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砕け散った砂時計 フラッシュバックの地獄と回想録

7万文字をギリまで書いた作品です。

男性が女性の心情の動きを書いた挑戦作品なので、合わない方はブラウザバッグをお願いします。

素人の、気まぐれで書きたいと思ったものを書いた作品なので、物書きの技術やセオリーがない事を理解した上で興味があったら目を通してやって下さい。

フィクションとして、酷い物はより酷く強調する為に、誇張して酷い表現を対比として使用していますのでそちらも苦手な方はブラウザバッグで

1.審判の砂時計


私には居場所は何処にもない…誰も私に手を差し伸べてくれる人はいない…唯一の家族である母ですら…

誰かのせいでもない…考えても考えても結局は全てを自分の手で壊してしまったのだから…

母と二人暮らしの狭いアパートの部屋で私は一人後悔に打ちのめされている…

私の名前は、瞳アスカ ひとみ あすか 14歳

私立のエスカレーター式の進学校の中等部二年生だった…

だったと言うのは、現在私は不登校だからだ…せっかく、母が必死に働き私が将来苦労しないようにと高い受験費用を払ってまで入れてくれた学校なのに…

日常が崩壊してしまうのは本当に突然だと、あの頃の私は知らなかった…

私は、幼馴染みの男の子に中学入学と同時に告白をした…今でもこの瞬間に戻れたならと考えてしまう…

彼に、私立中学を受験してみないかと母から勧められている事を相談した時も、『僕も、アスカちゃんと同じ学校を受験するよ。二人で勉強すれば受験も辛くないだろうし、中学に上がっても幼馴染みの僕が居たらふあんじゃないでしょ?一人でも知り合いが居るって安心しない?とまぁそれは屁理屈で、アスカちゃんと一緒にいたいなってのが本音かな…』と彼が照れくさそうに笑っている姿が、温かくて大好きだったはずなのに…

私は、彼の事が幼い頃から好きだった。受験するか悩んでいた時も告白を喜んで受け止めてくれた時も幼い頃から守ってくれた全てが…

彼は昔から優しく、目立たず影から困っている人や皆を支える事のできる心の強い人だった…容姿は一見すると女の子のように華奢で頼りなく見えるのに私はいつも彼を目で追いかけてしまうほど夢中だった…

ただ、彼は余りお洒落に興味がなかったのかまだ目覚めていないだけだったのか、小学生の高学年くらいになると、周囲の男の子達も異性を意識し始めお洒落に目覚めたりしている中彼だけは変わらなかった…一度付き合い始めの頃に、「お洒落に興味はないの?洋服とか髪型とか?」と質問をした事があったけど彼は、『洋服は自分が似合うとかこのデザインが好きって言うのを着れればいいと思ってるんだけどなぁ。だからさ、流行とか気にならないかな…髪型は今はいいかなって、高校生になったら顔とか大人びてくるだろうしその時にならないとどんな髪型が似合うかなんて分からないでしょ?』と私の大好きだった彼の優しい笑顔ではにかんでいたのもよく覚えている…

性格は、物静かでよく読書をしていて、必ず2冊程度は小説やラノベや漫画などを持ち歩く男の子だった…髪型も髪を長く伸ばし後ろで一本に縛っている事もあって、陰キャやオタクと揶揄される事もあったが彼は気にも止めていなかった…でも何故か目立たないはずの彼の周りには少しずつ人の輪ができ最後にはみんなに信頼され頼られる、何か不思議な魅力を持つ人だった…当時、1年生のクラスがまさに、彼を囲み暖かな空気の過ごしやすい場所になっていたけど私にはその場所ですら自分で居場所を壊し無くしてしまったんだ…

運動に関しては、可も無く不可も無く、学力は学年上位よりは少し下回る感じで、それでも私は凄いと思っていたのだけど、本人曰く『微妙』らしい…そんな彼に私は、よく図書室で勉強の分からない部分を教えて貰っていた…あの頃の私は、場所が何処であろうが彼と一緒に居られる空間であれば楽しくて幸せだったのに…なんで私は…

彼との付き合いは中学1年当時は順調だった…同じクラスだったし、クラスメイト公認で幼馴染み夫婦と冷やかされたりもしていた…

中学2年になり、物語の様に都合良く彼とまた一緒のクラスになれる訳もなく、彼とは別々のクラスになってしまった…

中学一年の終わり頃私は、成長期もあって身体が急激に成長し、胸やお尻が女性らしくなり、男性からHな視線を沢山学校で感じるようになった…それに対して彼は余り声変わりや男性的変化が見られずまだ少しあどけない雰囲気を残している感じだった…

二年生に上がっても、私達は登下校の時間を一緒に過ごすのは変わらず、昼休みも新しいクラスに慣れる頃までは二人で過ごしたりもしていた…でも、やはり一ヶ月も経つとクラスで仲の良い友達も出来て昼休みの彼との時間は自然に減っていった…

新しいクラスで私は、何故か所謂カースト上位と言われる女子生徒のグループに話し掛けられ、最初は物凄く緊張したけど少しずつ話しが盛り上がるようになって知らない内に新しい友達ができていた…当時の私は、新しいクラスに知り合いが居なくて不安を抱えていたから、彼女達が話し掛けてきた理由がたまたま席が近くだったからなのだとしても、少し戸惑って恥ずかしかったけド嬉しかったのをよく覚えている…

彼女達は私とは違い、小中学生に大人気の雑誌でJC読モとして活動し、SNSではライブ配信も人気で、その影響力からインフルエンサーとしても活躍しているお洒落で下品な感じのない可愛いギャル系女子、二人目は、将来の陸上界の期待の少女と中1で騒がれた有名人。明るく気さくなショートカットが似合う元気系陸上女子、三人目は、旧家の本物のお嬢様、才色兼備、文武両道が似合う程、成績優秀、生徒会から直々に生徒会長選挙出馬を打診される程のカリスマ、極め付けは剣道に長刀、茶道に華道もたしなみ、凜とした姿のお嬢様女子。こんなメンバーの中に私が一緒に居るなんて友人になった今でも不思議だなって当時はよく思っていた…

彼女達みたいなカースト上位の陽キャ女子の話題は、メイクにオシャレ、インスタなどの流行やちょっとHなウラアカなどの話…そして、一番多く話題になるのが恋話、今までの友人と話した事のない過激で大人な話題がよく飛び交っていた…初体験の話の時なんかは、彼女たちはとても盛り上がり、勿論その矛先は私にも向くわけで、嘘を付いたりはぐらかせたはずなのについ盛り上がりの熱に当てられ私は正直に『彼とは初体験はまだで…』と彼女達に話してしまった…あの時はただ話の流れを止めない為に答えただけで…でも、この選択で審判の砂時計は静かに崩壊へ向けて砂を落とし始めたのかも知れない…

 彼女達は私の答を聞いて驚いた様で口々に「マジあり得ない!アスカってさ自分がめっちゃ可愛いの自覚ないよね?男子達がHな目で見てくるのが気になるとか前に言ってたけどさ、それってさアスカが可愛いから「付き合いたい」とか、「彼女だったらあの子とキスとかHできたりするんだろうな」と異性として見ている証拠なんだよ!」や「なねぇねぇ彼氏くんって幼馴染みなんでしょ?凄いよねぇ子供の頃から一緒なんだもんね。お風呂とかも一緒に入ったりもしたの?お泊まりは?でもても、一年間は恋人になったのにキスもまだなんでしょ?それって不思議」とか「確かに幼い頃から互いの裸を見慣れていたり、互いの家に泊まったりしていたかも知れないが悪までもそれは二人共子供だった頃の話し。今は互いに成長して、アスカの身体は男子の視線を奪うくらいに女性らしく成長をしているのだからな…異性として意識をしているのであればキスくらいのアクションを起こそうとするのが道理ではないかと思うのだがナ私は」そして、「マジでその通りじゃね?思春期男子がアスカちゃんの身体見てムラムラしないとか、有り得ないっしょ!家族として好きとかなんじゃね?って疑うレベルっしょ!私が男なら付き合って一週間も我慢できずに押し倒して処女頂いちゃうってホラホラその巨乳の揉み心地はどうなんや?ホラホラ揉んでもっとオッサンがデカくしたるからなお嬢ちゃん」と両手をワキワキしながら詰め寄って来たりと私の周りで彼女達は賑やかに盛り上がっていた…

彼女達の熱量の高い盛り上がりは、その後も続き、デートの話しにまで飛び火して、「登下校や昼休みや図書室で勉強?それは基本でしょ!デートには入らないから普通は」「放課後や土日のデートがお互いの家か公園って何するの?Hしてないのにヤル事他にあったかな?」「たまにはゆっくりと二人で色々話すのは私も悪い事とは思わないし帰りに公園で話すのも同じだ。しかし、毎回と言うのはどうなのだ?私達は中学生だから、確かに家庭の事情の違いでお小遣いが違って当然だろう?中には少ない小遣いで大変な男子も居るはずだが、好きな相手を楽しませたいと必死に少ない金額でデートプランを考えたりお小遣いを貯めて彼女をデートに誘ったりプレゼントを買ったりするものだろ?子供の頃からの幼馴染みだからと言って、今までと変わらなくても大丈夫などと思ってアスカとそうしたデートしかしないのであれば、それは男が間違っている!幼馴染みから彼女になったのだろう?」などと私達の事について話が、盛り上がってヒートアップしてしまっていた…私は最初こそ彼の事を一生懸命に用語していたが、彼女達の話を聞いている内に、何故か心の奥底にモヤッとした感覚を感じ、彼女たちの言葉はそのモヤッとした物を揺さぶり広げていった…

そんな状態の私に彼女達は悪魔の誘惑を持ちかけてきた…「少しの間、私達と放課後を過ごし、彼との距離を置いてみて、彼がアスカを私達に独占されるのではないかと嫉妬させて、彼自身からアスカにアピールをしてくるようにしてみない?勿論毎日私達と帰ろうとか無理を言っているわけじゃないよ?アスカがどのくらいにするかは決めていいからさ?ねぇ?異性として見られたいなら変わるチャンスなんじゃないかなどう?」…

「もし、私達に一緒に帰ろうって誘われたから今日は帰れないって彼に言ってみてさ、いきなり文句とか言われたら、こうやって言い返せば平気、平気だから!」と…彼女達曰く、「帰りに一緒に帰れないなんて普通はあるよ。クラスも別で二人とも新しい友人関係が出来て当然なんだからさその新しいクラスメイトの友達との関係だって大切にしないとならないんだから。そのクラスメイトに誘われて付き合いで彼と一緒に帰れない日があったとして私が間違ってるのかな?」と彼に言えば反論はできないよと言われた…そして彼へのフォローとして、「朝は一緒に投稿できるんだよ?用事で一緒に帰れない時があっても、朝だけでも一緒に居られて私は嬉しいよ。全く逢えないなら嫌だけどそうじゃないでしょ?」と言う感じの事を言い付け足しておけば彼も安心すると言われ、心の奥底のモヤッとした物は、霧となり吹き出して心を覆い、彼女達の悪魔の誘惑に私は負けた…

当時に戻れるなら私を止め未来を変えたい…でもこの時の私は、彼女達の本当の素顔を知らない…そして、今なら心の奥底で疼いたモヤッとした物の正体が何か分かる…あの頃は彼への不安だと思っていたけど、本当は欲望だった…私は心から彼に全てを捧げたかった、彼に求められたかった、その自分でも気づいていない欲望が蓋をされ押し込められていたのに、彼女達の言葉に刺激されて蓋が開き漏れ出てしまい心に霧をかけた…でもそれを知らずに私は彼女達の手を取ってしまった…

それからの私は、彼女達と放課後の時間を提案通りに過ごす事が少しだけ増えていた…五月・六月と足早に季節は流れていき、七月に入ろうとする頃には、私自身の判断で決めて構わないと言われていたのにも関わらず彼を選ばず彼女達と過ごす事を選び、彼と放課後を過ごす事は全く無くなっていた…

彼女たちは、私が遊びに行った事のないカラオケやゲームセンターやショッピング街やファーストフードやオシャレな有名カフェに連れて行ってくれた…彼とは行った事のない場所…正直、私は楽しくて仕方が無かった、お姉さんなJKの放課後のルーティーンのような時間をおくっている自分が少しだけみんなより早く大人になったみたいで、毎日がドキドキとキラキラで輝いていた…

この時の私はただ目の前にある目新しい物に浮かれ、その偽物の虚飾を輝いていると錯覚して、大切な物を見失っていた…

そんな偽りの楽しい日々が続いたある日…その日の放課後は、皆で、カラオケに行こうと学校にいる時から盛り上がっていて、「今日はいつもとは違う店だけど、安心して私の行きつけの店だからオシャレだしスウィーツも美味しいから一押し!」と読モの友人が言うのでその店へ向かった。お店の前に到着するとそこには、見知らぬ中学生男子達が居た。親しそうに彼女達三人はその男子に話しかけたりハグをしたりしていて、声を掛け誰なのかを聞いてみると、どうやら彼女達の彼氏らしく、中学の専売らしい…その中でも一番目立ちイケメンと皆が言う程の容姿の先輩は、私の目には、彼女達の彼氏グループの中でも、一つ飛び抜けて大人びた存在に映っていた…話を彼女達から聞く限り、先輩は将来有望なプロサッカー選手候補と言われる程の中学生サッカー界では有名人で、しかも、実家は市内にある大学病院の次に幾つかある中の一つの大病院の息子さんらしい、驚いたのが見た目やステータスに似合わず先輩だけ彼女がいないと言う話しだった…

私はこんな人に彼女がいないなんて信じられず周りの彼女達にその驚きを話していると、イケメン先輩自身が答えてくれた…

「そうだ、俺は伊達だてだよろしく。今までずっとサッカー馬鹿だったし、遊べる様になったのも、部活が終わって受験学年になってやっとだからね。高校受験は、運良くサッカーのおかげで面接試験のみで筆記試験は形だけの事実上免除だから、入学先は、もう確定しているのと同じだからさ、やっと今は、中学生らしく放課後ライフを楽しんでる真っ最中!何事も経験は大切でしょ?卒業してから、中学時代を振り返って、全く遊んでいなかったなんて思い出は悲しいよね?そんな感じなのに、いきなり彼女とかハードル高すぎてできない…できないよ! 笑 それにさ、コイツ等みたいに、俺はイケメンじゃあないからね 悲しいけどコレ現実なのよね 笑 」と笑いながら言っていた…

残りの三人の先輩は、伊達先輩の答えに「イケメン爆発しろ」、「どの口が、彼女を作るのがハードル高いとか言うんですかぁね?何人の女子が告って枕を濡らす夜を送ったことか!その怨念をワラ人形に打ち込まれ、一遍死んでみる!」、「馬鹿は推薦だけで受験免除にはなりませーん!イケメン×文武両道の天才×お金持ちの勝ち組は、我等庶民を養うべきだ!働いたら負けの世の中なんじゃぁ!勉強したら負けなんじゃあ」と三人は口々にイケメン先輩に追撃をし、中には意味不明な叫びも混じったりもしながら、盛り上がり彼女達は彼氏の言葉に笑い、最後は皆で伊達先輩へ、ブーイングしたりして、いつのまにか、全員が一体となって店の前で盛り上がっていた…

裏もなくみんなが本当にただただ楽しく優しい人達だったならこの後の私は選択を間違わなかったのだろうか…やはり彼女達と知り合った事で未来は変わらないのだろうか…いくら今の私が後悔しても届かない…この時の私はみんな良い人だと思っていたんだから…

皆は一頻り騒ぐと、その盛り上がりのまま店内へと消えて行った…

伊達先輩はカラオケの間、私に対して優しく話しかけてくれたり、一緒に歌を歌おうと恥ずかしがって一人で歌えない私を誘ってくれたり、私の飲み物がなくなると気づいて「違う物飲みたいときは言ってね、同じで良いなら注文してくるからアスカは座っていて」と何気なく動いて注文してくれたりしてくれる伊達先輩。私は、1年しか年齢は違わないはずなのに何故か伊達先輩が凄く大人の男性の様に感じ、さらりと「アスカ」と名前を、初めて彼以外の男性に呼び捨てにされたにも関わらず、不快感はなく、私は何故か自然に受け入れていた…

そして終わりは必ず来る…楽しかった時間は短く感じるもので、「では解散かな?」とお店の前で男女に分かれて帰ろうと皆が動き始めた時に、先輩の一人が「今日はメッチャ楽しかったしまた遊びたいからラインのID交換をしない?アスカちゃんなんて皆の知らないでしょ?ほらほら、俺達は互いに交換してるけどアスカちゃんは知らないんだからスマホを出した出した」と煽り、突然の私と全員のID交換会が始まってしまった…勿論、伊達先輩ともIDを交換したけどやっぱり大人っぽい先輩との交換は緊張した…

今思えば大人っぽいのではなく、ただ女の身体が目的で印象を悪くしないように気遣って信頼を得る為の軽薄な行動、全てが薄っぺらに見えるのに昔の私は本当に世間知らずだった。

幼い頃から彼に守られていたから、当たり前に幸せな道を選択できたんだとつくづく思う…何故過去に戻れないの?何故過去をやり直せないの?物語のようには都合良くできていない現実…過去の私に逢いたい…

次の日からはもう、今までずっと男女混合で遊んでいたかの様に自然に、先輩達と合流して放課後の時間を過ごすようになり、ついに彼と唯一丸々過ごしていた土日の休日も、先輩達と遊ぶようになっていた…

私が彼の誘いを断る度に、彼は壊れたレコードみたいに毎回同じ言葉を繰り返し『アスカが積極的に友達との関係を築いているんだ、それを大切にしないと。全く逢えない訳じゃないし、僕は大丈夫。気を遣わないで』と笑って許してくれていた…

そんな優しい彼の事をこの頃の私は、わ『アンタと居ても退屈だし、断るのは当然よ。家で話すか公園散歩の二択で時間潰すだけ、恋人同士か疑うレベル。一緒に居たいなら放課後デートを考えたり、会話を上手に広げ盛り上げたり話題を提供する程度は努力しろよ!登校中なんて私が話し掛けなきゃお通夜かよ。て言うか、最近は話し掛けられたとしても、話題が合わないから返答に困るしつまらない…本音を言えば、登校も伊達先輩達とワイワイ楽しく騒ぎながら行きたい。『全く逢えない訳じゃないし大丈夫』って言うけど、私が大丈夫じゃないんだよね…、気の効いた会話の一つもできないし、私の気持ちを察した気遣いや言葉も返せない子供の癖に』とこの頃の私は、とにかく大人に見える伊達先輩と彼を比べてばかりで、『地味で女性の扱いも下手な頼りない子供』と彼を見下している上に罪悪感一つも感じていない最低な女になり始めていた…

母には、彼との事をこの頃はよく聞かれていたが、鬱陶しくて適当に答えていた気がする…

母からすれば今までは、彼が私の家に勉強を教えに来たり、遊びに来てお母さんが仕事から帰って来るのを一緒に待っていてくれた事が日常風景だったから気になるんだろう。母は仕事から帰り彼を見つけると、必ず夕食を食べさせたくて、彼の家に連絡をして強引に許可を貰っていた。狭いアパートの部屋で、三人でテーブルを囲んでの食事。彼は食後いつも気づかない内に食器の後片付けをしていて、お母さんの隣に立ち二人並んで食器を洗っていた…よく「お客さんなんだから、座って彼女の相手してなさい。こんなおばさんじゃなくて」と彼に冷やかし半分、手伝ってくれている嬉しさ半分が混じったように楽しそうに話していて、彼は『二人で片付けた方が早いですよ。仕事で疲れているんだし早く片付いた方が楽でしょ?それと、おばさんだ何て良く言いますね?子供が居る様には全然見えませんからね。僕お世辞とか嫌いなんで本当ですよ。母と年齢変わらないけど、アスカを知らずに何処かでおばさんと知り合っていたら、年齢も分からないまま、優しくて話すと安心する年上お姉さんだと初恋しちゃったり…』と照れくさそうに笑って返したりと楽しそうに話していた二人…あの頃の母は、彼が帰ってから、私に「親孝行な息子が増えたみたいで嬉しいわ。このまま大人になってアスカと結婚したら、本当の息子になっちゃうね。もしも、アスカが彼と別れちゃったらお母さんがチャレンジしちゃおうかしら?」なんて言っていた事もあるけど、私はよく二人の後ろ姿を見て、年の差夫婦みたいだと嫉妬していた…「お母さんに嫉妬するとかって」と一人、布団に潜って思いだし笑いをしていたあの頃が懐かしい…でも、この時の私は母も彼も目に映っていなかった。二人は私に取って鬱陶しい対象でしかなかったから…

そして夏休みも直前…期末テストも終わり私は浮かれていた。それは皆も同じでいつものように放課後はどうするかで盛り上がっていると先輩達が「せっかく期末テストも終わったんだしさ、打ち上げでもしようぜ!ぱーっとさ」と提案をしだし、私達もそれに賛同してカラオケで打ち上げをする事になった…皆でワイワイと盛り上がりながらお店は何処にする?など話した結果、初めて私が伊達先輩と出会ったお店に行こうと言うことになりそのままお店へと向かった…室内では、夏休みが近いせいなのか、今日は皆カップル同士に別れて座り盛り上がっていた。私は勿論伊達先輩と同席になって話しが面白くて盛り上がっていると、先輩の三人が唐突に「今日は週末だよ?と言うことは?」「はぁーい先生!土日で休みでぇーす」「フフフッ甘い甘いぞ!来週で学校は夏休み突入でぇーす!夏の女神が俺達を待っていまーす!イテッ冗談ですからね」「ハイハイ、そこ夫婦喧嘩は後にしなさい!二人とも正解です!ならどうするの?どうするの?このままソフトドリンクで楽しい打ち上げそして週末を終えちゃって?」「駄目だと思いまぁーす!×二人」「と言うわけでお酒で乾杯は如何かな?」と言い出し、さらに彼女達の中から「はいはい、忘れてないかしら?ここは私の行き付けのお店だって事を!何度も雑誌のイベントや撮影会なんかの打ち上げで利用しているけど、他のモデルの子が飲酒したり喫煙していても内緒にしてくれてるの!だから頼んでも平気よ学校や警察にバレたりしないから安心して」とその言葉でお酒を頼む空気になっていると、隣に座る伊達先輩が私に「俺もお酒は初めてなんだけどさ、こう言うチョット悪い事してハメを外して騒ぐのもさ、大人になったら中学時代の良い思い出になったりするんじゃないかなアスカ?」と恥ずかしい事を言ってしまったかのように照れ笑しながら私に微笑み掛けていて、私はその微笑む伊達先輩と目が合った瞬間、頬に熱を感じて、そんな顔を見られてしまうのが恥ずかしくて無言で問いにコクリと頷いて同意を返した…結局お酒を頼む事になりその日私は人生初めての飲酒をした…

何故あの時の私は流されてしまったの?何であんな薄っぺらな嘘を信じたの?本当に馬鹿で馬鹿でどうしようもない私!全てに浮かれて自分自身すら見失っているのにも気づいていない。もうこの頃の私は足下の底なし沼に沈んでいる馬鹿な女なのに…最後の甘い誘惑に堕ち、悪魔の美酒を口にしてそのとろける甘さに魅了されアナタ自身も悪魔になってしまうのね…

彼女達に初めて飲むのならジュースみたいな口当たりで飲みやすいからとカルアミルクと言うカクテルを勧められ、伊達先輩と私はそのカクテルを飲んでみることにした…私は直ぐに顔が赤くなってしまい、最初に頼んだ一杯をゆっくりと飲みながら、盛り上がる皆を眺めている…先輩は私とは違い顔が赤くなる様子はなく「結構美味しいもんなんだな、俺はこれくらいなら大丈夫かも?他のも飲んで見ようかな?アスカは無理しなくて大丈夫!もし俺の飲んでいるのが気になって味見したいなと思ったら飲ましてあげるからな」と違う飲み物を注文して、その他のみんなは飲み慣れているのか大人の様にお酒を楽しんでいた…

酔っていたからか気づくとカラオケの終了の時間になっていて、私は伊達先輩に手を握られ引っ張られながら店の外へと連れて行かれていた…お店の前で酔いの抜けていない私達は、冷めない盛り上がりのまま喋り込んでしまいダラダラとしていると、先輩の一人が

「ほら、ここでダラダラしてると店の迷惑になるって、どうせ酔いが抜けなきゃ皆家に帰れないんだしさ、週末で明日は学校休みなんだし帰るの遅くても問題ないよな?」

「俺、酔い冷ましするついでにカラオケやゲームもし放題!しかものんびり休憩までできる場所知ってんだけど?そこに変えて二次会なんてどうよ?」

その言葉に伊達先輩は「お前そんな都合の良い場所本当にあるのかよ?」

と疑う伊達先輩の姿を見て、提案をした先輩は、伊達先輩に

「なら俺が、その場所に案内している間に、伊達は、スマホにその場所の口コミサイトのURL送っておくから、自分の目でどんな場所でどんな評判かを確認してくれ。その場所に到着して納得がいかなければ、大人しく今日は解散で構わないけど。どうする?それと、アスカちゃんへの現場での説明宜しく!移動の間情報収集する訳だし、当然だよね、当然。で、これがURL。それと伊達、ゴニョゴニョゴニョ」と言い最後に耳元で何かを伝えた後、背中をバンバンと叩き先輩は彼女の元に戻っていった…

伊達先輩は納得した様子で「ほらじゃあ出発すッぞ」の一言で移動を始めた…途中、コンビニで買い出しをしたりして、ワイワイと騒ぎながら歩いていると、気付かない内に目的地に着いたようでその場所を見て、私は驚いた…

そこは、繁華街や住宅街とは少し離れていて高速道路の出入り口やコンビニ、24Hの飲食店がある程度の場所。そんな場所に、広い敷地に建つ建物、それを囲む壁、そして大きな看板にはモーテル○○と書かれていて、直ぐに繁華街にあるラブホテル街の建物と同じ種類の場所なんだと気づき私は動揺が隠せなくなっていた…

必死に動揺を押さえ込みながら私は皆に「ねぇここってラブホテルだよね?中学生がマズいんじゃない?」と心配そうに質問すると

横から伊達先輩が、優しく私の手をギュッと握り「大丈夫だよ」と一言微笑んだ後安心させる様に説明をしてくれた…この時私はやっと、伊達先輩とカラオケの部屋を出る時からずっと無意識に手を繋いでいたんだと自覚してしまった途端に、とても恥ずかしくてさらに違った意味での動揺が一気に襲ってきてしまった…

あの時の私は、悪魔の囁く甘い言葉が動揺する私を気遣い安心させてくれる為に優しく説明してくれているんだと心をドキドキとさせ聞いていたが、冷静に考えれば男がラブホテルの前でどうにか女を連れ込む為に、必死に適当な理由を並べて口説いている浅ましい光景だとわかるはずなのに…甘い甘い悪魔の美酒は媚薬の様に私の全てを蝕みこんな悪魔に発條して何処までも堕ちて行く…アナタは何がしたいの?アナタが彼の為に大切に守ってきたものはその悪魔より価値がない物だったの?と心の底で汚れていないもう一人の私の残渣が叫んでいたとしても、この時の私には、その微かな声を拾う事は出来ないのでしょうね…

伊達先輩はスマホを私に見せながら「アスカも見てご覧、俺も一応は流し読みはしたんだけど、このモーテルって口コミ見てわかるように、サラリーマンが短期出張で利用したり、後ココ見て?OLさんも一人で泊まってるみたいだね。その他にも、一人旅の女性の書き込みもあるし、これなんか家族で宿泊費用節約の為に利用したみたいだよ。施設とかの口コミも書かれているけど、建物は全て繋がっているみたいだけど一階は駐車スペースで車を駐車してカーテンを閉めればプライバシーは守られるみたい。駐車スペース内の一つの扉を開けると二階へ続く階段があるみたいだね。階段を上がったら部屋になってるんだ。見てみてこの書き込み、チェックアウト時間を少し過ぎて駐車スペースでダラダラしていたら、車の後ろにある扉が開いて従業員と遭遇だって 笑 せっかく他の利用者やホテル従業員に会わなくて良い構造なのにウケるよね?」と私を安心させる為に伊達先輩は冗談を交えながら説明を続けてくれた…

伊達先輩は楽しそうに「凄い凄い!カラオケ歌い放題に、家庭用ゲームハード機も何台か完備してあるのかよ!Blu-rayも見れるの?あぁそりゃあそうだよな、さすがにDISCはレンタルか。ん?でも持ち込みはできるんだな。それなら好きな映画もゆっくりと見れそうだ。凄い!えっ?部屋に直接デリしてくれるの?腹が減っても安心とか神かよ!ねぇねぇ、アスカ、ココ見て、ビジネスホテルとかより普通の部屋も広々してるけど、大勢でパーティーに利用する部屋はもっと広いみたいだよ!お風呂もベッドもゆったりって高評価だし!マジでアイツが言った通り休憩に最適な場所じゃないアスカ?」

「ほらほら、料金表見てご覧、えっと今の時間だと休憩もあるけど、えっマジ?休憩より少し安くてフリータイムって早朝8時~夜20時まで居られてこの値段なのかよ!見てみなよ4000円なんだってよ!えっとこの人数なら…んっ?パーティーに使える部屋は千円プラスなのか…ってことは5000円としても一人あたり千円もかからないね。もしそのまま宿泊したいと思えば追加でこの宿泊料金払ったら泊まれるシステムなんだ、よくできてるよな」

「宿泊だけでも、普通の部屋なら8000円か。確かに何泊かして狭くて値段が少し高いビジネスホテルに泊まるならこっちの方が疲れはとれるだろうし、次の日の11時にチェックアウトすれば良いみたいだし昼ちかくまでのんびりできるのはいいよなアスカ?」と興奮ぎみに私に話を向けた伊達先輩はマズい事を女の子に言ってしまったと気づいたように急激に耳まで顔を真っ赤に染めて「ごめんごめんアスカ、違くてそのアスカと泊まりたいけどいやいや違うだろ俺!その値段が安いから凄いなって話で…と段々言葉の最後は口ごもりながら恥ずかしくて下を俯いてしまっていた…

私はそんな伊達先輩が可愛らしく見えて思わず吹き出してしまい「フッフフフフフッ、伊達先輩も慌てる事あるんですね?耳まで真っ赤ですよ?そっかそっか私とお泊まりしたいんですねぇ…先輩の…H♥と意地悪にからかうと、さらに動揺したのか「もうアスカ!ほらほらこれで分かったロ?色んな人がココを利用してるの!」とムキになりながら話を逸らす姿も可愛らしく見えた…。それに、二人でスマホの画面を見ながら、あーだこーだとやり取りをしているのが恋人同士みたいで、私は内心、心臓の鼓動が早くなっているのを伊達先輩に気付かれないかとドキドキしていた…

二人のそんなやり取りに他の皆も参加してきて「イチャイチャは、ラブホでどうぞ。ほら、分かったでしょ?アスカは気にしすぎなんだって!このタイプのモーテルって海外の映画にも良く出てたりしてるけどH目的以外の人も泊まってるシーンとか見たことないの?私たちなんて彼と繁華街のラブホとか普通に行くよ!勿論Hする為にね。それに比べたら何の問題もないっしょ?、こんなの普通だって」と追撃されて結局私は伊達先輩とのやり取りを皆に揶揄われながらも、伊達先輩とまだ一緒に居たい気持ちに負けてモーテルに行く選択をした…

多分この時の私は心の何処かで何かを期待していたのかも知れない、その気持ちに気付かないフリをして言い訳ができるように常識や貞操観念を麻痺させ、酔いを覚ます間の楽しい二次会をするだけなんだと自分に暗示をかけるように馬鹿騒ぎに狂じた先に、自分の初めてと言う全てを失う結果になるのだから…救いようがない…誰の為にその大切な初めてを守っていたのか?一度失って、もしそれでも彼に許されて交わったとしても、彼以外の体液や快楽が染みついているのは変えられない事実で、私の初めては彼ではない事実も後悔しようが渇望しても、二度とその結果は手に入らない…許してくれた彼に「私の大切な全てをこれからは貴方に生涯捧げます」と誓ったとしても、彼は「今更、散々遣われて初めてなんて一つも無い癖に、本当に薄っぺらな事を言う女だ」と生涯心から信用をしてくれる時などこないだろう…本当に今も過去も馬鹿な私…


部屋に入り、最初の内はカラオケの続きをしたりコンビニで買い込んだ物を食べながらゲームをしたり部屋に設置してあったメダルゲームのスロットマシーンで一喜一憂して騒いだりしている内に私はお酒に弱かったらしくウトウトとし始めてしまった…そんな私に気づいた伊達先輩は、大きなベッドが幾つか並ぶベットルームへとパーティールームから自分の肩を私に貸しながら移動させて、ベッドに寝かせてくれた…そしてベッドから降りようとする伊達先輩の手を掴み私は身体を起こし抱きついてしまった…私は自分の行動に戸惑いすぐに伊達先輩から離れて謝ろうとしたが、後ろに回された腕は私を強くギュッと抱きしめそのまま伊達先輩の唇が私の唇を塞ぎ、初めてのキスで伊達先輩の舌が私の口内を愛撫し私の脳は完全に蕩けてしまった…そこからは虚ろな意識の中先輩に私の全てを見られ愛撫され何度も頭の中が真っ白に染まり、伊達先輩が一気に私の中に入ってきて一つになった瞬間、その心地よさは吹き飛んで、目が覚める程の衝撃と痛みを下腹部に感じた時私はこの人に大切にしてきた全ての初めてを捧げたんだと幸福感に包まれていた…痛みは少し続いたけど一度目が終わる頃には最初以上に頭の中が真っ白でグチャグチャになって、落下し続ける様な快楽に沈んでいたいと思う程快楽に溺れ始めていた。、気づいた時には、周りから友人達の気持ちよさそうに感じる声が聞こえ、ぐったりとした身体のまま目だけを動かし周囲を見ると、全員が全裸で厭らしく腰をくねらせ、打ち付けられながら烈しくHを始めていた…いつもの私なら恥ずかしくて仕方がないはずなのに友人の感じる顔や声が私をさらに興奮させ伊達先輩を自ら求めて押し倒し愛撫を始め自ら招き入れる程に白目をむきアヘ顔を晒す程、自分の中の知らない淫乱な雌に豹変してしまった…

一度全員が休憩をし出したタイミングで、彼氏持ち三人の友人が明日休みなんだからこのまま泊まっちゃおうと言いだし、互いに彼女達とアリバイを作るために家に電話をする事になりフリータイムが終わるまで何度もsexを楽しみ、宿泊料金を追加で払い一端食事を摂ると、今度は互いの相手を交換しながらみんなで楽しもうと言う話になり朝まで私達全員は享楽に耽っていった…

こうして自分のしたことを振り返ると吐き気が込み上げてくる…大切に思う相手を処女喪失の後に他の男に抱かせ、自分は違う女を抱く…あり得ない!あり得ないけど気づきすらしなかった…いいえ考えすらせずに快楽に溺れていた…母に言われた通り私の本性はただの淫乱女だったのかも知れない…

この選択ルートを選ばず彼と一つになり初めてを全て捧げていたら、彼のお嫁さんと言う子供の頃からの夢が叶い、私だけでなく周囲の人も幸せになっていた未来があったのに…でももう夢すら私は見ることを許されない、周囲の人の人生まで狂わし不幸に巻き込んでしまったから…そう言えば次の日に家で母と顔を合わせた時の私も最低だったな…急激な罪悪感を感じて保身だけが頭を染めていて…

狂乱に朝まで耽っていた私達は明るくなってから仮眠を取りチェックアウト一杯までのんびりと過ごしていた…お風呂も広くて全員で入って恥ずかしかったけどなんだか修学旅行みたいで楽しくて皆と別れて帰るのが少しだけ憂鬱な気がした…

私達は、モーテルを出て、男女に別れて帰る事になり、明日の約束をしてそれぞれの家路についた…


【偽りの男達の猥談】

伊:「お前達のアシストで、夏休み前に新しい性奴隷ゲットだぜ!初物は、やっぱりキツくて締まりが良くてたまらないよなぁ?だから、初物喰いはヤメられないんだけどよ。それとよ?陰キャの彼氏はいつ気づくのかねぇ?気づいた頃には、俺に仕込まれて、彼氏の知ってる処女の彼女じゃないと知った時、どんな面するのか考えたらゾクゾクするぜ!そうだどんな風に躾けられたのか、ケツの穴の処女も奪って、お前の為の初めての穴は一つもないって教えてやるのも楽しそうだぜ。全く、アイツ等帰しちまったのによ、また犯りたくなってきちまったぜ!バレた時が楽しみで仕方ないぜ、彼氏が絶望した時、アスカは男に何て言うんだろうな?NTRの醍醐味としてその日は、元彼を徹底的に蔑ませ罵倒させてよ、それを大声で叫ばせながら、たっぷり楽しみ尽くさないとな…それにしても、アスカはいい身体してやがるよな?上に乗せれば、あの巨乳が上下に超タプンタプン揺れてるしよ、後ろから突けばあの形のいいムチッとした尻が打ち付ける度に、イイ音させながら形変えるんだぜ!朝もう1発使えばよかったぜ…」

A:「うわぁ、酷い趣味だよなぁ。鬼畜過ぎだろ!でも、アスカちゃんの身体については確かに最高だったな。興奮し過ぎて、アイツ等とヤル時よりも我慢できなくて速攻終わっちゃったしよ、勿体なかったぜマジで…。それはそれとして、簡便してくれよ、確かに優等生のサッカー馬鹿な好青年で童貞キャラになり切ってるのは、改めてスゲェって関心するけどさ、設定とは言え、ラブホの説明をアスカちゃんにしている時、この店の回し者かと思うレベルで爆笑こらえるの大変だったんだからよ!なぁ?サッカー選手目指すの辞めて、シャハネットの通販番組の通販員になっても生きていけんじゃね?全然負けてなかったぜ 笑 俺の誘導に感謝してくれよな」

B:「おいおい、俺のアシストもなかなか的確だったろ?本当にコイツの言うとおり完全にキャラになり切っちまってるんだもんな、俳優でも食っていけるだろマジな話。お前のおかげで俺達もいい思いさせて貰ってるわけだしな。それに一応、あんな見た目の良い女達の表向きは彼氏なんてのも有り難いぜ本当によ。お前には感謝だぜ!あぁ、俺もあの身体には我慢はむりだったわ。」

C:「俺の賑やかしも忘れんなよ、馬鹿な振りも大変なんだからよ?そうそう、アイツらもお前のお下がりだけどよ、アイツら自身は、まだお前のハーレム要員のつもりみたいだぜ?馬鹿だよな他にもまだまだハーレム要員は居るのによ。確かに見た目はトップクラスだけどよ、お零れでもキツマン味わっちまうと、アイツら三人かなりガバガバで、緩くなったのが分かっちまうんだよな?俺達もまだまだアシストこれからも頑張るからよ、たまには俺達にも「貫通式」させてくれよやっぱ一番最初は締め付けが痛いくらい気持ち良いんだろ?いいよな本当に…でもよ、アスカちゃんの身体は俺としてはアイツらよりエロいと思うぜ。」

伊:「アハハハッ!なら、その内に三人にも適当に見繕って、「貫通式」させてやるよ!お前等三人は、毎回よくやってくれてるしな。その時は、俺がアシストしてやるから、お前等はちゃんと好青年な童貞演じろよ?俺を見習ってな。アハハハッ」

「ちぃーすご馳になります×3人」

伊:「その変わり、今回お前達アスカとヤレたからって、安心して欲なんて出すんじゃねえぞ!明日もとか考えてガッツくなよ!全員で楽しむのは、夏休みに入ってから徐々に徐々に快楽堕ちさせてからだぞ?わかったな!」

伊:「ほらお前等も、また犯リたくなって来たんじゃねぇか?二軍の性奴隷呼んで滅茶苦茶にしてやるぞ?ほらグズグズすんなよ」

四人は新たな女を弄ぶ為にその場から立ち去っていった…その四人の姿を見つめる陰が居た事にも気付かずに…


もう私は、悪魔達の蜘蛛の巣に絡め取られ逃げられなくなっている事も知らずに、違う場所で楽しそうに話ながら帰り道を歩く私の姿があった…その話ている相手も悪魔だとも知らずに…

アパートの前に着くとタイミングが悪いことに母が部屋の扉を開け外に出てくるところだった。昨夜の電話を信じている母は、私の変わった様子にも気付かずに、いつものように笑顔で

「お帰りなさい。アスカもやっぱり14歳の普通の女の子なんだよね。彼とばかり昔から遊んでいたから、同級生の女子と遊んでいた記憶が少ないのよ。女の子の家にお泊まりとかして、パジャマパーティーとかしたのかなと思うと何か嬉しいような寂しいような。うん、そうよねアスカが成長してるんだから嬉しいに決まってる!昨夜は楽しかった?」

と余計な事を言うので私はさっきまでの楽しい気分を台無しにされたような気がして、つい気まずいと思っていた感情も消え失せ、心のなかで「ウザっあの男の話しすんなよババァ」と悪態をつき、表面は何とか繕って適当な返事をして足早に部屋へ入った…部屋に戻り着替えをしているとあの男の話をされたせいで朝までの快楽を思い出してしまい股間の疼きが、また治まらなくなっていた…

最後に彼と顔を合わせたのは終業式の朝だった…初体験の日から一週間、今まで以上にこの登校の時間が苦痛だった…夏休みまでの我慢!義務として約束しちゃったからと自分に言い聞かせて、あの男のつまらない話しに相槌だけ打ち、できるだけ辛気臭い顔を視界に入れないようにしながら早足で学校へ向かう一週間だったがキツイものはやっぱりキツかった。

夏休みに入り毎日のように皆で遊ぶ日々…やっと地獄の登校時間から解放されたのに、遊んでいる最中や皆でsexを楽しんでいる最中にも、あの男からlineが送られてくる事がよくあり、私は勿論返信すら面倒でスルーは当たり前、しつこいと思ったらスタンプで一度返して終了なんて事が当たり前のようになっていた。

ある日なんかは、毎日送られてくるlineに皆もウザいと感じていたみたいで「はい、俺達のsexタイムを邪魔して盛り下げた童貞ちゃんはギルティだよな?童貞ちゃんの彼には刺激的な罰ゲームです!アスカちゃんは喘ぎ声を我慢出来るのかゲーム!」なんて1人の先輩が言い出して、それに皆が盛り上がり、伊達先輩と私がsexしながら彼に電話をして気持ち良さに絶えながら話してからかってやろうと言うことになり、電話をかけてそのゲスな行為に異常に発情して、いつも以上に盛り上がってしまい声を我慢しながら話すのが大変だった。それに伊達先輩も私と同じでいつも以上に激しくなっていて、電話を切った後私は激しく突かれながら初めてその時失禁をしてしまった…

夏休みは、毎日のようにいつものメンバーで集まり過ごし、あれだけ嘘がバレないかと緊張していた外泊も徐々に増え、今では息を吐くように平気で母に嘘をつけるようにもなっていた。飲酒も罪悪感なく皆のように楽しめるようにもなり、夏休みの折り返し少し前にはもう全員でのsexも当たり前の日常のように行われて、あの日のモーテルを利用する事も増え、ある意味私達の溜まり場みたいな感じになっていた…

この頃は、感覚が麻痺していたのか?それとも一緒に居るメンバーが誰一人として乱交に拒絶を示す者がいなく、そんなものかと受け入れてしまっていただけなのかは今となってはあやふやで分からない…でも、彼に対して平気で残酷な事ができてしまうくらいにはもう戻れない所まで堕ちてしまっていたのだろう…

そんな堕落した日々を繰り返していれば、天罰が下るのは必然で、審判の砂時計は刻々と砂を落とし続け裁きの時へ向かっている事にも気付かず堕落と狂乱の日々を過ごす愚者でしかなかったと今の私は思う…そして唐突に砂時計はカウントダウンを刻む…。


堕落の日々を貪り続けるある日、当然のようにいつものメンバーでモーテルに入ろうとしたその時、いきなり聞き覚えのある声で後ろから、声を震わせながら「アスカ…」と名前を呼ばれ、振り返ると彼が顔面を蒼白にして立っていた…彼は私に駆け寄り手首を掴み、強引に自分の元へ引き寄せようとしたのか腕に力を込めたその瞬間、私は突然の事態にパニックになった上、手首をいきなり掴み強引に引き寄せようとする彼の奇行に反射的に「痛いッ!!何?」と大げさに叫んでしまった…

一瞬その場は何が突然起こったのか分からずに凍り付いたようになったが、私の声で一気に事態は動き始めた…私の悲鳴で彼は驚き、手首を掴んでいた手を離し、動揺を露わにしながら私を困惑の表情を浮かべ見つめて立っている。その棒立ちの彼を伊達先輩は殴り倒し、「お前何なのいきなり?アスカが痛がってただろ!ん?何処かで見たことあると思えばアスカの彼氏じゃないか!お前、最低のDV男だな!見てみろよアスカがこんなに怯えてるしゃないか!それに毎日毎日何通もlineを送りつけてきて、アスカにはアスカの予定があるのも分からないのかよ?返信がないって事はそう言うことだって少しは空気読めないのかね?お前の気持ちや都合ばかり押しつけて、アスカや一緒に居る俺達が迷惑だって分かんねぇのかな?このDVストーカー男!こんなのが彼氏じゃ俺達と居たくなるのは当然だな!なぁ?アスカの友達はどう思うよ?彼女に暴力振って彼女の都合も考えないでしつこくlineしたりこうして現れたりとかする彼氏と付き合っていたいと思う子いるか?」

「マジ無理だから!!」「えぇー無理無理無理!あり得ないよぉー」「そんな者とは付き合うなど私には考えられないな」

「と言うのが女子の意見みたいだぜ!何被害者みたいな顔してるのお前?最低だな…皆もそう思うだろ?」と口元を歪ませながら伊達先輩は言い放った…

その言葉に全員が呼応し彼への罵倒、蔑みは加速し、場は騒然となった…そんな中、女友達の一人が「はい、DVストーカー男アスカへの衝撃映像も、私が最初からバッチリと押さえたし!!証拠動画ゲットって感じ?ほら見てみ?」と周りにスマホを見せびらかし、更に場は荒れていった…

罵声や蔑みの喧騒の中彼は、私の目の前で尻モチを着いた姿で「嘘だろ…何で…俺はアスカを助けに…こんな…こんな…アスカが俺にこんな事する訳が…」と悲しそうに縋る目をして私に助けを求めるかの様に繰り返し呟いていた…でも私は無慈悲にも「私、伊達先輩が好きなの…付き合うつもりなの!アナタとは違って幼馴染みの女の子じゃなくてちゃんと一人の女性として見て求めてくれるの。この意味アナタに分かる?悪いけど、全ての初めては先輩にあげちゃったから。アナタがグズグズしていたのが悪いんだから、もうアナタに捧げる初めては一つもないんだから!好きな彼女に、手を出す勇気も無い童貞インポ野郎は、一人で一生シコシコ自家発電しているのがお似合いよ!私をオカズにする様なキモイことは辞めてね?私は先輩だけの物なんだし。だから、別れてくれない?アナタと居ても、辛気臭くて話はつまらないし息が詰まるの…」と彼に最後通達を突き付けた

…彼は、生気を無くした幽霊の様に力なく立ち上がると、フラフラとしながら歩き出し、伊達先輩の横を通り過ぎようとした時、彼は胸ぐらを掴まれ耳元で何かを囁かれると、さらに足取りをおぼつかせながら、私達の前から去って行った…

全て失った後に彼のスマホに録音された物を聴かされて知った事実、この時あの悪魔は彼に「あんな良い身体した女に手を出さないお前が悪いんだぜ。締まりは最高だしエロく淫語叫んでデカい声で喘ぐしよ、俺が命令すれば何でもするんだぜ。あの柔らかい巨乳で挟ませたり、ケツ穴も、もう一つの穴に負けずにキツイは感度は高くてよ、低い声で動物みたいに吠えながら狂っちまうんだぜ。…俺の精子も中出しは勿論だけどよ、嬉しそうに飲むは、顔面にぶっかけて欲しいって自分から顔差し出してくるし最高の女だぜ!俺の為に我慢してくれてありがとよインポ野郎。お前はあの女の初めてを何一つ死んでも貰えないんだよ…残念だったな」と囁いたらしい…あの悪魔のした事は恨んでも恨み足りないけど、内容は本当の事だから、同時にこの汚れきった身体も恨めしくて頭がおかしくなりそうになる…自業自得と分かっていても…

なのにあの日の私は、平気な顔をして私達はそんな彼を蔑みながらモーテルに入り、また享楽に耽っていった…

今振り返ってもあの時の自分に吐き気が泊まらなくなる…彼に最後通告を告げ、彼の表情を見た瞬間に、私の股間は熱くなり下着がいつもよりも一気にグッショリと濡れたのがわかった、そして、絶望する彼の事など一切気にせず早く抱かれたい、愛して欲しい、もう我慢ができない、そんな事だけが頭の中を埋めていた…その日のsexは彼を蔑み罵倒する言葉を吐けば吐くほど興奮が高まっていき、それは私だけでなくあの悪魔も同じで私のそんな言葉や姿に興奮し私を煽り彼を蔑みながら何度も何度も求めてきた…罵倒を受け蔑まれる存在は私達なのに…

夏休みが終わり始業式の日の朝、二学期始まりの朝は最高だった…念願叶って皆と待ち合わせをしての登校…学校までの道のりが短く感じた…昇降口を潜り自分の下駄箱の前に立ち靴を履き替えていると、横目にあの男が見えた…元彼は、あの日に見た姿よりもやつれて陰気な空気を纏っていたが、表情だけは何かを吹っ切ったような顔になっていた。あの男が何を吹っ切ろうと今のわたしには関係のない事だとすぐにその光景を頭から消し去り友人達とクラスへと向かって歩き出した…

あっと言う間に夏休み明け初日も終わり、私達はいつも通りくだらない話をしながら、この後どうするかを相談していると、読モの彼女が「そう言えばさぁ、アスカちゃんは伊達先輩に愛されてるねぇ?私さ、頼まれちゃったんだけどね、元彼が襲来して来た日覚えてる?あの日にさ「さっきの動画を学校のグループlineや裏掲示板、SNSに投稿できないか?お前なら、信頼や影響力もインフルエンサーとして大きいだろ。アスカがこの先、元彼に付きまとわれて不快な想いや危ない目に合わない様にしたいんだ。頼む」と言われたんだよね。マジウラヤマ」

その話を初めて知った私は、内緒で守ってくれようとする伊達先輩を更に好きになり溺れていった…

この時浮かれているお花畑の馬鹿な私とは真逆に、彼は登校途中から何故か好機の視線を周囲の同じ学校の生徒から向けられ、鈍感な人間でも分かるようなあからさまなヒソヒソ話をされながらも学校に向かい、クラスに入り自分の机を見た時、全てを悟った。そして、決めたはずの覚悟ごと心が崩れていく音だけが彼の中で鳴り響いていた…かれは、今日一日で彼女にDvをする屑なストーカー男と学校中から思われる存在になっていたのだ…

次の日から彼は不登校になった…

そんな大事なことも知ろうともしない当時の私は、学園生活をいつものメンバーと楽しんでいた…去年とは違う体躯祭に文化祭、恋人らしい時間が流れ、全てが輝いていた。去年は、二人で居てもあの男は私の手を握ろうともしない、勿論キスを迫って来る事もなかった。でも今年は学校内で、伊達先輩に求められ初めてsexをした。写真も私から誘わなければ撮る事はなかったし、それに比べて今年は沢山写真を撮って貰い、恥ずかしいけどHの時も記念撮影されたりもした。あの男との恋人らしい事がなかった時間…確かに皆が言ってた意味が今なら分かる、ただの幼馴染みの延長でしかなかったんだと、改めて私は思った…

この当時の私は、本当に愚かで幼稚な子供でしかなかった…彼を貶めあの悪魔の金メッキの輝きを大人の男だと憧れ、派手さばかりに目を奪われて、本質と言う物が見えていなかった…肉体が繋がる事、快楽を与えてくれる事に溺れ、本当に大切で愛おしい者程なかなか手を出せない、その相手が家族の様に子供の頃から隣に居る存在なら尚更と言う彼の大きく広い愛情にも気付かない癖に自分は大人になったと思い上がって…私は本当に彼を見ていたの?フラッシュバックの中に現れるのはあの日の彼…。分からない…以前の彼が薄れていく…

秋の二大イベントも終わり11月、残すは、期末テスト…それが終われば冬休み…伊達先輩の卒業は寂しいけど、まだ恋人のイベントは幾つかあるし、逢えなくなるわけじゃないし…

そんな事を考えて過ごしているある日、緊急全校集会が開かれそこで、校長先生の口から「昨日、不登校の二年生の月城くんが交通事故に巻き込まれました。幸い怪我は片腕の骨折で済みましたが頭を打った可能性もあるので入院をしているそうです。今日、警察の方が学校に来て彼の学校での生活を聞いていかれました。目撃者の話から状況としては、月城くんはフラフラと夢遊病患者のように歩道から自ら車が走る道路に飛び込んだと言う話で、警察は自殺の可能性と事故の両面から捜査をしているとの事でした。みなさんも、悩んでいる事があるなら教師を頼って下さいね。後、受験なども控えているので登下校は事故にくれぐれも注意して下さい。以上です」…ほとんどの生徒は校長先生の話を真面目に聞いておらず、あの男を心配しているのは中学1年の頃の元クラスメイトくらいだった。

元クラスメイトはどうやら例の投稿の一件でもあの男を信じて他の生徒と問題を起こしたりもしていたらしい…私とすれば「私達の問題に関係ない奴等がウザっ」が本音だし、勝手に問題起こすとか「知らんけど」って感じでしかなかった…

そんな事があってから少し日々が過ぎたある日の朝…いつもの様に学校へ行く前の朝食を、母とTVを見ながら食べていると、朝のニュース番組の特別コーナーで「増える不登校や若者の自殺」と言う特集が流れていた…

TVの中では、司会の局のアナウンサーが真剣に問題に対して語っていて、その流れで、今日のゲストに話を聞こうと紹介を始めカメラはその人物を映した…そしてそのゲストが画面に映った瞬間、私は食事の手が止まり箸を持つ手は震えだし何故か嫌な汗が一気に背中を湿らした…

母は「あら、彼のお母さんじゃない。アスカと彼が別れたのは残念だけど、まだ二人は子供だし、恋愛経験も人生経験もすくないから、すれ違いや自分の想いばかり主張して関係に溝ができる事もあるのは仕方ないけどね。互いに自分の気持ちばかり分かって欲しいと我が儘になりがちだし。まぁ、未熟な二人が未熟なりにきちんと最後は互いに話し合って納得した結果なら仕方がないものね。偉そうに話しているけど大人だって、相手を思いやる気持ちが空回りして歯車が狂って別れたりするし、私みたいに相手が浮気する屑だったりもあるんだけどね。本当に男女って難しいのよ?カップルの数だけ答えがみんな違うんだから、自分たちに合った答えを見つけながら二人で努力していかないと、結婚なんてしたら続かないのよ、覚えておいて損はないからね。それと、アスカも思春期で色々な事に興味が出てくる頃だと思うの、女の子の方が男の子よりも大人びた考えって言うのかな?そうね、高学年くらいから同級生男子が子供に見えたりするのよね、本気で自分は、男子よりは大人なんだって思い込んでいたりするでしょ?大人になると分かるんだけど、大人に憧れ背伸びして意る自体が子供なの、大人は自分が大人かどうかなんて考えも意識もしないもの。一応、別れてしまったけど、まだ彼が好きならもう一度話し合ってみてもいいんじゃない?彼は、物静かで自分の気持ちを前に押し出すのが不器用な子だしね。ウチと同じで彼の家も離婚しているでしょ?彼の家は円満離婚だし、父親との関係も良かったみたいだけど、彼は子供の頃に側に居れない父親の代わりに、素直に甘えられずに頑張りすぎる母親を自分が支えるんだって心に決めていたんだと思うわ…彼は、14歳なのに本当に大人よ。大人の女の私から見ても、素敵な男性だと思うわ。ごめん、ごめん、お節介よね…娘の恋路に口出ししちゃうなんて、やっぱり私もおばさんになっちゃったみたい…」と私の内心も知らずに何かを言っている…

母には、あの男と一学期の途中頃に、二人で逢う時間が少なくなった事で言い争いや喧嘩が増えて、結局話し合った結果別れたと嘘を付いた。夏休みにその話をした時は、母ががっかりすると思って言い出しづらかったと、母を理由に使って誤魔化した…そんな事を知らずにいつも通りに話しかけてくる母…それもあの男の事を…しかもその男の母親がTVに映っているのを見ながら…私は、動揺を気づかれないように母の言葉に合わせながら相槌を返すので精一杯だった…

、気付かない間に審判の砂時計は落ちきり0となり…この日私の日常は崩壊した…


2.緊急公開独白と怒り


「未来を支える若者達のこの辛く悲しい状況を、10代~20代の若者を中心に人気ブランド企業の社長であり、また個人活動としてボランティア活動は勿論のこと、若者の現代の駆け込み寺としてSOS電話相談所解説に携わったNPO団体立ち上げに協力し、その後自らボランティアで電話口で相談員に参加したりと幅広い活動をしつつ、ネットでもインスタや配信を使い様々な情報を発信していて今やカリスマ的人気を誇る月城さんは、この問題についてどうお考えでしょうか?」

「そうですね…悲しい現実だと胸が痛い思いです。私自身も電話相談員として必死にSOSを拾おうと、苦しんでいる声に耳をかたむけて努力はしていますがなかなか思春期の子供達は、相談する事や苦しんでいる事を話す事事態が「恥ずかしい事」「情けない事」「親に迷惑を掛けてしまう」などと考えてしまう事が多く、なかなか難しいのが現状でして…勿論先程あげた理由が全てではありませんし一握り程度の理由ですが、やはり子供とは言え誇りやプライドを持っていますから。特に男の子などは虐められ悔しい思いを誰かに話すのは勇気が凄くいる事なんだと思います。女の子の場合も「怖い」「どうしていいか分からないけど親には知られたくない」と言う思いが最初に来てしまうと私的には感じています…私の元旦那も、弁護士の立場から「虐め」と言う犯罪に対して被害者が安心して学校へ戻れる様に、加害者や学校の隠蔽体質などと日々戦っています。本当に、子供が笑って学べる場所になって欲しい…理想かも知れませんが、理想を目指して努力しなければ変化は訪れないと私は考えています」

「旦那様のお話ガ出ましたが、そう言えば、月城さんには丁度今、話しに上がっている若者達と同年代のお子様がいらっしゃったと思うのですが、月城さんのお子様はどんな感じですか?」

「はいそうですね同年代の子供はいます…ただ、その質問には答えますが最初に視聴者の皆様に不快な思いをさせてしまうかも知れない事を謝罪しておきます…今から話す内容を聞いて、何故そんな人間がそんな場所に座って偉そうにコメントなんて言ってるんだ!とお叱りを受けても私は仕方ないと思っている話しなので…」

「いやいや、月城さん大丈夫ですか?何があったんです?」

「私が離婚をしているのは先程の話しから、ご理解頂けていると思いますが、離婚をきっかけに、二人きりの家族となった今、当時低学年の息子を生活の中心に考えて、息子の為には何ができるのかを私は、現状踏まえてもう一度考えました。私が最初に着手したのが、会社の働き方改革です。」

「社員にも話したのですが、私はシングルマザーとして子育てをしていくのに今まで以上に子供との時間を大切にしたいと考えていました。でもそれはシングルマザーに限らず既婚者や独身者の社員にも言える事なのではないかと思ったんです。そして社員にも、既婚者であれば家族との時間を大切にして家庭を幸せにする為、独身者であれば自分の時間を大切にして自由に使い心のゆとりを持って欲しい、仕事とは本来それぞれが大切にしている物の為に少しだけ人生を豊かにする為のツールで、決して仕事の為に生活があるなんて間違った状況や考えにはなって欲しくないとその気持ちを社員に話して、社内の意見をまとめて貰い了承を得改革をさせて貰いました。」

「息子さんの為と言うお気持ちは分かるのですが、世間には両立して頑張っているシングルマザーの方もいますし、何より、月城さんの思い一つで働き方改革をして、社員さんのお給料も減額したりしたのでは?」

「ご心配は当然だと思います。まず、最初のご指摘ですが私もそれについては理解していますし凄いとも思っています。でも、私個人の理由になりますが、多分最初は私も皆様と同じ気持ちで「息子の為にもっと頑張るぞ」「息子には寂しい思いをさせないぞ」と両立させようと必死になっていると思います。でも、1年・2年と月日が流れ、仕事にも慣れ子供の強がった優しい言葉に甘え、学校行事や子供との約束を仕事を理由に破り、自分や子供に対して最初の思いであった「子供の為に頑張っている」を言い訳にしてしまうんじゃないかと思うと、自分の手で大切な子供を傷つける結果になるんじゃないか?自分だけが大変なんだと子供の事を本当に考えてあげる余裕がない事を言い訳を持ち出して、自分を正当化しているだけじゃないか?と悩みに悩んで出した私なりの方法だとご理解頂けたら助かります」

「次のご質問ですが、我が社は元々、残業や休日出勤など過剰にさせないように指導を行っていました。勿論、サービス残業や休日出勤などは絶対許さない姿勢で会社運営に努めて来ましたし、私自らも社員に向けて公言していましたから。確かに、働き方改革により残業や休日出勤などが減り、社員からしたらその分の給料の上乗せ分が減ってしまうのでは?と不安を持った社員も多く居たことと思います、その点をカバーする為に給料の引き上げ、月二度までの残業・繁忙期や棚卸し時期のみの休日出勤可などの条件変更を提示して理解を得たと言う感じです。退社時間も17時になった事で心にゆとりを持って仕事の出来る環境に変わったと私は思っています。私自身も、早めに息子を迎えに行き、二人で買い物や食事を作ったり、一緒に食事をしたりする時間が過ごせましたし、それに何より息子との会話時間が沢山持てましたから」

「そうなんですね。確かに働き方改革を月城さんの考えで始め、結果は業績を見ても上向きですし、きちんと社員へのサポートや理解を得る為の話し合いなどを、運営トップが自らおこなうなど凄い行動力ですね。社会全体で企業がこのような取り組みをするようになったら、シングルマザーの方も少しは楽になるでしょうし、何よりも大切なお子様達との時間も増えて少しは生活がしやすい社会になるんですがね。質問にお答え下さりありがとうございます。話を途中で止めてしまいすみませんでした」

「それからは、息子に今まで以上に寄り添い会話を積み重ね寂しい思いをさせないように尽くしてきたつもりでした」

「でも、今年の8月のある日…」


「息子が外出から戻って来ると、息子は顔面蒼白でまるで幽霊のようにフラフラと虚空を見つめながら廊下を歩き、私の「お帰りなさい」にも一切の反応もなく部屋に入っていってしまったんです…心配になった私は直ぐに息子の部屋に行き扉越しに必死に声を掛け何があったのか聞いたのですが部屋からは一切の応答はありませんでした…」

「元旦那とは嫌い合って離婚をしたわけではありませんでした。当時は、私は会社運営、彼は弁護士事務所の立ち上げと、大事な時期でして、双方の仕事が軌道に乗るか失敗するかの勝負所で二人とも心に余裕がなく言い争いが少し増え、このままでは互いに擦れ違い本当に相手を嫌いになってしまうかもと、息子の為にも二人の為にも一度離婚して距離をおこうと円満離婚と言う形になったわけなんですが。そんな関係性なので、私は当然のように元旦那に直ぐに今の息子の状況を相談する為に電話を掛け全てを話しました…」

「元旦那はその日の早いうちから来てくれて、私達二人は、とにかく必死に一睡もせずに声を掛けつづけました…」

「翌朝、ゆっくりと息子の部屋の扉が開き息子は目を赤く腫らし私たちに申し訳なさそうな顔で『心配掛けてごめんなさい』と謝ってきたので、私たち二人は息子を強く抱きしめ「子供が親に心配掛けて何が悪い!それを受け止め一緒に考える為に親はいるんだから」と泣きながら返し互いのぬくもりを三人の感情が落ち着くまで感じ合っていました」

「息子は、私達に対して『今は何があったのかは話せない、だけど自分の中でケジメが付いて、話せる決心が付いたら、必ず話すから』と、私達を真っ直ぐに見つめて言ってきたので、元旦那と少し話し合い息子の決断を信じて待つ事にしたんです…」

「それからの毎日は、元旦那も仕事の合間や仕事終わりなどに、家に必ず顔をだして、息子との時間を過ごし彼の心のケアを、家族の一人として頑張ってくれていました。何とか少しは食事もできるようにはなりましたが、やはりなかなか昔のように優しく笑う息子の姿はまだ戻ってくるのは難しいようでした…」

「そして夏休みも終わり二学期の始業式の日、学校を休む事を提案した私に、息子は『いつまでも逃げていても仕方ないから、学校に行ってケジメを付けて一歩踏み出そうと思う。帰ったら何があったのか話したいから、母さん僕の背中を叩いて気合い入れて笑顔でいつもみたいに行ってらっしゃいって言ってくれないかな?』と久々に優しい笑顔を浮かべ照れくさそうに私に言ってきました…私は嬉しくて平手で息子の背中をバシッと叩き最高の笑顔で送り出し、嬉しさのあまりに直ぐに元旦那に連絡をして、朝の息子との出来事を伝え、息子が帰って来るのを私たちは揃って待ちわびていたんです。でも…帰ってきた息子の姿は…」

「朝とはまるで別人…夏休みのあの時よりも酷い状態で帰って来たんです…一切の物を遮断し私達の存在や声も届かずただ絶望した表情のまま無機質な何かを感じさせるような空気を纏い部屋へ入って行ってしまいました…」

「私達は、息子に必死に呼びかけたのですが、結果今回は、届く事はありませんでした…私は会社に連絡をして、副社長に事情を説明し会社の事を頼み当分は休み息子に付き添う事を決め、元旦那も今まで以上に顔を出すと言ってくれていました…そして数ヶ月の時間が流れ部屋から出て来ない息子は、トイレに行く事と私が運ぶ食事を少しだけ食べる時以外は扉を開く事はありませんでした。それでも私達は、扉越しに話し掛け続け…息子からの返事は返ってくる事はなく、私達の空しい独り言のような問いかけだけが家の中に響いていました」

「そしてある日…私が食料の買い出しに出た短い間に、息子は外へ出てしまったのです…帰宅すると息子の姿はなく、いきなりスマホが鳴り響き画面をタップすると、電話の相手は警察で、息子が事故に遭い病院へ搬送されたとの連絡でした…私は急ぎ息子の搬送された病院へと駆けつけました」

「そこには点滴を打たれ、片腕を骨折したらしくギブス固定されたままぐっすり眠る息子の姿がありました…私が安心でその場で泣き崩れてしまっていると後ろから優しく抱きしめられ首を後ろに向けると少し遅れて来た元旦那も顔面をグチャグチャにしながら嗚咽を漏らしていました…私達が落ち着いた頃合いを見計らい、警察の方が事情を詳しく説明を始め、私達も今日までの息子の状況を伝えたのです…そして…警察から私達にとって衝撃的な事実を聞き一瞬目の前が暗転したようになりました」

「その衝撃的な事実とは…息子は自らフラフラと道路に出て行ったらしく警察の見解では自殺をするつもりだったのではないかと告げられました…」

「私達は警察から解放された後、息子の担当医師に呼ばれ、状況を説明され、その後、二人で『自殺』の真意や、これからの行動について話し合いました」

「話し合いの中で知ったのですが、元旦那は少し前から息子の状況が停滞したままなのを歯がゆく思い、内密に息子周辺で変わった事は何かないかと、事務所と契約している優秀な探偵事務所に依頼を出していたらしく、その報告が週末にまとまって上がって来た後に新たな対策をと考えていた矢先の出来事で、拳を床に叩きつけながら、唇を噛み切り血が滴る程、悔しがっていました…そして、私も元旦那と同じ想いを感じていたので、何が出来るか分かりませんが元旦那に、今から息子の部屋に戻り何か手がかりを探そうと提案し、看護師さんに息子の事をお願いし自宅へと戻る事になったのです…」

「息子の部屋は少し饐えたような匂いがキツく、あの日からトイレ以外部屋を出ず、何ヶ月も風呂に入る気力すらなかった息子を思うと、また私の胸は強く締め付けられ親としての情けなさが込み上げて、苦しくて苦しくてたまらなくなりました…そんな私を気遣って元旦那は窓とカーテンを開け外の新鮮な空気を部屋へ流し込み私に向かって「ほら、今は俺達の出来ることをして必ずアイツの手を掴み、闇の底から引き上げてやるぞ」と優しく励ましてくれました」

「息子の部屋は何ヶ月も主が居なかったかの様に一切散らかっておらず、まるで時が止まっていたかの様にキレイなままでした、唯一ベットの上に息子が居た痕跡があるのと、ベッドの近くの床の上にポツンと置かれたスクールバッグ…息子はベットに寝たまま毎日天井をずぅーっと見つめながら何を思っていたんだろうかと考えていると、元旦那があの日、帰宅した時のままのスクールバックを見ながら冷たい声で怒りを露わにしていたんです…私も急いでバックを覗きに近寄るとそこには、切り裂かれた体操着や息子への罵倒や侮蔑の書かれたノートが詰め込まれていたんです…」

「ちょっちょっちょっと待って下さい月城さん…それでは息子さんは虐め被害にあっていたと?」

「はい、その光景は虐めを息子が受けていると私達に確信させる程酷いものでした…大人でも多分あの言葉の数々は絶えられるか分からない程に残酷なものでした…そして…ベット脇の床には、画面のひび割れたスマホが電源が切れた状態で転がっていて、それを拾い上げ充電し中身をすぐに調べてみると、そこにはある動画があり、それを見た私達は驚愕しました…その動画は夏休みに息子が最初に顔面を蒼白にして帰って来た日の日付けの物だったんです…私達は、動画の内容を確認した後、関係性や他に証拠となる物はないかとlineやSNSなどの確認もし、それらを終えると、直ぐに元旦那は契約をしている探偵事務所へ連絡をし、見つけた証拠により特定できた人物やネット内の書き込みの個人特定などを含めた追加調査を依頼して動き始めていました…」

「えっ?と言うことは!月城さん原因が分かり、虐めの主犯であろう生徒の特定ができたと?さすがお二人の息子さんと言うべきか、凄いですね傷つきながらも証拠をしっかりと保存しているなんて…それでどうしたんですかその後は?」

「はい、報告書が届き、ネットの書き込みなども全て確認しプリントアウトし、書き込みの誹謗中傷に関しては警察などと協力しながら個人特定作業をしている所です…教科書や体操着などの器物破損についてや、あの誹謗中傷の内容の感じだと、現代でよく見られる傾向ですが、学校の生徒全員が自分たちは正義を執行している気になり暴言や陰口などを息子へ聞こえるようにわざと言っていたのが、容易に想像する事ができますから、そうしたものへの対処として、学校側に監視カメラのデータの開示を頼んでいます。私立の進学校となると来年の受験生減少などを気にして隠蔽する可能性もあるので教育委員会や警察にやはり協力を仰ぎ、個人特定を進めている最中です。誹謗中傷などをした相手には、酷すぎる人物には、法律と照らし合わせながら法的処置をするつもりです。法に漏れた場合や引っかかるのが難しい場合であっても、明らかに息子へ悪意を込めた発言をしている生徒には監視カメラのデータで確認の後、名簿にまとめ、両親同席で苦言を呈させて頂くつもりです。書き込みも同様に考えています。器物破損に関しては、刑事民事両方での告訴を考えています」

「驚きました!今日のテーマに対しての素晴らしい対処だと私は感じました!虐めと言う言葉で犯罪ではないようになあなあにしてしまう流れを断ち切る為の第一歩になるのではないかと私は思います。月城さん達のように大人が毅然とした態度を取り、虐めをよくあるただの戯れと軽く考え、会社や学校内だけで内々に処理をするのではなく、犯罪として警察や弁護士と協力しつつ、子供を護る為にしっかりと動く!これが一番私は大切な事で、子供に安心を与えるのではないかと思います!TVの前のお子様をお持ちの皆様はどう感じましたか?月城さん?それで原因と主犯格の生徒はどうするんですか?」

「はい、主犯グループに対しては法的にどのような罪になるか細かく報告書を見ながら元旦那が精査しているところです。原因ですが、前述の話しに絡んでくるのですが、主犯グループはとても狡賢いのです。所謂自分の手は汚さないタイプなんですよ!」


「私の息子には、中学1年生になってからお付き合いする事になった幼馴染みの女の子が居まして、私達は、仲良くお付き合いが継続していると思っていたのですが、中学二年生にあがり、クラスも別々になってしまい互いに新しい友人関係もできたりと、なかなか二人の時間が取れなくなっていたようでして…これはラインのやり取りから分かった事実なんですけど…擦れ違いや新しい友人関係が楽しくて恋人よりも優先してしまうと言う理由は、中学生くらいの子供達なら、まだ恋愛に慣れていなかったり、恋愛その物に憧れるくらいの年頃ですから、そうした理由で仕方なく話し合い納得した結果、二人が別れる事になったと言うのであれば、親としては口出しはしませんし、世の中の何処かで今も起こっている出来事だと大人になれば分かる事ですからね…でも、その幼馴染みの女の子は違ったんです…」

「新しいクラスになり、彼女の周りに近づいて来たのは、若者達の中でよく使われる表現になりますが…クラスカースト上位と言われる陽キャ女子達だったんです。正直に言えば、私からしたらたかだか学校と言う小さな箱庭で、親に養って貰っている人間が、クラスカーストだのと勝手に騒いで、人の容姿や性格、学力や運動能力、コミニュケーション能力などで、他人が勝手に順位付けをしたり、人間を陽キャだの陰キャだのと、2種類に分けて差別する事自体が馬鹿馬鹿しいですし、色んな才能や趣味や容姿や性格の未熟な人間が集まるのが当然でその集合体が学校だと理解出来ていない時点から、自分たちがどれだけ未熟かをきちんと知るべきだと私は思います…それに、学生時代には目立たない生徒でも、社会に出てから、才能が開花する生徒や努力により躍進を見せる生徒も居ると思いますから…大人になり、社会で働き続けてきて、色々な社員を見てきて、そんなケースはいくらでも見てきましたから!」

「すみません話が脱線してしまって…報告書によりますと、その女子生徒達はある上級生の取り巻き生徒達の、一応は彼女と言う名目になっていますが、事実は特定の誰か一人と関係があるわけではなく、グループ全員で淫行を楽しむような関係の女子生徒だったらしく、その上級生のリーダーは、所謂NTRと言うのが好きらしく以前にも人の彼女を奪っては飽きたら捨てるを繰り返していたようでして、中には妊娠をし堕胎した生徒や心を病んでしまった生徒や自殺未遂や彼のストーカーのように依存してしまった被害者が居る事が調べでわかったのですが、問題にならなかったのは父親が市長選に次回出馬を考えていたらしくスキャンダルを恐れてお金で解決したり時には圧力でもみ消していたと言うのも調査で分かった事です…それと、女子生徒達は、学内では、、生活態度は良く、成績も上位、三人とも色々活躍しているらしく近隣の中学校でも有名で、容姿も優れており「三大女神」と持て囃されている様でして、それは表の顔で、本当の彼女達の顔は前述通りなんです…」

「えぇえぇえぇ!それ大スキャンダルですよ月城さん!」

「調査員の聞き取りの中で分かった話ですが、そのリーダーの生徒は、1年生の終わり頃に、校内でその幼馴染みの女の子を見かけ、次の性奴隷としての獲物として目をつけたようで、二年生のクラス表を見て自分の駒がその彼女と同じクラスだと知り、友達になるように指示をしたとの事でした」

「情報元などは、調査上の守秘義務がありますので開示はできませんが、学校の生徒に聞き込みを諦めずにした結果、そのグループの会話を偶然に数名の生徒が耳にしていたと言う事でした。」

「そして二年生になった幼馴染みの女の子は、まんまと彼女達に籠絡され、優しくて友達思いの友人を演じ続ける彼女達の仲間に徐々に引き込んで、幼馴染みの女の子が経験していない放課後の楽しい遊びで堕落させて、本人自身が楽しくて彼女達と遊んでいたくなるように仕向けた結果、幼馴染みの女の子は、息子を放置する様になり、最後には、上級生のリーダーの思惑通りに身体を許す関係になったみたいです…」

「そして、あの日…八月の熱い夏の日に、息子は幼馴染みの女の子とその男女のグループが楽しそうに遊んでいるのを街中で目撃してしまい、余りにも親密な空気に声を掛ける勇気が出ずに、スマホのカメラを回しながら尾行する事しかできなかったんだと思います…」

「でも、彼女達がいつも大勢でする時に、利用するモーテルに入る瞬間我慢できずに声を掛けたみたいなんです…動画を見る限り、彼女を今は悪い友達から引き離さなければと勇気を出したんだと思います…幼馴染みの女の子の手首を掴み引き寄せようとした瞬間、助けようとしている相手に「痛い」と言われ、優しい息子は手を離してしまったんです…そして…その一瞬の隙をリーダーの先輩につかれ、息子は殴られこう言われたのです…「彼女にいきなり暴力をふるうなんて最低のDV男」「しつこくlineなどをして尾行するストーカー」だと…取り巻きもそれに呼応して息子に罵声を浴びせ、救うはずだった幼馴染みの女の子には「つまらない男」「全て先輩に捧げた」と言われとどめをさされたんです…」

「それらが息子の動画には、全て記録されていました…今話した内容で息子に向けて吐かれた罵声の数々は、抜粋して少なくまとめています…説明とは言え、息子に向けられた罵声、家族同然に過ごしてきたはずの幼馴染みの女の子が息子に吐いた暴言を、私の口から言うのは無理です…ごめんなさい…」

「何ですかそれは…月城さんの息子さんではなくても、私達大人であっても自殺したくなる程の酷さじゃないですか!許せませんよ!これがどう虐めに繋がったんでしょうか月城さん?」

「先程のやり取りを息子は胸ポケットにスマホを忍ばせ撮影していたのですが、撮影をしていたのは息子だけではなかったみたいでして、彼女達のグループの一人の女子生徒が堂々と撮影をしていたんです…報告書によると、彼女は中学生に人気のファッション雑誌の専属読モをしていて、SNSでの発言力は高く、そんな彼女がリーダーの指示で動画をSNSや学校のグループラインや裏掲示板などに登校し『彼女に暴力を振るうDV男!振られてもしつこく連絡や付きまとうストーカー』とタイトルを添えたものが一気に拡散…夏休み終わる前には息子以外は全校生徒ならず大勢が知る事になったようです。後は、皆様も想像がつくと思います…決意表明をして登校してみれば冤罪で最低のDV男扱い…」

「私は…私は……ここでコメントする資格はないんです……息子一人守り切れなかったんですから……ウッウッウッ」

「月城さん、そんな事は言わないで下さい…ゆっくりで構わないので、まずは気持ちを落ち着けて…分かりますから、我慢していた気持ちが決壊してしまったんですよね?…では、先に進行させて頂きます。増える不登校や自殺、月城さんと同じく苦しんでいる方々に、きっと勇気と言うメッセージは届いていると信じたいですね…それにしても、クラスカーストや陽キャとは、何なんでしょうかね?月城さんの言うように、そんな価値のないものにこだわって差別し見下して他社を貶めるなんて…子供達自ら愚かさに気づき変わらなければ、ますます暗い未来になってしまいそうですね。そして、ネットを利用した虐め…国は真剣に考え法整備をするべきではないんでしょうか?さて、月城さんも落ち着いたようなので、一つ疑問に思った点を質問して宜しいですか?主犯グループのリーダーの男子生徒は、説明を聞く限り、女性をアクセサリーやトロフィー代わりにし、性の捌け口程度にしか考えていない人間に思うのですが、何故取り巻きの女子達は使い捨てされないんでしょうか?やはり彼女達は特別だからなんでしょうかね?」

「はい、すみません取り乱してしまって…それですが、先程お話しをさせて頂いたように、彼女達の容姿は学校でも上位であり、三人が三人影響力がある、憧れの読モでインフルエンサーであったり、、陸上界で将来を期待されている明るく誰にでも人なつっこい人柄であったり、優秀な頭脳と信頼されるリーダーの資質を持ち武道を嗜んでいる旧家のお嬢様であったりと、リーダーの生徒からしたら利用価値があり、自分のステータスをひけらかす為のアクセサリーでもあり取り巻きの男達を駒として従わせる為に与える甘い餌に丁度良かったのではないかと考えられます…」

「ただここで勘違いをしないで下さい…幼馴染みの女の子含め彼女達は、こうして聞くと男性グループの被害者のように聞こえますが、彼女達自身も男たちと居る事のメリットを考えて、男達に媚び、快楽を楽しんでいたわけですから、同じ女性として私は被害者で可愛そうな女の子とは思いません!結局は、互いが互いを利用しているだけなんじゃないんですかね?それに、彼女達は、自分を美しい蝶だとでも思って驕り高ぶっていたのでしょうが、私からすればあんな小さな箱庭で美人だと称されても、社会に出ればあの程度の容姿は普通より少し可愛いと言われる程度でしかないんですから!彼女達は虚栄と言う光に群がる蛾だったと言う事です!彼女達も結局は、リーダーの少年と同じで見た目が良く、ステータスが高い相手とどれだけの人数肉体関係を持てたのかがトロフィーであり、他社より自分は美しいと誇示する為のアクセサリーだったんじゃないでしょうか?男性何人と経験がある=モテると勘違いしている女性の典型的なタイプにも私は思います。同じ女性として嫌悪感はあれど、羨望や憧れは一切ないですが…」

「そうですね、不登校や虐めや自殺なども大きな問題ですが、sexの低年齢化や貞操観念の低下にも歯止めがきかなくなっていますよね…。これからの日本はどうなるんでしょうか?これらの問題は、今回は若者にスポットライトを当ててお話をしましたが、決して学校だけで起こっている問題ではありません!大人社会の会社組織でも、全く同じ事がもしかしたら今、現在進行形で行われているかも知れないんです!今朝は、月城さんの緊急独白と言う事で、内容を変更してお送りしていますが、皆様現実を直視した気持ちなんじゃないんでしょうか?今後、月城さんの息子さんの事件も動いて行く事でしょうし、この放送で何かが変わる事を一人の人間として願っています…CMをカットでお送りしましたが、お付き合いして頂き、視聴者の皆様ありがとうございました。月城さんも、また事件に動きがあった際、リポーターがお世話になると思いますが宜しくお願いします。今日は、辛いお話ありがとうございました。では、CMです…」


3.崩壊を刻む砂時計


母は、手に持っていた箸をテーブルに落としたままTVを見つめ放心状態になっていた…私は、全身の血の気が引き呼吸が苦しくて、今にも自分が消えてしまうのではないかと思うほどに意識が混乱していた…いつの間にか、彼の母親の話は終わっており番組もCMに入っていた…

まだ意識がはっきりとしない頭で「ついにバレてしまったどうする?どうする?」と言葉がループし響いている中、顔面に強い衝撃を受けた…

私は、衝撃と痛みで意識が正気に戻ると、倒れた私の上に母が馬乗りになって、何度も何度も顔へビンタを繰り返していた…どんなに今まで叱られても、体罰なんて一度もした事のない母が、叩く掌が痛くなってきたのか、小さな拳を握り締めて、さらに私を殴り続けた…

母の手がやっと止まった時、親子に向ける視線ではない凍て付いた目つき、そして低く底冷えのする声で

「アンタ何て事をしたの!自分が何をしたのか分かっているの?アンタ!全部嘘だったのね!月城さんの言う通りよ!アンタは被害者じゃない!そんなにsexは気持ちよかったの?彼を裏切って、酷いことを直接言うくらいに!ねぇ?」そう言ながら、母は私の上から立ち上がり、いきなり足を振り上げて股間を思いっきり踏み抜いた…

私は、激痛で呻き転がりながらも母に許しを求めたが、母は無視をして冷たい目で私を見下ろし言葉を吐いた…

「ねぇ?大切な人の心を壊してするsexは気持ちよかったのって聞いているんだけど?ねぇ?その口は、言葉を相手に伝える為にあるんじゃないのかしら?それとも、淫乱なアンタの口は男の一物を銜え込む為に着いてるのかしらね?」

答えられず、動けない私に、また母は容赦なく足を振り下ろし、股間を踏み抜いた…

「ねぇ私が何故離婚したのか知ってるよね?あの屑…アンタの父親が、二度も浮気をしておきながら、ヘラヘラした態度で「浮気はもうしない。俺はお前がいないと駄目なんだ…頼む捨てないでくれ」なんて薄っぺらな謝罪してきたの。私ならまた許してくれるとでも考えてたんじゃない。何もかも甘いんだよ、本当にあの屑は!何処の世界に、二度も浮気された上に、その場しのぎの謝罪をする奴を許してやるお人好しが居るの。反省なんて微塵も感じさせない奴を子供の為に信じろとでも?ふざけんな!いつ浮気するか分からない屑との結婚生活は地獄でしかないわ。アンタが、小5に進級する少し前に伝えたはずだよね?」

「で?私が、シングルマザーとして苦労しながらも、アンタの幸せを一番に考え、忙しくても寂しくさせないように必死に頑張っていたのを近くで見て分かってるよね?それなのに、あの屑と同じ事をして!私を馬鹿にでもしているのかな?」

「私は、あの屑と同じ事をする様な最低な人間に育てる為に女を捨てた訳じゃないんだけど?離婚以降。母として父として有り続ける為に女を捨てて、アンタの事だけを考え、幸せになって欲しい一心で頑張ってきたの。でも、女を捨てた事も苦労もアンタの為に掛けた全ての時間も水の泡よ…」

「ねぇ?母親だからアンタには女を捨てたって言われても分からないんじゃない?妻や母親なんて呼称に過ぎないの。芯は女なのよ。女を捨てるってどんな事か分かる?恋愛もsexも人生から除外して生きる覚悟なの。sexは若いからしたくなるのが当然と考えてない?逆に、私みたいなおばさんは、sexに興味自体失って、する気も起こらないから女を捨てているのと変わらないとか思ってるでしょ?」

「普通、娘にこんなに赤裸々な話しはしないわ、でもアンタがあの屑と重なって見えるから、一切心は痛まないの!私だって、仕事をするのに外に出れば、男性と関わる事なんていくらでもあるのよ…長く働いていれば、食事や飲みに誘われる事も、休みの日にデートに誘われる事も何度もあった。その後の男女の関係含めての誘いとあからさまに分かるような。告白されて付き合って欲しいなんて話しもあったわ…でも全て断った…。大切な娘が人見知りなのに、知らない男性が遊びに訪れたり、再婚して義理の父親になった時、娘が自分の気持ちを我慢して私達に遠慮したり、心を閉ざしてしまったら私と娘の本当の幸せとは言えないから。でも、何度も男性に誘われたりしていれば、私だって女なのよ…女一人で娘を育てるのにも限界かも知れないと不安で不安で、男の胸に飛び込んで抱かれてしまえば男性に頼れるんじゃないかって、心が弱気になる事だってあるの…でも、それすら我慢して。分かる?私だって人間なの!そんな中で性欲が沸かないとでも思ってるの?私はね、男性に逃げてsexする事も、自分で慰める事も、精神で蓋をして押さえ込んでいるだけなのよ!そうやってアンタの事だけじゃなく色々背負って必死にここまで積み上げた物をアンタは簡単に壊したの!」

母は、今までに見たことがない程に、激怒していた…「お母さん…本当に…本当に…ごめんなさい…」

「ハァ…アンタに、もうお母さんなんて、言われたくないんだけど?今の私は、アンタの名前を呼ぶ事すら汚らわしいの。それと、最初に謝る相手が違うんじゃないの?本当に、そんな所まで、あの屑にそっくりなのね!悪事が露呈して自分の立場が悪くなると、とりあえず謝って切り抜けようとする所とか本当にそっくり!どうせ何に対して謝ればいいのかも、何で怒られていて何処が悪いのかも理解できていないままにその場しのぎで何とかしなきゃってだけなんでしょどうせ?」

「あぁ、本当に苛々する…昔のあの屑との事思い出したじゃない!アンタに教えといてあげる、一度の過ちくらいと考えてない?本気でもう二度と浮気はしないとか思ってるんでしょ?あのねぇ、一度味わった背徳の蜜の味を、我慢が本当にできるの?『もうしません。絶対に我慢できます』とか考えたでしょ?そもそも、我慢できる人間なら、最初から間違いは起こさないの。それだけ普段からきちんと自分を自制できる人間だから。アンタと父親がどうして同じ穴の狢なのか教えてあげる!」

「私はね、あの屑男の謝罪を一度目は受け入れたのよ…浮気の時期は、アンタを妊娠していた時よ…出産して少し経ってからコソコソ隠れて連絡している現場押さえて発覚したってわけ…馬鹿よね、私が子育てで、アンタの側をなかなか離れられないのをイイコトに、家で浮気相手と連絡お密に取るとか…それで、私も交えてこれ以上屑男と関係を持たなければ慰謝料請求はしないと言う条件の下で別れさせたのよ。勿論嘘をついて関係を続けるかも知れないからね、次に発覚した場合は、今回請求予定の金額の倍請求すると釘を刺した上、会話を録音しているから、後になって『言った覚えはない』『そんな約束はしていない』は通用しない事もわからせた上でね。なんで私がその時に許したと思う?あの頃はね、やっぱり子供には両親が必要だと思っていたこともあったし、それに、男性は女性が妊娠している時期に、浮気をする事が多いって話しを耳にしていたりしていたの…男性は肉体の作りが違うから妊娠中の奥さんとsexができなくて、貯まったのを出したくなって浮気するなんて理由よ。笑っちゃうわよね、今考えたら、男に都合の良い理由付けって分かるのにね…でもその時の私はね、こう考えちゃったのよ…結婚までした相手が私に無理を言わないで我慢していたんだ、私も初めての出産で、自分の事しか考えられなくて、余裕がなくて旦那さんのそうした部分に気づけなかったから浮気されたのかも。私が気づいていれば、口でも手でもやり様があったし、安定期に入ればsexだって出来たはず…浮気された事に関しては心から許しますとは、まだ言えないけど、謝罪の言葉だけは受け取ってあげようってね…それをあの屑に私は素直に伝えたわ。でもね、あの時、屑がきちんと私の言葉の意味を理解した上で謝って反省していたら二回目の浮気は起こらないで離婚していない未来があったのかも知れないわね」

「アナタには、私が言った言葉の意味が分かる?分からないわよね?あの屑と同じで、この場を何とか乗り切る為だけに謝っているんだから…」

「許す、許さないは被害にあった人間が決めるのは分かる?加害者が、色々な形で謝罪したからと言って許された事にはならないのも、どうせ分からないでしょ?私はね、あの屑男が浮気をしたことについて『許します』とは一言も言った事はないわ、私が言ったのは『心からは貴方のしたことを許す事はできないけど。今回は私にも少し責任はあると思うから、貴方の謝罪の言葉だけは受け取っておくわ。反省しているかは、貴方のこれからを私は見ているから、それで許しますって素直に言える様になったら、ちゃんと貴方に伝えるから、それでいい?…』としか言っていないのよ?ここまで言えば分かるでしょ?被害者が加害者から謝罪されてもね、被害者の心が本当に許しても構わないと思わない限り、被害者本人からの『許します』って言葉は、一生掛けられる事はないでしょうね!謝罪は受け取るって言うのはね、本当に言葉のままよ。受け取ったけど、反省をしているかは貴方のこれからの態度や行動を見極めさせて貰いますって意味よ…執行猶予って奴ね!これで少しは分かった?アンタも屑も、謝罪を受け取る価値すらない程、薄っぺらな口先だけの謝罪なのよ!」

「だから、アンタが小1の時、二度目の浮気発覚をきっかけに、あの屑と離婚したの。結局あの屑は、一度目の浮気で許されたと自分の都合良く解釈して、二度目も謝れば許してくれる女とでも勘違いしてたんでしょうね。あの屑は、アンタの担任と盛ってたの!私は、一度目の浮気からは、アイツが欲求不満にならないように毎晩の様に求められれば応じたし、自分からも求めた…なのに、平気で、他の女も抱いて!結局は、色んな女を抱きたいだけで、貯まっているとかは関係なかったの。他にも実はあったかも知れないけど、結婚前のアイツは、きちんとした人間だった…一度目の浮気で背徳の蜜に魅了されて抜け出せなくなったのかもね…。あの屑もアンタも自分の都合良く、浮気がバレてもあの人なら優しいから自分が謝れば許してくれるはず。だってあの人は自分を大好きだからとか、お花畑な頭だと自覚しろ」

「これで分かった?アンタが何を言おうが誰にも届かないのよ!アンタはね、アンタはね、あの屑男よりも酷い事を彼にしたのよ分かる?あの屑でも、浮気がバレた時は、平謝りでも土下座して私に縋り付いてきたわ。アンタは何様?彼の純粋な気持ちを踏みにじった上に全てを先輩に捧げたとか自慢なわけ?その心ない言葉で、彼は死んでしまっていたかも知れないのよ?彼が死んでいたら、謝る事すらできなくなるの分かってる?アンタ!彼が命を断とうと苦しんでいる間、私に嘘を付き続けて、夏休み前から毎日毎日乱行sexしてたんでしょうね。ねぇ?この『ヤリマン淫乱女』」

母は、怒りの我慢の限界をまた超え鬼の様な形相で、また私の股間を踏み抜いた…

「痛いよぉ、痛いよぉ、お母さん、死んじゃうよ私…本当に…本当に…ごめんなさい…お父さんと同じ事して、お母さんを裏切って…ごめんなさい…許して下さい…本当に痛いの」

「はぁ?痛いの?痛いじゃなくて気持ちいいの間違いじゃないの?たっぷり夏休みにその汚い股使って、男達を喜ばせて、散々男達に股間弄ばれて自分も気持ちよがってたんでしょ?ほら踏みつけられてグリグリされて馬鹿みたいにパンツでも汚してるんじゃないの?汚したパンツは私の洗濯物とは別にして洗ってね?アンタの性病が移ると困るからさ!実は泣き真似しながら感じてるんじゃないのアンタ?『ヤリマン淫乱女』だもんね?本当に苛々するわ、アンタのその態度見ていると!いつになったら自分の犯した事の重大さに気付くの?さっきから、『ごめんなさい』って連呼してるけど、それはさ?股間を何度も踏み抜かれて、痛みから必死に逃れたいからだよね?彼にした酷い事への『反省』や『謝罪』に一切一言も触れないとかおかしくない?本当にムカつく」

「アンタさ?本当に心から謝罪しなくちゃいけない事は知らん顔して、自分が酷い目に合っている時は、謝って許して貰おうなんて、都合が良すぎると思うんだけど?本当はさ、彼や彼のご両親の代わりに、アンタの子宮を、このまま体重載せて潰して、妊娠できない身体にして、股間の恥骨も踏み砕いて、アンタのその汚い穴も一生使えなくしてやりたいくらいなんだよ!彼もかれのご家族も、勿論そんな事は望んではないのは分かるけどね、どうせこの先の人生、sex狂いに成り下がったアンタの末路なんてsex依存症がよい所じゃないの?、この先、これ以上人様に迷惑をかける害悪でしかない存在なら、せめて私の手でと考えなきゃいけない程の怒りと悲しみが分かる?大切な人の純粋な気持ちを踏みにじり、追い詰めて貶め、平気で自分は男とsexに心酔して楽しんでいられる人間がこの先も、同じ事を繰り返し、誰かを傷付けると考えるだけで…、私の血がその身体に混じっていると思うだけで…頭がおかしくなりそうなのよ!ねぇ?今更、隠し事しないわよね?全部正直に話しなさい。いいわね?」

「ウッ…痛いよお母さん…ごめんなさい…全部話すから許して下さい…嘘は絶対につかないからもう蹴らないで下さい…ごめんなさい…」

それから、私は全てを打ち明けた、夏休みに、伊達先輩とsexをしながら彼に電話を掛けるゲームをした話や彼に、どんな酷い事を言ったのかを正直に全て話し、その日は、彼を皆で罵倒し蔑みながら楽しんだ話など隠さずに全てを、母は、その内容の酷さに耐えきれなかったのか、涙を流しながら、ここには居ない彼に何度も謝りながら、つま先で容赦なく私の女性器を何度も蹴り込んでいた…そして全てを聞き終えた母は…

「月城さんの言うとおり、散々楽しんだんだから、これからは地獄よ!義務教育期間は、仕方がないからこの部屋に置いてあげるけど、卒業までに、戸籍や親権をあの屑に移しておくから。その後は、『ヤリチン親父』と『ヤリマン淫乱娘』二人で仲良く暮らしてね」

「嫌、嫌、お母さん…と一緒に居させて下さい…お父さんとは暮らしたくないです…ごめんなさい…ごめんなさい…捨てないで下さい…」

「アンタの事情なんて知らないわよ!こんな奴の為に、私の女としての人生を諦めるなんてふざけるな!いい?裏切って平気で居られる人間はまた必ず裏切るわ。大切な人がこの先に出来たとしてもね…。自分に都合の良い理屈や言い訳を用意して、自分は悪くないと。そんな人間、否、獣を信じろって言うの?普通無理だと思うけど?」

「ごめんなさい…ごめんなさい…もう二度としません…悪い所も直しますから…sexももう一生しませんから…」と私は母に必死で謝り続けたが

「アンタさ、一生sexしませんとか守れない約束口にして、薄っぺらなのよ!必死に、屑と暮らすのを拒絶しているのも、自分が性的虐待を受けるかもと不安で怖いだけなんでしょ?結局はまだ自己保身しか考えられないんでしょ。今、屑がどんな生活を送っていようが知らんけど…私には関係のない話。お得意の身体遣って媚びでも売ればいいんじゃない?勝手にすれば…」と今まで以上に感情を無くした表情で冷たく無機質に言われ、私は本当に父親と同じく母に見限られたのだと実感した…

母は、話を切り上げテーブルの上の朝食を片付けながら「悪いけど、学校にはきちんと行って貰うからね…サボって逃げるんじゃないよ!彼は、アンタなんかよりも辛い苦しみを今も受け続けているんだから。」

「それと一つ言っておくわね…私は彼に生涯償う覚悟を決めたから…あちらのご家族からしたら迷惑になるだろうけど、彼の心と身体が回復して昔と同じように健康で過ごせるように、あちらのお母さんが忙しい時だけでも構わないから、サポートさせて貰い、彼だけでなく彼の家族も支えるつもりよ…でも、彼が一番迷惑に思うでしょうね…支えてくれるなら、こんなおばさんじゃなくて、同年代や少し年上の若い可愛い看護師さんがいいってね」

「今夜すぐに彼の家に謝りにいくわよ。アンタは勿論だけど私が一人で行ったとしても、顔も見たくない相手に訪問されても迷惑でしかないけど、私達は行くしかないの!分かった?いいわね、さっきみたいな薄っベラな言葉並べ立てても、月城さんのご家族には見透かされ決して届かないわよ!余計にあちらの怒りに油を注ぐだけになるって事くらい覚えておきなさい…」

「分かったら、さっさとそのみっともない腫れ上がった顔どうにかして、さっさと学校に行きな!私は、夜までにやる事が出来たの、今日の仕事は休むから…アンタが、学校サボってこの部屋に居られるのは、私は嫌なの…アンタが吐いた男の精液臭い息を私も吸っていると思うだけで、吐き気がしてくるから…」

その言葉を最後に母は口を閉じた……私は、本当にお母さんが怖かった、あの凍てつくような目、口汚い言葉、容赦ない体罰……優しい母をあの日私が殺してしまったんだと、今の私は、彼の事だけでなく、母の事でも苦しみ続けている…優しかった母の笑顔や言葉は二度と私に向けられる事はない…

私は、泣きながら仕方なく学校へ行く準備を始めた…顔の腫れは酷く、大きめのマスクをして隠そうとしたけど、隠しきれなくて。また涙が溢れてくる。着替えも、母に踏まれた股間や踏みつけられた下腹部もつま先で蹴られた女性器もズキズキとまだ痛み、制服に着替え終えるのに大変だった…そして、鞄を手に取った瞬間に、急激に叱られた恐怖とは違う恐怖が私を襲ってきた…

怖くて怖くて仕方が無い…学校には、皆来ているんだろうか?放送を見て、どれだけの生徒が、私の事だと知っているんだろうか?…ネットも怖くて開けられない…スマホも通知音が鳴る度に、炎上して抗議のメッセージが送られてきているのではないかと、怖くて音で、心臓が跳ねる…TVで紹介された様に彼のお母さんの影響力は、調子に乗っていた私達小物の比較にもならない、だからこそ怖くて怖くてたまらない…

私は、アパートの扉を開き一歩外へと踏み出した…通学路を俯きながら少しでも目立たないように一人歩いているとだんだんと学校へ向かう生徒の数が増えてきたのだが、みんな私と同じで俯きながら暗い空気を纏って足早に学校へと向かっていた…その時に私は気づいてしまった…毎日通る通学路…キラキラとカラフルに目に映っていた景色が今では灰色に見える…私は、それを振り切るように足早に他の生徒同様に学校へと急いだ…

下駄箱に到着しても周りの空気は沈み込んでいて、気のせいか沢山の視線を感じる…上履きに急いで履き替え私は小走りで教室に向かった…

私はここまで来てもまだ自分の保身を考えていた最低な人間だった…この時は、まだ誰かが私を救ってくれるかも知れないと有りもしない希望に縋り付かないと恐怖に押しつぶされてしまいそうで不安で仕方なかった事をよく覚えている…

やっと、二年生の教室がある階まで辿り着くとそこには、偶然にも一年生の時の元クラスメイトの女生徒が立って居た。彼女は、私と目が合うと「あっ!アスカちゃん、その顔の傷どうしたの?」そう聞いてくる彼女に、「ちょっと階段で足を踏み外して、顔を打っちゃっただけ」と嘘をつき、この場から早く離れようと「またね」と言って立ち去ろうと彼女の横を通り抜けようとした時、「朝の放送の話しって本当なの?TVに出ていたのって月城くんのお母さんだよね?夏休み終わり前から、彼の変な噂が流れていたけど、私や元クラスメイトの皆は、彼が優しい事を知ってるから、彼女のアスカちゃんに暴力を振るってストーカーみたいな事をするなんて、誰も噂の事を信じてなかったんだよ…。なのに、彼女のアスカちゃんがなんで彼を裏切って、あんな酷いことを平気でできるの?」その問い掛けに私は、ついイラッとして足を止めてしまい彼女に対して「チッ…はぁ?たかだか1年間クラスが同じだっただけで、何好き勝手言ってるの?彼を信じてる?酷いことを私がしてる?ウザっ…私達の事に関係ない癖に…あっ!そうか、アンタさ、あの男の事よく目で追いかけてたよね?だからか…私に突っ掛かってきたって訳ね…私のお古で良ければ、勝手に告れば?安心していいわよ、まだアイツ童貞だからさ。童貞と地味子でお似合いなんじゃない…もう話す事、こっちには無いから二度と絡んで来ないでね?処女の地味子ちゃん 笑 」と彼女に吐き捨て、自分の教室に駆け込んだ…背後からは「最低」の一言が廊下に響いていた…

あの時、彼女の問掛けに、素直に答え、心から懺悔していれば、私は、中学生最初の最高のクラスメイト達を失うことは無かったと、今になって思う…また、一つ大切な物を自らの手で壊し失った…なのにこの時の私は、肥大仕切ったプライドと言い知れぬ恐怖で虚勢を張る事しかできない愚者だった…

教室に一歩足を踏み込むと、私へ一気に視線が集中する…。今までの様な好意的な視線ではなくて、敵意の籠もった視線が私を突き刺す…。私はその視線から逃げるように俯きながら、自噴の席へと足早に向かった…。席に座り直ぐに、目立たないようにチラチラと視線を泳がせ彼女達の姿を探したが、まだ誰一人登校して来てはいなく、私はとにかく席で息を殺しながら、誰かが話し掛けてこない事を祈るしかできなかった。しかし、朝のHRが始まる時間になっても、彼女達は誰一人登校して来ず、この針の筵の様な教室で、私は一人なんとか午前中をしのぎきった…、昼休みになり、教室の空気にもう耐えきれず、伊達先輩達が登校している希望に賭けて、私は三年生の教室へと向かった…

この頃の私はどれだけの甘ちゃんだったのか…しかし私の甘い考えは即座に砕かれてしまった…

私が三年生の階に足を踏み入れると、次から次へ先輩達が近づいてきては「お前達のせいで、受験もお終いだよ。問題起こした学校の生徒を事件に関係ない生徒だからって、受け入れてくれる優しい学校なんてあると思うか?」「アンタ達みたいにエスカレーターで高等部目指す奴だけじゃないのよ!行きたい高校があったのに…進学校になればなるほど、学校の評判を気にして、受け入れ拒否だってあるかも知れないのよ!」「人生積むなら自分たちだけにしろ!周りを巻き込むな!」と罵声を浴びせられる…そして極めつけは「アイツ等に縋って何とかしようとでも思って来たんだろうけど、誰一人登校なんてしてないぞ!立場がマズくて逃げたんだろうよ!まぁ、お前等がどんだけ学校内だけで目立って凄いのか知らないし、親が有力者で力があろうが、将来有望で業界から期待されてるか知らないけどよ、あんな放送されたら敵わないんじゃねえの?諦めも肝心だぜ」と先輩に吐き捨てられ、私は限界を超えてしまい、涙が零れそうなのを絶えながらトイレに駆け込みスマホを開いた…

LINEを開くと、皆からのメッセージが入っていて、その全てが「アイツの母親があんな有名人なんて聞いてねぇぞ。ふざけんな」とか「お前と関わったおかげで人生積んだ」とか「公衆便器の癖に性処理以外使えねぇのか?幼馴染みなんだろなんとかしろよ!これじゃあ、受験できねぇじゃねぇか公衆便器」とか「アスカの方から股開いて誘ったんだから俺は悪くねぇし、お前が勝手に浮気したビッチなだけだからな分かったな?それと、放送のせいで、家に検察やら報道陣が押し寄せてんだぞ!アイツの母親でも父親でもいいから説得しろ!無理なら、童貞寝取られ野郎にお前が股開いてサービスしてなんとかしてこい!お前の存在価値はそれしかないんだから役に立て!」や「アンタのせいで芸能界の夢終わったじゃないふざけんな」とか「私には陸上しかないんだよ!なんで私がこんな目に合うわけ?返してよ私の陸上」とか「家を勘当された…私は恥だそうだ…私は最初からお前と関わるのは反対だったんだ…身体だけでパッとせぬ女を寝取った所で面倒だと先輩にも忠告したのだが…先輩達にお願いされなければお前などとは仲良くするフリですらしたくなかった」と言う私を責め立て、責任を擦り付ける内容ばかりだった…

私はこの時に最後に縋り付いていたまやかしの希望が消えて、本当の意味で全てを失った事に気付いた…、そして頭の中で、彼のお母さんの話を思いだし、自分は性奴隷としての価値しかなくてその為だけにみんな近づいて来たんだと心の底から現実を認め一人個室で号泣したのを覚えている…でも、今更気付こうとももう遅いのに…

絶望の中、学校から帰宅しても、部屋の中は重苦しい静寂の空気に包まれ、母は一切口を開かなかった…そして夜になり、一言「今から月城さんのお宅に行くから」それだけを言ってアパートを出て行ってしまった…私は急いで母の後を追いかけ…気づいた時には、彼の家の前に着いていた…

しかし、先客が居たようでそれは、学校に姿を現さず私を罵倒した彼女達とそのご両親だった…


4.断罪の時を刻む砂時計


彼の両親は、紳士に対応はしているが、ここから見ていても怒りを我慢しているのが伝わってくる…

読モの彼女が泣きながら「お願いします告訴だけは許して下さい…私は先輩の命令に従っただけなんです…芸能界を諦めたく無いんです…私の夢なんです…告訴されて私だって知られたら今までの全部が終わっちゃうんです…お願いします…お願いします…」と両親と一緒に頭を下げているが、彼の父親は

「それはできません。元妻が、朝の放送中に話したと思いますが、君も楽しんでいたのは事実だよね?それとも、彼等にレイプされて、命令に背けなかったのかな?それなら話は変わるんだけど?お父さん、お母さん私が警察に付き添うので、警察にまずは被害届を出し、私の親友に性加害に強い弁護士がいるので、そちらと連携して告訴の準備に取り掛かりましょう!ねぇ?いいよね君も?」

「そそそ、それは…そんな大事にする事でもないし…大げさと言うか…」

「あれ?レイプはとても重大な犯罪だよ?「大事にする必要はない」様な些細な事じゃないんだけどなぁ?ご両親だって自分の娘が酷い目に合っていたら心配で居ても立ってもいられないと思うよ?同じ女性として、おかあさんはどう思いますか?」

「えっと、それは…そのですね………」「月城さん、レイプは確かに重大な犯罪ですが、娘をわざわざ見世物にする必要はないと私は考えています。穏便に隠し通して娘が幸せになれるなら私は、被害届を出して、事を公にする必要はないと考えています。」

「素晴らしい!家族思いの旦那さんですね。ほら、見て下さい、さっきまで泣いていた娘さんが笑顔になってるじゃないですか。家族愛ですね…」

「では、旦那さんの考えを極端にはなりますが私なりに解釈するとですね、奥さんが今ここに居る男性全員に、動画や写真を撮影されながら輪姦レイプされたとしても、旦那さんは奥さんの名誉に傷が付かないように、被害届をださずに告訴もしないんですね??」

「いい加減にしろ!こっちが下手に出ていれば、レイプだのとウダウダと訳の分からない事ばかり言って、有名な企業の社長か有名な弁護士事務所か知らないが、私は、日本有数の大企業のゼネコンの次期専務が約束されている男だぞ、成り上がりのお前等とは違い、本物の上級国民様なんだ、それに各界にも太いパイプと人脈がある、分かるかこの意味が?あまり調子に乗るなよ!私達が、穏便に済ませてやろうとわざわざ足を運んで、謝りに来てやったんだ、お前等は、黙って素直に謝罪を受け入れればいいんだ。どうせ、慰謝料目的なんだろ、金は払ってやるから有り難く受け取るんだな。」

「はぁ…皆さんに最初から謝罪をするつもりが無いのは薄々気づいていましたが、さすがにそこまでだとは思わなかったので驚いていますけどね。これでも私、一応は弁護士をさせて頂いてるんですけどねぇ。反省をしていないであろう人間が訪問して来ると言うのに、何も準備もせずに迎えるとでも思っていましたか?勿論、今までのやり取りは記録させて頂きましたので、おっと…、口を挟むのはまずはお待ちになられた方が良いと思いますよ?これ以上墓穴を掘りたくなければですが、とは言え『もう遅い』と言うヤツなんですけどね。私も、貴方達の対応をしている途中に気が付いたんですが、我々のやり取りは多分、カメラで撮影されていましたよ。最近の集音マイクは高性能ですからね、先程の酷いやり取りも押さえられているでしょうね。その事に関しては、少し考えれば分かる事なので私達からしたら想定内なんですが、皆さんは違ったようですね。」

「実際、今朝の元妻の独白が放送された影響は大きい様でしてね、貴方達が訪問される少し前に、TVで主犯格の生徒達のリーダーの少年宅や父親の病院に検察や報道陣が押し寄せて騒ぎになっていると中継が流れていましたし、知り合いの検察から連絡がありましてね、どうやら少年の父親は元々検察にマークされていたみたいでしてね、市長選出馬の為に、色々と黒い事をしていたみたいでして、その他にも余罪として世間には公表できない様な事もしていたそうですよ。検察は踏み込むタイミングを計っていたみたいですが、今朝の元妻の息子の尻拭いの件の発言をきっかけに動く事にしたようです。この話を聞いて少しは、今の状況を察して頂けましたか?私たちの方には後ろ暗いところは一切ないので、このまま話を続けましょうか」

「まず、読者モデルをしている君とそのご両親についてですが、、娘さんに関しては、最初から言っているように被害届の提出をして告訴の流れは変わりません、そして、急な事だったので、旦那さんには脅迫罪が適応するのか、名誉毀損や侮辱罪に当たるのかをきちんとした後、内容証明で詳細な書類を送らせて頂きますので。調査の一環として、その大企業のゼネコンでしたっけ?そちらにも連絡をして協力をお願いするつもりですので。1大企業が、社員の私的理由で、他社や個人に圧力や何かしらの妨害行為をしていたら大事件ですからね?とまあ、こんな所ですかね。」

「そうだ一つ、今回は実際に娘さんや奥さんはレイプ被害には合われませんでしたが、レイプで訴える事が晒し者?名誉に傷が付く?確かにまだ『セカンドレイプ』に関しての対応などの問題は解消されていないのが現状です。聞き取りや裁判の証言でさらに、また心に傷を負ってしまう場合もあります。それでも、家族を本当に守りたいなら告訴をして戦うべきなんです。弁護士も、他の女性公務員も被害者が守られる環境を必死に作ろうとは奮闘しているんです。昔とは違い現代は悪質化が進み、動画や写真を撮られ、一度のレイプではなく、そこから何度も何度も脅迫され呼び出され飽きるまで犯され飽きたら別の知り合いに貸し出されたりするんですよ。しかも、それは大人が加害者のケースだけでなく、下手をすれば加害者が学生のケースの方が複数で犯行に及んだりと悪質で多いかも知れません。その理由の一角が、『イジメ』の延長で行われるからです。首謀者が女子生徒の場合、恥ずかしい事や裸を強制して、写真や動画などを撮影した上で反抗出来ないようにして、知り合いの男子生徒達に好きに性処理をさせて、またそれを撮影、そしてその男子生徒達からまた知り合いの男子生徒達にと無限ループ地獄です。ニュースなどには生徒が自殺後に八角と一握りしか世の中に報道されませんが、実際は、低年齢化も進み早ければ小学5年制でそうした被害に合っているケースもあるんですよ。運良く、加害者が飽きて解放された場合であっても、加害者の手元には動画や写真などのデータはあるわけで、被害者の傷も癒え始めて、数年後に結婚や恋人との幸せな生活を送っていても、偶然にも加害者や、主犯とは直接関係はないが紹介されて性行為をした事のある相手に見かけられたりすれば、相手の行動一つでまた地獄の始まりです。本当に娘さんや奥様を守りたいなら告訴して刑務所に何度でもぶちこむのが正解ですよ!それと、話の中で、動画や写真のデーターを加害者が持っていると言うことは、それこそ、裁判で被害者が傷つくかもと言う確率よりも怖い、データーをネットに晒されてしまう方が一生の傷になるので、被害届は迅速に提出し加害者より先に動きデーターを押収する事が大切なんです。分かってくれましたか?」

「すみません。長々と関係の無い話をしてしまって…ただ、どうもそちらの家族の方々は性加害を軽視しているような印象を受けた物でして、現実の一部でも知っておいて欲しくてつい…でも、権力がある様なのでお節介でしたかね?あれ?どうしました、さっきは凄い剣幕で私に色々とおっしゃっていたのに…。何も話したくないなら仕方がないですね、それでは次に…」

「陸上競技をしている君、君も人ごとではないんだよ?確か君も私に…」

「私には陸上しかないんです…将来も期待されてスカウトもされて…毎日毎日、家では自主トレメニューをこなして頑張ってるんです…もし、これ以上この事が大きくなって、私だって完全に特定されたら…私には何も無くなっちゃうんです…お願いします謝りますから許して下さい…私から陸上を取り上げないで下さい…」

「とか言っていたね。君は何の為に謝るのかな?私には、陸上競技を続けたいから謝るとしか思えないんだがね。何の為の謝罪なのか?何に対して誰に対しての謝罪なのか分からないまま謝って、本当に許して貰えると考えているなら、頭の中身まで筋肉なのかもね」

「それと、ご両親である貴方達も同じです。訪問されてから、彼女と一緒にただ黙って頭を下げるだけ、自分たちの娘が起こした事なのに、まるで他人事のようですよね?娘さんの言い分に苦言も呈せずによく居られますね?私なら本当に反省し謝罪をさせる気があるなら、この場で叱りつけますけどね」

「他人事ならそれで構いませんが、しっかりと責任は取って頂きます。陸上競技をしている君には、書き込みや息子への暴言を悪意を持って明確にし、付き合っている男女を別れさせる工作にまで関与している訳だからね、君にもしっかりとさっきの彼女程ではなくても、法的な処罰を受けて貰う事になると思うから。」

「ご両親ですが、勿論、彼女は未成年ですので、慰謝料が生じた場合の支払いをお願いします。」

「ちょっちょっちょっ、ちょっと待って下さい。うちの娘が本当に申し訳ありません。息子さんにご迷惑を掛けたみたいで…私達から二度と同じ様な事を繰り返させないように、今以上に娘の管理を徹底しますので…本当に許して下さい…慰謝料なんて払えないんです…娘の英才教育に注ぎ込んでしまって…」

「やっと、口を開いたと思ったら、娘さんと同じですか?最後の部分があなたたちにとっての重要な部分で、後はそれを誤魔化す為の付属品でしかないのが直ぐに分かりますよ。これ以上何を言われても、私達のする事は変わりません」

私達の視線の先では、彼の父親の追撃に、彼女達二人の両親達は、何かを言い返そうにも言葉が見つからないらしく、悔しそうにただ首を垂れるしかなかったようだ…彼の父親の言葉や態度は弁護士らしく毅然として冷静に見えるが、冷たく氷のような怒りが言葉の全てから滲んでいて残酷に追い詰める姿に私は怖くてたまらなかった…

 そして、私の目には彼女達二人が、お母さんに叱られていた時の自分を映した鏡の様に感じ、自らの醜さに初めて嫌悪感を覚え、胃が急激に熱くなり、吐き出しそうになるのを必死に堪えていたのを良く覚えている…。この時の私に、次々に突き付けられていく現実は愚かな私への天罰だったのだろう。そして、全て自ら招いた必然以外の何者でもなかったんだと今の私は、はっきりと言える。

他者を貶め死にたいと思うまで追い込んでいても、何処までも自己中心的で、自分の保身しか考えられない醜い存在……、彼女達も今の私の様に、地獄の業火に焼かれるような後悔の日々を送っているのだろうか…それとも奈落よりも深い底に堕ちて、まだ何も気付かずにさらなる破滅へと向かい続けているのだろうか…、今は、部屋から出られなくなってしまった私には知るよしもない…

私達はまだ、あの場に足を踏み入れる事が出来ずに、彼女達家族と彼の家族の修羅場を見ている事しか出来なかった…。ただ、その中でも旧家のお嬢様の家族だけは他の二人の家族とは何か違い、私達がここに到着してから一度も口を開いた場面をまだ見ていない。違和感と言うのか何故か旧家のお嬢様のご両親は、母と同じ覚悟を持っているように感じた…。ただ娘はと言うと、両親とは違い、心底一切自分には否が無いと思っているのが立ち姿からでも感じ取れる程彼女は異質だった…。そんな事を考えている間に、残りの二人が俯く両親達を尻目に、彼の父親に詰め寄り往生際悪く抗議をしていた…

「あぁぁ…超ウザっ!謝ってるのにさっきからマジ有り得ないんですけど?普通さ、女の子が泣いて謝ったら許すのが普通でしょ?オジサン達、心狭すぎ…だから、息子もなんか陰湿っぽい奴だったもんねぇ?そう思うっしょ?」

「そうそう、私もそう思う…だからさ、アスカちゃんにポイッされちゃったんだよぉ。だってさ、何もしてこないでジトーって見られてるだけなんてキモイよぉそれならHな事してくれた方が恋人らしいでしょ?…それにオジサン達、私達がこれだけ一生懸命謝ってるんだよぉ?大人ならさ、私達子供の将来を考えて大切にしなきゃ駄目なんだよぉ?」

「君達は、本気でそんな事を言っているのかい?君達のご両親も大概だったけど、さすが子供までここまで酷いとはね…あまりの事で呆れて言葉を無くしそうだよ…」

『二人は、「謝っている』を強調しているけど、あの謝罪の何処に反省があるのかな?君達は、ただただ今有る物を失いたくないから『ごめんなさい』って言葉を使っているだけだよね?今も、平然と息を吐くように息子や私達を平気で侮辱する事を言えるんだもんね?言っておくけどね、そうした君達の無責任な言葉は、自分たちの首をどんどん締め上げて行くの分かってるかな?」

」なら君達に聞くけどさ、息子に対してどう反省しているの?どんな事について悪いと思っているの?」

「マジ、ムカツクんですけど?アスカちゃんが言ってたけど、親も超ウザいんだ!細かいことネチネチ聞いてきてさ、親子揃って粘着質じゃん…」

「そうだねぇ、私達は、ごめんなさいって何度も言ってるしねぇ?それ以上色々聞かれても困るよねぇ?」

「本当に君達は、成績が優秀か疑うレベルだね。まるで幼稚園に上がり立ての幼児と話しているようだよ。なら、幼児にでも分かるように噛み砕いて教えてあげないとね?私が言っているのはね、君達が、読者モデルを続けて芸能界に入るのを諦めたくないから、陸上を続けて成績を残しプロのアスリートとして世界で活躍する一流選手の道を潰されたくないからと、そんな理由だけで謝る事が本当に反省している事にはならないと言っているんだよ…。そんな謝罪をされて許す人間なんてこの世界の何処を探してもいないだろうね。相手を不快にさせる謝罪ははっきり言って意味を持たないんだ。分かるかいこれで?」

「それに、君達は『夢』としつこい程に言うけど、息子は死んでいたら『夢』を見る事も叶える事もできなかったんだよ?そして、息子を死に追いやる原因になった君達は、『人殺し』となって「夢』なんて言っていられなくなるね…ハァ、何処まで精神が歪んでいるんだろうね?君達は表情に考えがすぐに出るみたいだ。今、言葉には出さなかったけど「知らないし」「勝手に自殺してるのに人殺しとか訳分かんない」と考えていたんじゃない?他人事みたいにさ…そんな人間が厳しい業界で成功すると思っているのかな?その前に業界に入れると思っているなら笑ってしまうよ本当に」

「まず、二人とも、中学生の内から、複数の男性と肉体関係を持っていて、飲酒もしている…もうこの時点でその夢は叶わないだろうね。芸能人としてもプロの女性アスリートとしても失格だ…スキャンダルの塊だしね。」

「ねぇ!オッサンの癖に煽りですか?弁護士の癖に、私やこの子が業界にも入れないとか何様?そんなのバレなきゃ問題ないんだし?関係持った男には、絶対流出するなって言ってあるし、それ守れたら有名になってもヤラセてあげるからって言えば大概私の言うこと聞くから問題ないし!」

「そうだそうだ!私なんて中1で日本新記録出したり、出る大会全~部、個人優勝でしょ、陸上部を上位に引き上げてあげたりもして私が辞めちゃったら皆困るだろうなぁ?それに、その子も、凄いんだからねぇ、超人気だし、配信で一言何か言えば、小中学生中心に、大人まで、それが流行するんだよぉ。オジサンなんて、一言でも話題に出たらどうなっちゃうのかなぁ?そうだそうだ!男なんてチョロイし、ピル飲んでるから陸上には影響ないし!」

彼女達は、彼の父親の言うように、愚かな発言をし続けて、絞首刑台の縄がゆっくりと首に喰い込んでいるのにも気付いていなかった…そのちっぽけな踏み台が崩れた時、刑は執行され、絶望に叩き落とされるとも知らずに…

「そうですか…君達、さっきからの言葉には責任を持って貰いますよ。後になり、そんなつもりで言ったわけじゃないは通用しませんからね…。確かに今私は、君達から悪意を感じたし、心の底から反省の欠片もないと言うのも伝わりましたよ…。プライドだけが肥大し、周りがちやほやした結果がこれですか?君達がそこまで言うなら、現実を知りなさい。」

そう言うと、彼の父親は周囲をキョロキョロとした後に、一言口を開き…

「今ここに居る報道陣の方で、会話を拾えたマスコミも有りますね?近くで取材をしている別のマスコミの方にその内容を伝えて貰えませんか?それで、芸能界とスポーツ界に深い繋がりがある人が報道陣の皆さんの中に居たらご協力をお願いしたいのですが?勿論、そのやり取りも記事にしたいのであれば、構いませんので」

この呼びかけから少しすると、カメラマンを引き連れて計4人の人物がどこからともなく現れ、彼の父親の元へ近づいて行った…

「ご協力有り難うございます。こちらの無理なお願いを聞いて頂いて。先程言った通り、記事や放送をして構いませんので。私達のやり取りはお聞きになったと思いますが、どうやら彼女達は、私の言葉に一切耳を傾けるつもりはないらしく、自分達が将来成功すると思い込んでいるようなんですが、業界と繋がりが深く、芸能人やスポーツ選手の実力を見極める目の確かな人に現実を教えられれば、彼女達も納得が行くと思うんです。取材のために私や元妻に、忖度する必要はありません。報道陣としての誇りを持って正直に答えてかまいませんので…それで、貴方達が、金の卵だと判断するのであれば、私は素直に謝罪し、記者さん達の眼力を信じて結果を受け入れる覚悟はできていますので宜しくお願いします…」

「初めての経験ですよ。取材対象の方に、これ程まで紳士に対応された上に、信じるとまで言われて、頭まで下げられたのは…私達も、そこまでされたらしっかりと応えないといけませんね。忖度無しで話させて貰います」

そう言って、貴社は各々彼女達に向き合い話し始めた…

「まずは、俺から話をさせて貰う…俺は○○TVのプロデューサーをさせて貰っている者だ、会話については聞いていた、君は、JSとJCに人気のあのファッション雑誌の読者モデルをしているんだよな?しかも専属で。」

「確かに、JCの今の時点であれば人気の出る容姿だ。それは認めるよ。だが、そこまでだ。JKになれば、JC時代で目立たなかった原石が光り始めたりもする、そうすれば今の倍の競争率の中君は戦わなきゃいけない、だが、君程度は、掃いて捨てるほど居るんだ。容姿で全てが決まる訳じゃない、君より容姿が劣っていても輝く何かや、人としての魅力で芸能界入りし、努力し開花する子だっているんだ。」

「それに比べて、君は容姿だけ、その容姿も芸能界からすれば、オーディションに参加しても最終選考までは残れないレベルだ…。中身が空で魅力を一切感じさせないんだよ君は!月城さんの言っているように、ただ、プライドが肥大して、高慢な態度、他者に対してリスペクトもない、自己中心的で、その癖あざとく男を利用する外見だけの中身は醜い女、誰がそんな人間と事務所が契約したいと思う?」

「それだけでも、充分トラブるメーカーになり得るのに、さらに、JCで複数と淫行するような緩さに飲酒までだ、スキャンダルだらけで芸能界入りなんて絶望的に無理だよ君は。」

「どうしても、その自尊心を満たしたいのであれば、AV業界にでも行くんだね。ただ、まともなプロダクション事務所は、芸能界と同じ理由で契約は絶望的だろうけどね。反社の隠れ蓑や、インディーズの何でも有りの事務所がワンチャンあるんじゃないか?俺からは、これ以上言う事はない。」


「そうだ、一つアドバイスだが、いくら人気でまともなファッション雑誌でも、相手は人間だ、編集やカメラマン、アシスタント全てがまともとは限らない…スタッフやカメラマンの中には、君の様な芸能界に憧れる、JCやJSを甘やかしちやほやして、調子に乗らせて、芸能界デビューと言う甘い餌をタイミング良く目の前にぶらさげて喰い物にする。変態マニアに枕営業、裏ルートで児童ポルノデビューさせ賞味期限切れはそのままAVデビューさせ、人気が出なければ系列の風俗堕ちさせ骨までしゃぶりつくす輩もいるから気をつけるんだな?君のような子は、もしかしたらもう遅いかも知れないが、君の周辺を探ったら面白い特ダネが転がっていそうだ。枕営業とかね…」

現実を突きつけられた彼女は、口を鯉のようにパクパクさせながら、その場にへたり込み、虚ろな目で天を見上げながら放心状態になってしまっていた…

「じゃあ、次は僕の番だね。初めまして、○○スポーツの記者をさせて貰っている者です。初めましてとは言ったんだけどね、実は、君が中学一年生の大会で日本新記録を出した時に取材をしていたから、僕は君の事は知ってはいるんだけどね。あの大会は凄かったね、解説に来ていた現役アスリートすら唸らせていたからね。取材の時に、興奮しながら僕に話していたよ…」

「それにしても、君雰囲気変わったね?中学二年の大会は、優勝は続けてるものの、引かれる部分や、成長が全く見られない。その代わり、君の記録を書き換えてやろうと、他の選手はどんどん成長している。」

「それに、競技をしている姿に目が引きつけられてしまう魅力のある子なんかも、ちらほら出始めている。さっき、プロデューサーの人も話していたけど、そうした魅力のある子は、内面もキレイな子が多いんだよね…人の才能を妬むのではなく、リスペクトして追いつけ追い越せを目標に頑張っていたり、他人の勝利を素直に喜べたりもするんだよ。」

「ん?本当だ、月城さんの言う通りだ、思った事が顔に本当に出たよ。「勝てなきゃ意味が無い」「才能には努力したって性格が良くたって勝てないんだから何の意味があるの?他人に負けてヘラヘラ出来るのも馬鹿みたい」って思ったね?君は、才能に溺れて他人を見下して蹴落とす事しか考えられない人間になったみたいだ。一年生の時は、純粋に勝ち負け関係なく楽しそうにしていたのに…。君はプロになる資格すら失ったようだね。」

「何故なら、スポーツマンに大切な、相手を称える気持ちがないんだから。君は、負けた選手が、素直に負けを認めて他者の勝利を喜んでいるからと言って、その選手が本気で悔しくないとでも思ってるのかい?そんな訳はないだろ!悔しくて悔しくて堪らないだろうさ、でも、全力を出して負けたんだ、プロなら、勝った相手は自分と何が違うのか?自分には何が足りないのか?相手に敬意を持ちながら必死になって研究して探すんだよ…分かるかい?今の君には一生掛かっても手に入れられない物さ。」

「それに、女性アスリートとしても失格だよ、複数の男性と淫行をして『ピルを飲んでいるから大丈夫』だって?プロを舐めるのもいい加減にして欲しいね。プロの体調管理はそんな、生優しいものじゃないんだよ!特に、世界レベルは!君も、そんなにsexをスポーツみたいに楽しみたいなら、AVにでも出演したらどうだい?最近は、学生時代の功績を餌に、筋肉スポーツ少女枠もあるみたいだからさ…そっちの業界なら少しは活躍できるかもね。あそこでへたり込んでいる彼女とはsexを一緒に楽しむ程仲が良いみたいだし、二人でどうだい?」

「僕の方から、陸上競技会の会長等には話をするつもりだ、君の様な乱れた空気を引き込み、頑張っている他の選手に伝染でもして原石や努力で這い上がって来た子達の夢を奪う事態にはしたくないから。僕からも以上だ」

彼女は、記者の言葉で力なく地面にへたり込み、子供の様に地べたを叩きながらみっともなく泣き喚いていた…

「君達、分かったかいこれが現実なんだよ。そして君達は夢が無くなってしまっただけでなく、法律による罰を受けそれでも、その後の人生を生きて行かなくてはいけないんだ。同情を私は一切する気はない!私達と息子をあそこまで貶めたんだからね。もう君達や君達の家族とは話すつもりはない。分かったね?」

それから、彼の父親は、報道陣と言葉を交わし、壊れた人形の様になった彼女達には一瞥もくれずにその場を後にして、最後まで口を開かなかった、旧家のお嬢様の家族の元に足を運んで行った…

彼の父親が、彼女の家族の前へと来た時、今まで事の成り行きを黙って見ていた彼女の両親が、初めて口を開いた…

「ご挨拶が遅れ、申し訳ありません。まずは、我が家の娘が月城さんのご子息に対して卑劣な事をしご迷惑をおかけして本当に申し訳ございませんでした…この様な言葉や、我々夫婦の頭を二つ下げた所で、一歩間違えれば…否…ご子息は明確に命を断とうとしていたのですから…この程度の謝罪で償える事ではないと重々承知の上で、失礼ながら頭を下げさせて頂く事をお許し下さい。」

彼の父親は、その両親の態度に驚いていた…

「申し訳ございません、驚かせてしまったようですね。あの様な二組の家族の後では、驚かれて警戒なされても仕方がない事ですから。実は、貴方の後ろにいらっしゃる元奥様を、私どもは何度かお見かけしていまして。奥様は、覚えてはいらっしゃらないと思いますが、企業の集まるパーティーでご挨拶をさせて頂いた事がありまして。お久しぶりです奥様…奥様にも、辛い思いをさせてしまい本当に心からお詫びさせて頂きます…」

と再び、彼女の両親は、彼の父親の後ろでずっと怒りに震えるのを我慢しながら立っていた母親へ向けて、深く頭を下げていた…

この時確か私は、彼女の両親が母と同じ様な空気を纏っていた意味を理解して、彼への罪に対して本気で向き合っているのは母だけじゃないんだと驚いた事をよく覚えている…

彼の両親は、そんな彼女の両親の誠意を受けて、彼女達の時とは違って少しだけ穏やかな口調で話し始めていた…

「そうでしたか、まずは頭を上げて下さい。そこまで承知した上で頭を下げられる方が居て少し安心しました。貴方達とは、まともにお話ができそうですし。ただ、娘さんは、違うようですね」

「はい、情けない事に、この愚者は、私達が何を言おうが理解出来ない様で、あそこの愚か者共と同じでして…やはりプライドや立場の優位と言う部分だけが異常に肥大してしまい、ここに至っても微塵も何が悪いかを理解できていないのです…。」

「中学1年生の夏頃までは、他人を見下したり、自分の家の名前を自らの力と勘違いして権力を振りかざし鼻に掛ける様な愚か者ではなかったのですが…それが私たちも気付かない程少しずつ変わってしまった様で、本当にお恥ずかしい事でして…親として失格ですね……」

「私達夫婦にとって、娘は遅い授かり物でしたので、確かに親として他の家よりは甘やかしていた部分もあったのは事実です。ですが、我が家の誇りは厳しく教えたはずだったのですが…言い訳がましくなりすみません…」

「いいえ、構いません、貴方達二人の話しは、聞かせて頂きますので。失礼ですが、我が家の『誇り』と言うのはどう言った事で?」

「はい、我が家は古くから続く名家になります。古く遡り、先祖は、士族だったそうです。そして、我が家の家訓は『我欲に溺れ、人を軽んじ、真を忘れるべからず。真なるは、人こそ宝』です。この教えは、権力や財力を持っていたとしても、己の力と勘違いし溺れ、傲慢になり他者を見下す人間にはなってはいけない、そして、大切なのは、一時の栄光にすり寄ってくる様な人間ではなく、何者であっても関係なく、間違っていれば正しき道を示せる様な人間こそが本当の財産であると言う意味でして、、我々の今があるのは、歴代当主がこの教えを守り脈々と受け継いできたからこそなんです。」

「勿論、この愚者の娘にもそれらを厳しく伝えて来たつもりでしたが…このざまです…。私達は、今日覚悟を持ってここに居ます。」

「それで覚悟とは?」

「月城さん夫妻には、ご迷惑でしかないと思いますが、私達は代々続く家や土地を手放し競売にかけるつもりです…。そして、当家の企業グループを、月城さんの傘下にお譲りしたいと考えています。勿論、私の会社もです…。競売で得た資金は、私達も生活があるのでアパートか安いマンションを探すための資金にはさせて頂きますが、大半は慰謝料として受け取って頂きたいと考えています。そして、会社やグループを譲りたい理由は、これからご子息の回復で大変になる奥様のお手伝いとして、仕事の面であれば、私でも何かのお役に立てるのではと考えたからです。どうでしょうか?」

「正直驚きました、急なお話ですし、そちらがおっしゃった様に貴方達にも生活があるじゃないですか?私達は、法に則りきちんと慰謝料を計算した上で請求するつもりなので、決めるのは法であって私や貴方達ではありませんし、それでは貰いすぎてしまいます。会社の話しにしても、元妻と話し合い、元妻も、会社役員とも相談をしなければ決められませんので、貴方達のお気持ちと覚悟は伝わりましたから、保留にさせて下さい。」

「申し訳ありません。こちらの都合を押しつけてしまう様な形になってしまい、どうも性格が少しせっかちな物でして。はいそれで構いませんので、一考の方宜しくお願いします。それとなんですが…この娘の処遇なんですが…」

「処遇ですか?」

「はい、我が家での処罰の話になります。実は、今回の件で言葉を尽くしてもこの通りです。娘は、廃嫡にし財産相続件の剥奪、親子の縁もこれで終わりです。ただ、義務教育の間はアルバイトも就職もできないので、直ぐに当家から放り出す事はできませんが、、卒業と同時に、追放の予定です。卒業までの時間を今までと同じ暮らしをさせては意味がないので、最低限の生活水準は守りますが、金銭援助の打ち切り、食事を食べさせる以外の身の回りの世話の取りやめ、習い事や学習塾なども一切辞めさせるつもりです。本人は、実の娘にそんな仕打ちをしないと高を括っているようですが、私は本気です。」

「私が言うのもおかしな話ですが、本当にそれで宜しいのですか?話し合いをもう少しして、理解させると言う道もあると思いますが。」

「お心遣いありがとうございます。しかし、他者を自殺にまで追い込んでも、このような有様です、全てを失い自らの愚かさを身に染みながら苦労の中罪を背負って一人で生きていく事が、この愚者への罰と考えていますので…。その中で腐るのも這い上がって罪と向き合い償いに生きる道を探し続けるのも、結局は、本人次第の心一つですから…」

その父親の言葉に、彼女は初めて口を開いた…」本気ですか?私はまだ未成年なのですよ?子供を育てる責任を放棄するなど、児童虐待ではないか!」

「お前は本当に見苦しい…、事ここに及んでも事故を正当化し、保身に走るか!都合良く未成年と大人を使いおって、お前の思い通りに何でもなると考えているその捻くれた思考、思い上がるのも甚だしい!」

「月城さんのご子息に対して、自分がどれ程の事をしたのかも微塵も考えないで、今もまだ傲慢な態度を取っていられぬのだから、我が家の名前や力など必要ないだろ。お前自身に影響力や力があるなら、廃嫡されても一人で生活する程度簡単だろ?今更、保身の為に取って付けた言葉を並べて許しを請うても、もう遅いと知れ!」

「卒業までの間、金は大切にするんだな!随分と下らない男と肉欲を貪る為に貯金を崩しているようだが、子供の癖に馬鹿が!何も考えずに平気でそんな事をする者を、大人などとは言わん事も分からない愚か者が。とにかく、お前の通帳に残った金は、選別でくれてやる、卒業後の住む場所を借りる金は自分でだすのだから考えて何とかするんだな。無論、お前が妊娠したとしても、同意書にはサインはするが、堕胎費用はお前自身で支払う覚悟だけはしておけ…」

「な、何故…私がそんな目に合わなくてはいけないのだ…私は、あの男がどうなろうと興味がなかったし、あの女が勝手にどんな選択をして裏切ろうが興味がなかった…私は、ただ彼の役に立てればそれで良かった…あの人は私に、「君は、あの二人とは違い生まれながらの本物の上級国民だ。国にも君の家は影響を持つ…そんな、天の上の様な存在の家の次期党首の君には、下級国民を好きにできる権利があるのだから何も気にする必要は無い、歩くときに、蟻を一匹も踏まないように歩くか?鬱陶しい蚊や羽虫が居たら薬を撒いたりするだろ?…そうさ、俺達の気分一つで好きにしていいんだぞ、なぁこれが、俺達に与えられた特権だ…楽しまないでどうする?」っと彼は言ってたのだ…私と彼は間違ってはいないはずなのに何故だ…」

「馬鹿者が、幼き頃から、家訓だけは厳しく教えてきたのにも関わらず、たかが男に誑かされ溺れて簡単に芯を歪ませおって情けない…そんな自身を嘆いた所で今のお前には誰も手を差し伸べんわ!今のお前に優しく近寄ってくる者など、良いところ、お前の身体目的か利用して骨までしゃぶり尽くそうとする悪党くらいだろう!私達が決めた事は覆らんから覚悟をしておけ。まともな人間に戻りたい気持ちが少しでも残っているなら自らが犯した罪と向き合い、月城さんのご子息にどうしたら償えるのかを必死に探し続けて、苦しくても腐らずに生き抜き、いつか自らの答えを見つけ、初めてお前は、人生のリスタート地点に立てるのだ。よく心しておくんだな…これは、親として愚かな娘へ贈る最後の言葉だ…」

「そんな…どうやって私は生きて行けばいいのだ…私が間違っているとでも言うのか…、なら、私は、あの女と同じでただ大切な物を無駄に失っただけの愚か者と言う事ではないか…」

いつも凜としていた彼女は、地べたに座り込み俯き、迷子の子供の様に不安に押しつぶされオドオドとした姿に私には見えた…

「と言う事ですので、この娘への処罰は好きにして下さい。月城さん…」

「分かりました…。ねぇ?君は、人の人生を弄んだんだ分かるかい?君が、チヤホヤされたのは君に魅力や力があったんじゃない、君の家のご先祖様からご両親の代まで、人に信頼され積み上げてきた物に群がり甘い蜜を吸う為に近寄って来ていただけに過ぎないんだよわかるかい?君は全てを失った…これからは、君自身の人間性で生きていかなくてはいけない、君のご両親と共に私達も、君が腐ってしまうのか、這い上がって罪に向き合い生きて行く人生を送るのか、見守らして貰う…」

「君の場合は、三人の中で君が自ら話していたように、あまり息子達の事に関して興味はなかったのだよね?引き離す工作も、指示された以上の事には関わらずに友人の振りだけをしていたようだし、書き込みや拡散などは残りの二人が率先して面白がって動いていたようだしね。息子に対する侮辱も周囲が騒いだ時に、賑やかし程度の発言のようで少なかったみたいだね…君に関しては、侮辱罪でも適応は難しいだろう、だからと言って罪が無いわけじゃないんだ、無関心とは言え他社を明確に追い込んだ事実は消えないんだから。君への罰は、ご両親が下した事で、私たちは納得せざる得ないかも知れない…だが、精神的苦痛などの慰謝料請求などはさせて貰うからね?…君は、ご両親に最後のチャンスを与えられたんだ、こんな事になっても、君はご両親に愛されていると言うことをきちんと考え気付くべきだ。願わくば、ご両親や私達のこの最後の会話をきちんと理解できる事を祈っているよ」

そう彼の父親は締めくくり、彼女のご両親と最後に挨拶を交わし、彼女達へと声を掛けた…

そして、彼女達全員は結局何も出来ず、何かを進展させる事無く、各々の家路へと帰るしかなかった…そして…彼のご両親は振り向き、私達へと声を掛けた…

「瞳さん、いらっしゃって居たのは知っていたんですが、あの状況ではこちらに来ずらかったですよね?どうぞ、家の中でゆっくりとお話をしましょう」

私達は頷く事しか出来ずに彼のご両親の後を歩いて行くしかなかった…彼の母親の私を見る目は凍て付いていて、私の心臓は彼の母親の手で鷲づかみにされているようで、今にも握りつぶされそうな程に、苦しくて堪らなかった…

私達は、彼の両親に連れられリビングへと通された…懐かしい彼の家のリビング…母が残業で遅い日、彼と彼の母親と私の三人で、この目の前にあるテーブルを囲み、暖かな団欒があった…母が残業でも、私は一度も寂しい思いをしてこなかった…だってここに家族の温かさが確かにあったから…でも、私が自らそれを壊した…今ここにあるのは、冷め切った空気だけ…私は今、絞首刑台の上で合図を待つ在任のような存在…沈黙が重くのしかかる中、最初に口を開いたのは、私の母だった…

「すぐに謝罪に迎えずに本当に申し訳ございませんでした…今までの長年に渡る月城さんの恩に対して、この娘が、後ろ足で砂を掛ける様な真似をした上に、大切な息子さんを自殺にまで追い込む事をしでかし、償い切れない罪を犯した事、母親として本当に申し訳ありませんでした…。私は、もしお二人のお許しがあるなら、生涯を掛けて、彼の回復の為のお手伝いをさせて頂きたいと思っています…図々しいのは重々理解しています…仕事で忙しいときなどでも構いません、お二人の負担を軽くする為にも、私にも背負わせては頂けないでしょうか?お願いします…私にとっても、彼はもう大切な人間の一人なんです…こんな30過ぎの女に付き添われても、皆さんのご迷惑でしかないのも分かっています…でも、彼が、前の様に笑え、心が癒え新しい人生や新しい恋に踏み出すまででも構いませんから、どうかお願いします…彼を救えず、この淫乱女を止められなかった私にチャンスを下さい…」

母は、椅子から立ち上がり、必死にその場で涙を流しながら土下座をしていた…

そして、口を開いたのは、彼の母親だった…

「瞳さん、まずは頭を挙げて下さい…。ここは、付き合いの長い私がはなすけどいいわね?貴方?」

と、彼の父親に一言告げると、彼の父親は黙って頷いた…

「まずは、椅子に座って下さい…申し出は分かりました。ただ、すぐには返事を決める事はできません。それで構いませんか?」

「娘さんを見ると、かなりキツく叱った様ですが。貴方が心の底から、生涯を息子に捧げても構わないと言う強い意志は伝わってきましたから…。」

「貴方も、元旦那さんの浮気で離婚する事になり、一人で頑張って来たんですものね…私とは離婚の理由は違いますが、互いに女性一人で子供を育てて行く苛酷さは理解出来ているつもりです…その分娘さんが行った行為が親としては勿論ですが、女性として強い嫌悪感を持ち許せなかったんでしょうね。私も、それは同じ気持ちです…あの先程の彼女達を見ていて、何度も理性が飛んでしまいそうになり、憎しみを押さえるのがどれだけ大変だった事か…申し訳ありませんがそれは、瞳さんの娘さんに対しても同じなのは許して下さい。貴方が、私の代わりにあそこまでのケジメを付けてくれたので、まだ少しは冷静で居られそうですが…」

「そんな当然です…。許して下さいなんて言わないで下さい…この娘に関しては月城さんの好きにして頂いてかまいませんから…殴ろうが、辱めようが気の済むようにして下さい…」

「では、まずはお話しましょうか?アスカさん…」

彼の母親は、昔のように自分の娘の名前を温かく呼ぶ様に「アスカちゃん」と呼んではくれず、ただただ本当に冷たく機械的に私の名前を呼んでいるのが本当に辛くて怖くて、今更ながら自分の愚かさを後悔した…

「貴方はね、女性としてだけでなく、人としても超えてはいけない一線を越えたのよ…分かるかしら?まだ、これは私達二人しか知らない事だけど、息子は目を覚まさないの…脳に異常がある訳でもないのにね…医師の話では、、精神的なものが原因で、心が現実に戻りたくなくて眠りから覚めないんじゃないかって言われたわ…。怪我は片腕の骨折だけで済んだって言うのにね…。ねぇ?私貴方が、あの日息子に何を言ったのか全て知っているのよ。何故、あんな酷いことが言えたのかしら?お母さんは知っているのかしら?」

私は、彼の母親の問い掛けに息が詰まり応えられず必死に何かを言わなくてはと焦っていると、母がそんな私を無視して、先に口を開いた…

「はい、娘に全て吐かせ私も全てを知りました…その事だけではなく全てを…だから余計に私は、この娘が許せなくて、ここまでの酷い体罰を与えないと私自身の手で我が子を殺してしまいそうで…今も、私の血が流れているこの女が、息子さんに平然と酷いことをして、私や月城さん達を騙しのうのうと学校生活やsexを楽しんでいたと考えるだけで、私自身も汚らわしい存在に思えて頭がおかしくなりそうなんです…」

「そうですか…お母さん私にも、そのお話を教えて頂けませんか?私も話を聞いて貴方とその苦しみを分かち合いたいの、お願い…あまり自分を責めすぎないで…」

彼の母親は、母から話を聞き全てを知ってしまった…母は泣きながら何度も謝りながら話を続け、最後には彼の名前を呼びながら号泣し謝り続けていた…対照的に、彼の母親は黙ってそれを聞き続け、話を聞き終わると無表情で私に向かって一言

「最低…汚い公衆便器ね…汚らわしい」

そう私に吐き捨てた…その言葉の刃物は私のひび割れた心をさらに抉った…

「ごめんなさい…ごめんなさい…最初はそんなつもりじゃなかったんです…皆に言われて、男女として一歩彼との関係を勧めたかっただけなんです。ごめんなさい…ごめんなさい」

必死に私は、謝る事しかできなかった…

「それがどうしたのかしら?貴方達二人が男女として関係を勧めるのに他人は関係ないわよね?二人のタイミングで進んで行くのが自然なんじゃないかしら。貴方、それと分かっているの?貴方達はまだ中学生なのよ?思春期で興味を持つのは分かるわよ、でもゆっくりと時間を掛け息子と貴方が色々考えてきちんと避妊した上での事なら、中学生でそうした関係になったとしても、私も貴方のお母さんも、心配もあるけど温かく見守ったでしょうね。他人がsexをしているからどうしたの?貴方達は貴方達でしょ!そんな下らない理由でsexはするものではないと思うけど…。経験を積んだ大人じゃないのよ?責任も取れない子供のする事ではないの…」

「それとね、私の息子は、『インポ野郎』じゃないわよ!私や貴方のお母さんに心配を掛けないように、ただゆっくりと関係を進めようとしていた優しい男よ!思春期の男子なんだから興味がないわけないでしょ。結局は、周りが初体験を済ましているから焦ってたんでしょ?貴方の自己満で処女を捨ててsexしたかっただけのビッチなのよ貴方は!貴方は、私の息子を侮蔑出来るくらいに床上手なのかしらね?アンタこそ、大根でも突っ込んで一人でアヘッて自家発電でもしていなさい!この緩股びっち!」

彼の母親は強く拳を握り締めながら私にそう言った…今も、あの時の彼の母親の顔が忘れられずに夢に出てきて、その度に目が覚めて眠れなくなってしまう…でもこれは私が一生背負わなくてはいけない罰…後悔しようが私は彼を貶めた酷い言葉を吐いた事実は消えないから…

私はとにかく言葉が出てこなかった…出てくる言葉は「ごめんなさい」ばかり、どうしていいか分からなくなったその時、私は無意識に…

「ごめんなさい…ごめんなさい…もう一度チャンスを下さい…ちゃんと変わってみせますから…彼を私にも支えさせて下さい…彼とsexする関係になれなくても構いません…奴隷でも構いませんからお願いします…本当に生まれ変わります…だからごめんなさい…ごめんなさい」

その言葉がリビングに響いた瞬間…

「ふざけるな…チャンスなんてもう二度とないのよ。その汚い心と身体で二度と私の息子に関わらないで!貴方の母親の方が、貴方の何十倍も、こうして見ていると彼女の様に息子を大切に想ってくれている様に見えるわよ?他の男に簡単に股を開いただけでなく、色んな男を銜え込んで、私の息子に、sexしながら電話を掛けて馬鹿にするような汚物を誰が好き好んで許すって言うの?それにね、そんな事を続けていて、性病や妊娠の可能性を全く考えてすらないから、そんなお花畑なセリフが出てくるのね…呆れるわ…自分の罪悪感を軽くしたいだけなのが見え透いて不愉快だわ!sexする関係にならなくてもいいですって?自分は今日までたっぷりと楽しんだものね、息子はもし目を覚ましたとしても、人間不信や女性恐怖症、男性は精神的に強いショックを受けると、インポになる可能性があるの、それを考えたら息子の10代と言う輝いた時間の中での恋愛は絶望的なのよ!下手をすれば20代でも無理かも知れない…分かるかしら?貴方に。年齢が上がれば上がる程、肉体関係抜きの恋愛は難しくなっていくのよ、いくら相手に理解があったとしても、性欲はなくなる訳ではないの、その時に、貴方のように、浮気をされたら二度と息子は立ち直れなくなる…そんな不安定な可能性を私達家族は今背負っているのよ!」

 その話を聞いていた母は、気持ちが決壊したのか、彼の母親の脚に縋り付きながら「月城さん…本当にごめんなさい…さっきも言いましたが生涯を賭けて彼が元に戻れるように支えるお手伝いをさせて下さい…彼がインポになったらこんなおばさんの身体で良ければ性処理にでも練習台にでも遣って構いませんから…私の身体も彼に生涯捧げても後悔はありません。本当にみなさんを苦しめてしまいごめんなさい…」と泣きながら懇願していた…

その言葉の現実に私は恐怖した…それまでは、ただsexは気持ちよくて楽しかっただけだったものが、怖くて気持ち悪くて、みんなに汚いと言われる言葉の意味がどんどんと私の中で大きく膨らんで急激な嘔吐感がこみ上げてきた…

「悪いけど、そんな所で吐かないでね。貴方の吐瀉物なんて見たくもないし、片付けたくもないから。本当に驚かされてばかりだわ、汚物の癖に汚物を吐くなんて。それに、息子を貶めた男達の精子の混じった吐瀉物なんでしょうね。それとも、吐瀉物自体全部男の精液だったりして?喜んで飲んでいたらしいじゃない。吐きたいなら外に出て吐きなさい!この家では絶対に許しません」

私は、必死に嘔吐を堪え、彼の家から外に出て、一気に胃の中の物をぶちまけた…吐いても吐いても吐き気が止まらず、自分の身体が生ゴミの様に汚らしく感じ、嫌悪感までが治まらなくなってきてしまった。私は、顔を涙と鼻水でグチャグチャにしながらも、どうにか立ち上がり、フラフラとした足取りで彼の家の中へ戻って行った…

私が戻ると、リビングでは、母と彼の両親が話していて、どうやら私の今後の事などを母は伝えていたようだった…

私が、席に座ると、タイミングを見計らっていたのか彼の母親が…

「やっと戻って来たわね。本当に貴方はどうしようもないわ。顔面蒼白にして嘔吐までして、今更怖くなったのかしら?貴方が好きで複数の男達と楽しんでいたんでしょ?他人の性癖や性的思考に私は口出しもしなければ、否定もしないわよ?ただ、それは、恋人や夫婦間で話し合い理解を得て楽しむ範囲だったらの話…貴方は、浮気相手の性的思考を受け入れ楽しんだのだから、今更、私は、反省して後悔しているから辛いんですみたいな、悲劇のヒロインムーブを醸し出すのは止めてくれない?見ていて不快だから…」

「例えば、身体は今の医療技術なら、処女膜再生手術で元には戻るけど、それは結局形を取り繕っただけ、形を整えても、染みついた複数の男の精液も身体が覚えた快楽もリセットされる訳じゃない、純粋な感動や幸せまでは感じる事は無理でしょうね。私はね、結婚をするまでは貞操を守りなさいなんて、昭和初期以前みたいな考えを貴方達にしろと言っている訳じゃないの、結局、誰でもいいからと軽く扱うのか、本当に好きで心から初めてはこの人と決め扱うかの話なの、貴方はどっちだったのかしらね?よく考えてみなさい…。それと貴方のお母さんの覚悟を聞いたでしょ?私達みたいな30半ばを超えたおばさんが、息子程の男性の性処理や練習台に遣って下さいなんて言わなくてはいけないこの状況を作ったのは貴方なのよ!その言葉の重みもしっかりと噛み締めて考えなさい」

「話は変わるけど、貴方は旧家の彼女とは違ってお母さんに完全に見限られてしまったのね、同情はしないわよ?旧家の彼女はね、貴方と同じ様に縁を切られたけど、その真意は、間違いに気づき成長できるのかを彼女に最後のチャンスとご両親は与えたの…彼女がその愛情に気付いたかは分からないけどね。」

「貴方はどうするつもり?最後の拠り所を失って腐るのかしら?結局はね、旧家の彼女と似て非なる状況だけど、どんな場所だろうが、地獄だろうが心の持ち方一つで変わって行けると言う事だけは、覚えておきなさい。誰かの賞賛なんて期待しても無駄よ、誰も賞賛なんてしてくれないの、貴方は貴方自身の為にこれからも一人で選択を続けて生きて行かなくてはいけない、でも自らの手で平穏な日常や未来を壊したのは貴方なんだから背負うしかないのよ。」

「次は現実的な話よ。貴方にも法的責任を取って貰います。まずは、息子への侮辱罪と名誉毀損罪、精神的苦痛に対する慰謝料請求、今後の治療費の負担などの予定になるわ。、お母さんとの話合いの結果、まず、慰謝料などが発生した場合、最初にお母さんが立て替えて全額をとりあえず支払う方法には、今回はしないと言う事、支払いについては、貴方が中学卒業後から、何年・何十年かかろうと構わないわ、毎月金の納める額についてはいくらと決めないであげるから、アルバイトや仕事を探し、自分の手で稼いで少額でも必ず納める事。未納は絶対に許さないから覚えておきなさい。」

「えっえっ…無理です…私、お父さんの所に行かされて、どうなるか分からなくて…お母さん助けて下さい…おばさんもお願いします…お父さんの所から出て行けるまで待って貰えませんか…お願いします…」

「あのねぇ?貴方の事情は私達には関係ないの。本当に何も分かっていないのね…呆れるわ…」

「貴方はまだ、償いと言うスタート地点にすら立てていないの、話した条件を受け入れて、実行する所からが償いへの人生の再スタートなのよ?最初からスタート地点に立つのを諦めて、直ぐに私たちに泣きつくなんて、本気で悪いと思い反省しているなら、誰にも頼らずに貴方一人で努力しないと償いの意味はないの。」

「それに、貴方のお母さんは今まで女一人で家族を守る為に必死に頑張って来たのよ。そんな彼女から私はお金を取るつもりはありません。これから彼女は、母親としての責任を背負う事がなくなり、一人の独身女性としての人生が始まるの、私は友人として彼女に幸せになって欲しい、貴方の犯した事で、一時的にでも彼女のお金を受け取るなんて嫌なの、そのお金は色々な事を犠牲にして、大切な物の為に必死で稼いだお金なんだから、大切な物がなくなっても、頑張ってきた自分のこれからの為に遣って欲しいの…。だから本当は、息子に生涯を捧げるなんてさせたくないし、さっきみたいな事を考えて欲しくないのが本音なのよ…でもそれだと彼女は自分を責め続けて、いつか必ず壊れてしまう…女としての人生もまた諦めて…。貴方に私と彼女の苦悩が分かるかしら?」

私は、その言葉に何も言葉が出なくなった。私はまだ償う資格すらなくて、誰かを思いやるのではなく、まだ自分の事ばかり考えている自分に嫌気がさした。そして何処にももう救いの手はないんだと後悔に打ちひしがれていた…

「返事がないわね?これでも優しいのよ?支払い期限を定めず月々の返済額も設定がないなんて好条件、普通はないのだけど、無理だと言うなら、全額一喝でも私は構わないけど…どうするの?。最初の選択よ、貴方に本気で反省し償う気持ちがあるか覚悟を試されているの…いい加減甘ったれるのは辞めなさい…全てを捨てても得たかった快楽を手にする選択をしたのは自分でしょ?都合良く物語みたいにタイムリープして、過去に戻って強くてニューゲームなんてないの」

私はもう頷くしかなかった…言い返す事なんて出来るはずがない…何も間違っていないのだから。

「ごめんなさい…分かりました…」私の口からはその言葉を言うのが精一杯で、彼の母親は私の返事に頷き、母が落ち着くように話し掛け、泣きじゃくる身体を優しく抱きしめていた…

そんな時、彼の父親が話しも一段落したと感じTVの電源を入れると、私達全員の目に飛び込んで来たのは、驚きの映像だった…

それはTVの中で、滅多差しにされ血まみれで倒れている伊達先輩の姿と派手なギャル風のウチの学校の制服を着た女子生徒が、血濡れた刃物を振り回し騒然とする報道陣と警察に囲まれ、取り押さえられている映像が流れていた…生中継の途中だったらしく、映像はそのまま放送されてしまい、二人の顔や姿が生々しく映されている。現場は、彼の自宅前だった様で、検察の家宅捜査を中継する為に集まった報道陣の中、息子である伊達先輩を囲んで父親の件や今朝の件を取材している途中に、野次馬の中から報道陣に紛れて、女子生徒はいきなり襲いかかったらしい…そしてその場が騒然とする中、彼女は抵抗もむなしく取り押さえられたと言う説明が、リポーターによって伝えられていた…。画面の中では、取り押さえられた彼女を立たせようと警官が力を緩めた瞬間、彼女は奇声を上げ警官に体当たりをして拘束から抜け出すと、警官が体制を崩し落としてしまった刃物を拾い上げ、「アハハハハッ…私だけだって言ってたよね?貴方の為に全て捨てたって何度も言ったよね?お前だけだっていつもいつも言ってたから信じて、貴方の頼みを聞いて、友達達も大勢気持ちよくしてあげたのに酷いよね!小6の時からずっとだよ!なのに…なのに…あの写真は何なのよ!私と同じ学年の女達や、私の時と同じで小5のませガキとまで浮気して!でも、これで彼はもう浮気出来ない…小6の頃から、本来彼は私だけの物なの!見てるかしら泥棒猫達?ざまぁみろ!これで彼と私は永遠に一つ…アハハハハッ」と絶叫しながら自らの心臓に刃物を突き立てた…そして、一つの影は誰にも気付かれずに静かに野次馬の中から消えて行った…

TVの中の光景に、誰もが言葉を失いリビングは静寂に包まれていた…


5.砕けた砂時計


衝撃の映像から少しして、私達は彼の家を後にした…

沈黙が破られた時、彼の母親が呟いた言葉が今も耳に残って離れない…「お似合いの死に方だわ…地獄に堕ちろ…」そうボソッと静寂に包まれたリビングで憎しみを込めて呟いていた。私も彼の母親から見ればあの二人と同じ…、最後まで私に向ける視線は、嫌悪感に満ちて汚物を見る目に変わりはなかった…母は、彼の母親と話をして、かなり落ち着いたようで、帰り際には二人とも穏やかな表情で再会を約束して別れていた…彼の母親は憔悴した母を思いやり、友人と言い切りその姿と彼が重なって見えた…。落ち着きを取り戻した母は今私の前を歩いている。帰り道の中、昔を振り返り彼だけではなく色んな人達の優しさに守られていたから、独りぼっちにならず寂しさを感じないで毎日笑顔で幸せに過ごせていたんだと改めて実感した時、それらを自ら壊した愚かさと後悔、もう誰も守ってはくれないと言う恐怖が頭の中をループしていた…

そんな事を考えている内に、気付くとアパートに到着していて、フと見ると扉の前に一枚の封筒が落ちていて、母は、それを拾い上げ中身を確認すると、嫌悪感を露わにした表情でその封筒を私に押しつけた…

私は、その中身を見た瞬間、頭の中が真っ白になってしまった。封筒の中身は数枚の写真が入っていて、最初に目に飛び込んできた写真は、私が処女を捧げて楽しく解散した日の午後の日付と時間の物で、先輩達はギャル風の女子生徒数人と厭らしく身体を密着させながらラブホテルに入る瞬間を撮影した写真、他の写真は、2年前の日付の物で、早熟な小学生の女の子とsexを楽しんでいるハメ撮り写真、今年の日付で、写っていたのが私達が卒業した小学校の制服を着た発育の良いギャル予備軍風の集団と先輩達が戯れながらラブホテルに入る瞬間の写真で、リボンの色を見てJS5だと気付いた瞬間に嘔吐感に襲われた…勿論、写真の中には、夏休みの私達の姿を写した物も入っていた。

そして気付いてしまった…TVの中であの男を刺し自分にも刃物を突き立てた女性は言っていた、写真の事を…彼女は小六当時からあの男と関係を持っていたと…この2年前の写真とあの日の午後の写真に写る、あの男と一緒に居る女性だと。私は本当に馬鹿だ何人もいる性奴隷の一人なのに舞い上がって。そんなショックを受けている私に母は

「ねぇ?彼を裏切ってまで選んだ外見だけの男の何処が良かったの?彼を傷つけて処女まで差し出す程の価値ある魅力でもあったの。結局は、そこに写る小学生と同じで、外見と薄っぺらな言葉と年上だってだけで騙されて、のぼせ上がったまま股開いただけでしょ。情けない…小学生と同レベルのお花畑頭の上に同じ扱いまでされて…いつまでもそこに突っ立っていたら迷惑だから、さっさと入りな」そう冷たく言い放って先に部屋へ入ってしまった…

気持ちが悪い…また過去を後悔して考えてしまう…フラッシュバックに襲われ烈しい動悸が収まらない…次の日から私はどうしていたんだっけ?

そうだ思い出した…あれから、頑張って学校に行ったけど、耐えられなかった…陰口に蔑む視線…男子生徒達からは何度もレイプされそうにもなった…「直ぐに股を開く公衆便器なんだから、俺にも使わせてくれてもいいだろ」と言われて迫られたり、人気の無い場所に呼び出されたりする事が増えた…学校や近隣の中学の男子達の認識は噂によって、「sex狂いの公衆便器親子」…酷いときはアパートにまで来られて部屋の前で騒がれたりもした…

私のせいで、母も公衆便器シンママと噂され、身体で小遣い稼ぎしている、部屋は母娘のヤリ部屋だとか、3Pしたら、母親はババァだから中出しし放題と酷い噂が広がり、中学生達に絡まれ襲われそうになったと言う。その時は、偶然病院へ向かう途中の彼の父親に助けられて、その中学生達を警察に引き渡し、被害届も提出、彼の父親が、噂に関して警察に相談をして現在動いてくれていると言う事だった。

あの日の母は、私を睨み付けながら「アンタのせいで、私まで直ぐに股を開く女だと思われてるじゃない!何で私が、知らない子供に「欲求不満のばばあが遣って貰えるだけ有り難いと思えよ!何が嫌だババァ!ヤリ部屋で娘混ぜて毎日男連れ込んでんだろ変態好き者おばさん」なんて言われなくちゃいけないのよ!羽交い締めにされて、身体触られて下着の中に手を入れられて…無理矢理触らされたりしたのよ…もう嫌!全部アンタが悪いのよ」と怒鳴られた…

そんな事が続いて私は、結局怖くて、学校からも逃げ部屋に引きこもった…でも、逃げても家では母が嫌そうな顔をいつもしていた…そんな日々の中、母は仕事帰りに毎日彼の病院へ通い、面接時間が終わるまで献身的に付き添い、その後は、彼の母親と食事をしてから、夜道は危ないと車で送迎され夜遅くに帰宅するようになり、私はこの部屋で独りぼっちになる時間が増えていった…

読モの彼女は、何処まで行っても自己保身しか考えられないようで、法廷でも嘘をつき、結局は、あのプロデューサーが話していたように、報道陣により枕営業やJC読モ仲間との飲酒に、あるスタッフを通してIT企業の社長の集まる裏パーティーなどで、自分の取り巻きや後輩モデルを集めて毎回乱交パーティーをしていた事実が明るみになり、警察も動き完全に芸能界への道は断たれたらしい…

そして陸上の彼女は、陸上界から追放、記録も取り消され、運動と遊びしかしてこなかった彼女には何も無くなった…鬱病になり何度か自殺未遂をしているようだが、結局は、彼女も誰かにかまって欲しくて、自殺未遂を繰り返しているだけだと、周囲からは完全に見放されてしまったと言うことだ…

旧家のお嬢様は、見る影もなく、陰キャとなり学校へ無理矢理登校させられ、あの凜とした佇まいは消え失せ、美貌も見る影もなくボサボサの髪に不潔な印象、オドオドと周囲の顔色を伺う性格になり学校生活を送っているようだ…

先輩三人組については、レイプまがいの件も明るみになり、高校受験は勿論白紙、家裁にて審議中らしく、学校には来ていないらしい…

結局、あの日の出来事をラブホの利用者も撮影していて私達はネットにも晒された…

現在の私は、家に引きこもってからもう次の冬が来てしまった…皆、受験に向けて頑張って、四月になれば新しく高校生活が始まる。私は、もう勉強にもついていけない…高校を受験するお金もない…年齢を誤魔化して内職をしてなんとか父親と住まなくてもいいようにお金を貯めているけど現実は甘くない…

ここに居られるのもあと数ヶ月…その先にはまた地獄が待っている。私から彼を好きになったのに、裏切って全て失った…。違う、自分で壊したんだ。あの頃、自分を強く持っていれば…「自分次第」と言う言葉の心に小さな棘が刺さっている。でも分からない、何をどうしたらいいのか…私は本当にスタート地点に立てるの?不安で仕方がない。 私のこんな苦しみなんて本当は些細な事なのかも。だって彼はまだ目覚めていない。私のせいで眠りのなかで苦しみ続けている…

また、頭痛と吐き気が襲ってきた…嫌悪感が強くなってこの汚い身体が嫌になるのになんでなんで…また股間が酷く濡れて暑い…。フラッシュバックで脳内にあの汚らわしい光景がまた流れ込んでくる…。助けて。意識がぼんやりとする…私は、この地獄で足掻くしかない存在なんだと一人部屋の天井を見つめた…(完)

最後に書き終わった感想として、鬱話は、書いていて影響があると知ったので、それを専門に書いている作家さんはスゴいと思いました

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