運命
「早く働いて欲しいの」
「なぜ?なんでもかんでも指示するな。俺は働けないくらい色んな精神疾患を持ってるんだ。お前がそう産んだから」
俺は働かない。そう決めているから。
「最近体調が優れないから、家事を手伝って欲しいの」
「嫌だね。第一家事はそっちの担当だろ。俺をまともに産んでくれたら家事だって仕事だってやってたさ」
俺は手伝わない。そう決めているから。
「私入院しなきゃいけなくなったの、だから」
「はいはい。月の食費や光熱費は振込頼むよ」
「貴方を殺して私も死ぬ」
「……親ガチャ失敗だわ。可愛い我が子に冗談でもそんなこ」
俺は……。
「地獄行きだ。さあ、口を開けろ」
「絶対に嫌です。俺は悪くない。全部こんなクソッタレな人生は親が悪い」
「四の五の、死の後に言うか」
俺は、舌を抜かれる。そう決まっていたから。