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第百話◇:ゼロツーといっしょ

以下、勝手にひっぱってきた『新潟のアヒル』さんによる元のネタです。ええ、もう、ね、怒られちゃってもどうしようもないんです。消すしか方法無いんですよ。削除なんて方法あったかな……ともかく、どうぞ。



 零一の携帯を見て、なぜか嫉妬に狂った誰かさんによって携帯をへし折られてしまう。

 そして零一は穏やかな心を持ちながら激しい怒りによって目覚めた伝説の戦士として覚醒、つーか単純にキレてしまったのであった。



―――――――



 その後ひとしきり暴れた後、とぼとぼと疲れたような足どりで、ニアの爺さんにゼロツーが亡くなったことを報告しに行った。

 だが、ニアの爺さんにそれを話すと、呆れたように

「何を言っとるんじゃ、ゼロツーの本体はこっちにあるぞい、お前の携帯とは通信しとっただけじゃ」

 などとのたまった。

 部屋のなかにあるモニターを見てみるとゼロツーと思わしき少女の画像が浮いているではないか。

「……………………」

 驚愕の事実に固まる零一。だが、零一はそのことで喜びを感じるよりも先に、さっきまでの自分の学校でのことを思い出していた。

「……………………」



「俺は怒ったぞー!!」

 とか言いながらクラスメートを襲う自分。

「ゼロツーのことか、ゼロツーのことかぁあああ!!」

 とか言いながらクラスメートを襲う自分。


 ……うわぁ………。

 零一はその場で顔を手でおおいながら膝から崩れ落ちていった。


第百話

 こんにちは、皆さん。私の名前はゼロツーといいます。万能です。

「そうは思わねぇけどなぁ」

 訂正します、万能包丁よりは万能だと思います。

私は高校一年生である雨乃ゼロワン様の夢から生まれた……夢の電子妖精といっても過言ではありません。

「お前、天使の翼が生える予定じゃ無いっけ」

 訂正します、夢の電子妖精ではなくて夢の白き天使ゼロツーです。

ダニエル様の人間とは思えない技術によって生まれ、今ではゼロワン様の携帯電話に待ち受けとして設定されている(解除不可能)わけなのですがこれがまた、研究室にいた頃と比べて刺激的な毎日を送っています。以前は研究室で放置状態でした。暇でした。

「個人的にはお前に醤油をこぼした時が一番焦ったよ」

 そんな、醤油ぶっかけ事件よりも私的に一番心に残った……失礼、メモリに残ったことは以下の出来事です。



―――――――



「零一、僕にケータイを見せてくれよ」

「はぁ、何でだよ」

 羽津高校一年G組の教室。時間帯はお昼休みだった。日中温度も夏場に比べればかなりましになってきており、一週間に一度、寒くなる日々が続いている。

「たまに思うんだ。僕より零一のほうが女子受けがいい気がしてならない」

「どういう意味だよ。詳しく説明しろ」

「女子と仲良くなったとしても電話番号を知らなければ、電話帳に無ければ……僕は零一の上に立っていると自負できるんだよ」

「それはすでに自負じゃないぞ。日本語をもう一度習得しとけよ」

「そんなことはどうでもいいんだ。僕は零一のケータイを覗きたいだけなんだ」

 変な意味に捉えてしまう人がいるかもしれない。だが、雨乃零一の友人である吉田満はいたって真面目に聞いているのである。

「お願いだ、一生のお願いを使ってもいい」

「この前五百円を貸してやったときに一回つかったぞ」

「じゃあ、零一の一生のお願いを使わせてもらう」

「じゃあって何だよ。勝手に人の一生のお願いを使うんじゃねぇよっ」

 雨乃零一にとって携帯電話を見られるのはちょっとまずかった。彼の携帯電話には友人であるニア・D・ロードの祖父であるダニエル・D・ロードが作り出した『ゼロツー』というAI的なもの(AIなのかは不明)が搭載されているのである。

 ゼロツーは待ち受け画面に強制的に設定されているために二つ折りの携帯電話を開けると内蔵されているカメラで相手を認識すると喋るのである。画面に文字が掲載され、そのまま耳に当てて会話することまで出来るのである。まぁ、この場合の問題としてはゼロツーの容姿が女の子の姿をしていることに問題があるのかもしれない。

「なぁ、見せてくれよぉいいだろうっ……あ、もしかして待ちうけが好きな女の子のものなのかっ」

 惜しいっ。雨乃零一は心の中で思った。好きでもなんでもない謎の電子生命体なのである。

「お願いだぁ、お願いだぁ、今度栞たんに何か奢るからお願いだぁ」

「俺に奢れっての……ったく、わかったよ、電話帳を見せればいいんだろ」

 携帯電話を取り出して急いで電話帳を表示させる。携帯電話を開けると基本的にゼロツーが喋りかけてくるので無視しているのである。今回も『先ほどの授業で二分間ゼロワン様は眠っていました』と言っていたのである。

「ほれ、好きなだけ見ろよ」

「ありがとう、我が親友」

 全く、調子がいいんだからよ……雨乃零一はそう呟いて友人を見る。

「よし、妹の電話番号を知っている点で僕の勝ちだね」

「……まぁ、お前がそれで納得したのならいいけどな。ほれ、さっさと返せ」

「はいはい……ん」

 吉田満の手が止まる。どうかしたのだろうかと雨乃零一は思わない。ゼロツーの待ち受け画面を見たのだ……。

「もういいだろっ、返せよっ」

 急いで携帯電話を取り上げる。ちらりと見た待ち受け画面には『ゼロワン様以外に見られちゃいました、キャッ』と呟くゼロツーがいた。

「……零一、それ、何かな」

「携帯電話だ。黒くて、ぼろくて、二つ折りのbocomo機種の奴」

 これ以上必要な質問は分厚くて邪魔な説明書に書いてあるぞと雨乃零一は言うのだが、とぼけることが出来なかったようだ。

「……待ち受け画面だよ」

「これはその~、あれだな、天使だ。うん、天使」

 間違ってはいないはずだと心の中で誰かに言い訳をする。間違いではないだろう。本人もそういっていたはずだし、作成した人も言っていたはずだ。

 そんな事を考えていたのが間違いだったのだろう。雨乃零一の手に握られていた携帯電話が吉田満の手に移る。

「…あ、おいっ」

 待ち受け画面を吉田満は確認し、目を見開いた。

「……ナニッ」

 そして、なんと……

「このケータイが悪いんだぁっ」

 そういって真っ二つに折ったのである。

「て、てめぇっ、ゼロツーに何しやがるっ」

「煩いっ、僕は僕は……やるせないよ。あんな電子生命体になんて事を……」

「あんな電子生命体……ゼロツーのことかぁっ」

 その後、雨乃零一は珍しく教室で暴れまくった。だが、それもほんのわずかな時間のことで……クラスメートに呼ばれて戻ってきた笹川栞に滅多打ちにされ、動かなくなったのである。

 目撃者の話では『穏やかな心を持ちながら激しい怒りによって目覚めた伝説の戦士に見えなくも無かった、いや、やっぱり見えなかった』と語っている。



――――――――



 吉田満によって黒くて、ぼろくて、二つ折りのbocomo機種は見事にへし折られていた。すでに携帯電話は携帯電話として機能しておらず、もちろん、待ち受け画面も暗黒を映し出しているだけだった。

「……」

 雨乃零一は夕焼けに染まりつつある空を眺め、ため息をつく事無くアスファルトの道を歩く。向かう先はゼロツーを作り上げた友人の祖父のところであった。

 友人の家は道場もやっているが、用事があるのは母屋のほうである。

「どうした、零一……元気がないぞ」

 友人であるニア・D・ロードが玄関先で雨乃零一へとそういった。

「ん、いや、俺はいつもどおりだよ」

「そうか、今日は遊びに来てくれたのか」

「いや、悪いが今日は爺さんに用事が会ってきたんだよ。会わせてくれないか」

「いいぞ~、あ、今日は庭のほうからすぐに研究室にいけるから運が良かったな」

 ニア・D・ロードに案内されて庭のちょっとした池のところへと向かう。そして、手をメガホンのようにして叫ぶのであった。

「にいがた~」

そういうと緑に染まった池が真っ二つに割れて地下へと続くはしごが現れる。

「よし、行っていいぞ」

「……その合言葉については今度突っ込ませてもらうな」

 雨乃零一ははしごに足をかけて下に下りていくのであった。まだまだ、世界には自分の知らないことがあるんだなぁ……彼はそう呟くこともなかった。



――――――――



 ダニエル・D・ロードの研究室は八畳ほどで、更に奥のほうにはカーテンで仕切られている。床にはコードやケーブルなどが密集しており、パソコンのモニターなども全て起動状態であった。

 一つしかない回転式の椅子に腰掛けていたダニエル・D・ロードは雨乃零一の姿を見ると首をかしげる。

「若造、どうかしたのか」

「すまん、爺さん……ゼロツーが壊されちまった」

 事の顛末を詳しく話すとダニエル・D・ロードは笑うのだった。雨乃零一にはその理由がわからなくてきょとんとするだけだった。

「確かに、ゼロツーユニットは若造の携帯電話に入っておるが、バックアップもとっておる。随時更新されておるから安心せい。ほれ、そこでゼロツーが手を振っておろう」

 二頭身の少女がモニターの中で手を振っている。

『びっくりしましたか、しましたね。その顔、是非とも写真に撮りたいものです』

「……」

 雨乃零一はほっとするよりも自分の凶行のことを思い出していた。

「連帯責任じゃあっ。全員粛清っ」

「ゼロツーを馬鹿にした奴、全員宙吊りだぁっ」

 そんな知っている人以外には意味のわからないことを叫びながら大暴れしたのである。

 頭を抱え、これからどうしたものかとため息をつく雨乃零一にゼロツーは言うのだった。

『私に対するゼロワン様の愛情、感無量です』

「うるせぇよ。爺さん、このディスプレイの電源を切ってくれ」

 次の日、クラスメート全員に謝罪をしていたのを彼の隣人が確認している。


さてさて、いかがだったでしょうかゼロツーといっしょ。眠い。面白ければ万歳です。面白くなかったらそれは十割、雨月の責任です。『新潟のアヒル』さん、すみません。え~可能な限り手を伸ばし、あの手この手を使って小説のねたをひねり出しているわけなのですがやっぱり、たまにはひざをつくときだってありますね。眠い。まぁ、記念すべき百話なので生暖かい目で見送ってあげてください。眠い。前作では百話を基本的に一年として作っていましたがどうも、まだまだ一年生は続きそうですね。さっさと満の妹には登場してもらいたいのですがね。ええ、彼女は二年生時のメインヒロインになったりします。これからも陰だけは登場しますとも。ひっぱりまくって登場させます。さて、今後もがんばっていきますのでお暇な方、応援よろしくお願いします。雨月を応援すると調子付きます。それでは、またこれからもどうぞよろしくお願いします。それでは、大台に乗ったと言うことでこれにてドロン。三月二十四日二十二時二十七分雨月。

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