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プロローグ
「雨の音ってこんなにうるさかったかな」
白い息を吐きながらそう呟いた。
傘も差ずに俯きながら歩いてるいるからか、なんだか視線を感じる。
濡れたコンクリートに反射して信号機が点滅しているのが見えた、走る気力は無い。
「おかえり」
家に帰り着くと母リビングから顔を出して不思議な顔でそういった。
「あー…ただいま、遅くなった。
飯は要らない」
ぶっきらぼうにそれだけ言って部屋に入る
母は
「そう…」
とだけ返事をした。こんなとき色々聞いてこないのはありがたい。
机に置いていたデジタル時計を見ると20時を超えていた。中学生にしては遅い帰りだ。体を拭いてベットに入る。気づいたら眠っていた。
翌日病院から電話があった。
今朝亡くなったと