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第十話◆:銀髪ニア

第十話

 左から振り向いてみると、銀髪が見えた。

「……お前、こんなところで何しているんだ」

 ニア・D・ロード。切れ長の瞳に面白い奴を見つけたという色が浮かんでいた。

「いや、別に何もしてねぇよ」

 昨日みたいにぼこぼこにされるのは勘弁願いたかったので後ずさる……が、しっかり肩をつかまれた。

「え、ちょ、セクハラで訴えるぞ、この野郎っ」

「じゃあ、昨日ニアをストーキングしていたことを警察と学校にばらすぞ。それと、ネットに流す」

 上からすとーんと落ちていくであろう胸を張る。

「脅迫罪で警察に訴えるぞ、この暴力女……ぐはっ」

「ニアは一度も暴力を振るったこと無いぞ。だから、暴力女は間違ってる」

 今、振るったよっ。

「よし、ニアと遊ぼう」

「いや、遊ぶわけないだろ……いたたたた」

 万力のごとき力で腕を締め付けられている。通行人がそんな俺達を無視して通り過ぎていき、挙句の果てには『きっと、浮気がばれたのね』そんなことを言い残していく主婦までいた。なに、この状況はっ。

「どうだ、遊びたくなったか」

「俺、そうやって力で解決しようとする奴の言うとおりには絶対しないってきめてるんだ……」

「腕、折られてもだな」

 凄むがその程度の凄み方では物足りない。料理で言うならばサラダが妥当だろう。

「ああ、好きにすればいい」

 真正面から相手の眼力を受け止める。

「……わかった、ニアが悪かった」

「わかってくれればいいんだ」

 俺の腕を放し、申し訳なさそうな顔をする。

「お前、変な奴だけど面白い奴だな。ニアと友達になってくれよ」

「おいおい、自分をストーキングしていた奴と友達になりたがる奴のほうがおかしいぞ」

 俺が言うのもなんだが俺が普通の人間だったらきっと追跡癖のある人とは係わり合いにはならないだろうなぁ。だって、それって絶対おかしいもん。自分で言っていて悲しくなってくるがそれが普通の人間の考えだと思う。

 いや、よくよく考えてみたら目の前の少女は普通じゃなかったな。

「いい、だって、高望みしてたら友達なんて出来ないからな」

 にこっと、いや、にかっと笑う。ふむふむ、笑えば可愛いといえなくも無いな。

「ちょっと、まった…高望みってひどいな、おい」

「実際、そうだと思う。ニアって呼ぶの許してやるから名前を教えろ」

 なんだかしっくり来なかったが仕方がないな。

「……雨乃零一だ」

「じゃあ、零一、これから遊ぼうっ」

「……まぁ、それは構わないんだが……何して遊ぶんだ」

「鬼ごっこっ」

「……別にいいけどさ」

 鬼はニア、俺が逃げることとなった。まさか、高校生にもなって鬼ごっこを(しかも、たった二人で)やるとは思わなかったなぁ。

「まぁ、俺の足の速さは昨日見ただろ。十分の間に俺を捕まえることが出来なかったら今日は終わりだぞ」

「ほほう、それは面白い」

 なんとなく、子ども口調の癖してここだけきりりとなるのが面白かった。違和感ありすぎだが……まぁ、いいだろう。



―――――――――



 結果から言うと俺の勝ちであった。

「……」

 倒れたまま動かないニアをつつく。

「お~い、大丈夫か」

「……今回は負けたが、次はこう行かないからな覚えてろ」

 そういって立ち上がり、駆けていった。よほど、悔しかったのか涙を流しながら去っていったのである。

「……変な奴だな」

 それが、俺のニアに対する感想だった。


さて、十話目。よくよく考えてみたらこの作品で雨月のちょうど六十作品目。やりたいゲームもたくさんありますがまだ発売されてないので無意味。感想、突っ込みお待ちしておりますとそろそろ言っておいたほうがいいですかね。二月一日月曜、二十一時四十一分雨月。

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