◆剣編:あの朝日に向かって走れっ

第百十七話

 目覚まし時計……みんなは使っているだろうか……俺はきちんと使っている。それがないと起きれないと言うわけではないのだが、目覚ましが鳴る前に目を覚まして……さぁ、来るぞ来るぞ……と思うのが好きなのである……いや、すでにこれは習慣化しているな。

『ゼロワン様、時間です。起きてください。学校に遅刻しますよ。じか……』

 もはや、ケータイなのかゼロツーなのかよくわからない。白くて二つ折りのケータイはおしゃべりになっていた。

『無理やり消すのはひどいですよ。最後まで言わせてもらいたかった……』

「いや、目覚ましは起きたら消すのが常識だろ。起きてもまだつけている奴は音楽聞きたい奴だけだぜ」

『では、ゼロワン様がおきても尚、私の声を消さないというのは私の声が聞きたいということなのでしょうか』

「それは単純に消せないからだ」

 消音モードにしていたとしてもこいつは喋る。何のための消音モードなんだと思ったら『発砲時の音を消すのも消音ですね』とゼロツーに言われた。ともかく、学校に持っていったときに何か喋られたら面倒だった。冬休みに突入してよかったと校長先生にお礼を述べたいぐらいだ。

「零一、お客様が来たわよ」

 佳奈がいきなり入ってきた。

「あれ、今誰かと話してなかった…」

「あ、ああ……そこのケータイと話していたんだ」

「電話……ああ、友達からね」

 この言い訳は意外と伝わるのかもしれない。俺はウソはついていない。勝手に相手が勘違いをしていくだけなのだ。

「で、誰だ」

「満君の妹さん」

「……」

 え、何でだろうか。俺まだ彼女に吊るされてやられるほど悪いことはしていないと思うのだが……

「雨乃零一先輩、今日から私達も冬休みになりました。そういう理由で走りこみましょう」

「………」

 玄関先にはこれから走りますよというスタイルの吉田剣がいた。その目には炎が燃えており……やる気まんまんだったりする。だが、外は寒くて出るのが億劫。第一にまだ朝飯も胃に収めていないし、収めたとしたら今度はコタツの中から絶対に動きたくない……それに、この吉田剣とは一緒に走りたくないんだよなぁ……だって、凄く厳しそうな相方になりそうだもん。

「雨乃零一先輩っ」

「え、ああ……着替えてくるからちょっと待っててくれ」

「はい、待ってます」

 俺ってほら、年下には優しいタイプだから。あれ、何でだろう……なんだか頬を水分が伝っちゃうぞ……



――――――――



「……はい、お疲れ様でした」

「お疲れ様でしたぁ……」

 散々色々なところまで走っていって大変だった。まぁ、中学生に負けるほど俺は其処まで衰えてはいないということだろうか。

「先輩、意外と体力あるんですね。失礼ですがあまり無いほうなのかと思っていました」

 頬をピンクに染めて軽く息を吸いなおす……まぁ、その仕草というか何と言うか……一応、可愛いといえば可愛いと認めておいてやろう、満。

「まぁ、小さいころから色々と……」

「色々と……なんですか」

「まぁ、体力づくりには努力していたんだよ」

「なるほど、自己鍛錬ですね」

 爺ちゃん、面倒な子に出会っちゃったよ。きっと、この子に俺の癖がばれたら……どうなるのだろうか。

「ともかく、これで終わりだろ。じゃあ、俺は帰るから」

「はい、お疲れ様でした。明日もちゃんと迎えに行きますからね」

「え、今日だけじゃないのか……」

 そういうとちょっと怒ったような顔になった。

「ええ、当然です。一日だけ走ったところで意味が無いです。こういうものは持続させていかないといけませんから」

「……まぁ、確かにそうだよなぁ」

「ええ、そうですよ」

「ところで、満はどうしたんだ。満はこないのかよ」

 そういうと眉をしかめながら剣は口を開く。

「兄は私よりも朝が早いので……」

「ええっ、本当かよ」

「はい。以前は一緒に走っていたのですが去年辺りから私より朝が早くなったので走っていません。走ろうとする頃にはすでに姿がありませんから」

「……」

 それ、絶対に逃げているよ……とはいえなかった。

「先ほども言いましたがこれからも迎えに来ます」

「あ、ああ……年末だけどな」

「年末なんて関係ありません。一緒に走って丈夫な身体を作りましょう」

 俺はどうしたものかと考える。


 頷く。


→嫌だと断る。


Pホワイト、Cレッドのスプレーを吹っかけていたMGエクシ○を昨日完成させました。当初は紅すぎたかなぁと思っていましたのでその後に再びPホワイトをかけたところまぁ、許容範囲まで復活したのでよかったです。市販されているトランザ○カラーがなんだか色が薄い気がしたので作ってみたのですがまぁまぁよかったかなぁと思います……って完全に私事ですねぇ。そんなことはいいんです。さて、遂に始まりました剣編。これ以後、彼女はよく出てきます。真、満の存在を忘れるぐらい出てくるかもしれません。燃えろ、熱血少女吉田剣ってな題名もいいかもしれませんね。おっと、ここで皆様に一ついい忘れていたことがありました。いたって日常的な日々が続くゆったり系ラブコメとヒロインががんがん主人公に奇襲、強襲などを仕掛けまくるというどたばた系……どっちのほうが人気あるんですかねぇ。教えてくれる方は幸いですがこればっかりは人の好き嫌いでしょう。四月七日水曜、八時二分雨月。

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