4 勇者とエンカウント
最近バンジージャンプとか、やってみたいって思うことあります。
お願いです。読んでください。
みなさん、俺、今風になってます。
いや、風になってるっていうよりも、落ちてるって言ったほうがいいのかな。
コルさんは最初のころは丁寧だったのに、今じゃ放り出されてしまうくらいには雑。
あー、空気が気持ちいいなー。
普通こんな状況だったら、あせると思うんだけど、もうそういうの卒業しちゃったから。
慣れちゃったから。
それに特別製のこの体は地面に落下してもたんこぶ程度で済む。
コルさん情報だと人の体って弱いらしいよ。
地球にいたころの骨折とかが懐かしい。
もうすぐ着くかな。
人がいない森に降りれるようにしてもらったから、派手に降りても問題なさそうだ。
あの木をクッションにしよ。ドードンー!!
音がでかいわ!思わず関西弁出た。
まぁ、ちょっとビビったけど、着地成功!!
よし、勇者か魔王どっちかに会いに行こ。位置的に近いのは勇者か。
あっ、今俺スマホの位置情報で調べてます。
どうやって使ってるのかはわからん。
勇者の位置マジで近いな。
あれ?こっち向かってきてる?
とりあえず、かくれよ。
「ここか!みんな警戒を怠るな!」
おー、好青年って感じだ。あれが勇者だろう。
ほかにも何人かいる。勇者パーティーってやつかな。
んっ、警戒ってもしかして俺か?いやいや、まさかね。
「かなりの魔力量を確認。魔王の一派の可能性あり。
敵はこの近くにいると思われます」
知的美女が言う。
あー、俺だった、俺でしたね、はい。
今会って魔王殺すのやめてとか言ったら、完全誤解じゃん。
めんどいし、逃げよ。パキッ。
枝踏んだ。最悪だーー。
なに、テンプレなことやってんだ。
「10時の方向にいる。私が捕える」
はぁ、拝啓父さん、母さん俺人生詰んだらしいです。