3 初仕事
文才はありません。この小説は、自己満足です。
それでも読んでくださる心優しい人がいたらうれしいです。
「起きてください」
うるさいな。せっかく人が気持ちよく寝てるってのに。
「俺の安眠邪魔してんじゃねーよ」
寝起きは機嫌悪めだが、仕方ないだろう。
んっと、俺なんで寝てんだ?
思い出した。
いきなりよろしくって自称神に言われたんだ。
ふざけんな!子供の姿してるからってこっちが親切にしてたら調子に乗りやがって。
「あのー、大丈夫ですか?
アロガン様から、新人を送るので教育をと頼まれたのですが…。
私の名前はコルテーゼと申します。
気軽にコルと呼んでください」
Ohー、なんかさわやかイケメンが出てきた。
アロガン様って、あのちびのことだよね。
うわー、様付けかよ。おっと、自分の世界に入ってしまっていたようだ。
ここは礼儀正しく、
「初めまして、コルさん。私の名前は菊川拓海といいます。
チビじゃなかった、アロガン様?の紹介でお手伝いさせてもらうことになりました。
分からないことがたくさんありますが、精一杯させていただきます。
ご指導のほどよろしくお願いします」
よし、決まった。会社員なめんな。
俺のプレゼン力は会社の中の上くらいのうまさはある。
「はい、よろしくお願いします。
早速、あなたに仕事をするための訓練をします。
過酷なものとなりますが、こちらも人手不足、短期間で習得してもらいます。」
なんだろう、さわやかだと思ってたのに、今はやばい笑顔にしか見えない。
神様パワーとか、そういうので俺をチートにすることはできないらしい。その後死ぬほどつらい訓練を受けることとなった。
「拓海君、君に初仕事です。
そんなにビビらなくてもいいですよ。
ちょっとこの世界のストレーガ学園にある包丁とってくるだけの簡単なお仕事です」
ビビッてるのは仕事じゃなくてあなたにですよ、コルさん。
んんっ、スルーしかけたけど包丁!?なんでだよ。
「包丁を取りに行くって、そんなのパパっと行ってくればいいじゃないですか。
その程度のお使いなら僕、いやめんどいしもういいか。俺はすでにこなしてますよね。
仕事って言うほどでもないと思いますが」
訓練の最中に石やら気持ち悪い色の液体やら、異世界に取りに行かせられた。
コルさんが言うには、そういうものがあると、世界が滅ぶらしい。
聞いたときは世界すぐ滅びすぎだろ、もっと頑張れや!って突っ込んでしまったのは仕方ないだろう。
あの時はコルさんもさすがに微妙な顔になってた。
「その包丁ですけど、かなり特別なものでして。
実は今、聖剣として勇者が使っています。
石に刺さってた包丁を抜いた人、あっ、勇者ね。
その包丁危険だから昔の人が封印してたんですけど、なぜか抜けちゃったらしくて。
聖剣を抜いたから自分が魔王を倒す勇者だって宣言してしまってその対応に君を派遣しようと思って」
あんまりわからんけど、何か問題があったのだろうか。
「勇者が魔王を倒しちゃダメなんですか?」
コルさんは丁寧に説明してくれた。
要約すると、魔王を倒すと、バランスが崩れる。
倒した直後は平和かもしれないが、共通の敵を失うことで結果的に人間の内乱が起こる。
それなら、魔王にいてもらってお互いを牽制しあったほうがまだまし。
「あの包丁は特殊で魔王に対して絶対的な力を持っています。
この仕事は包丁を取ってくるというより、魔王を殺させないようにするといったほうが正しいですか。
詳しいことは資料を見てください。明日の朝5時に君をこの世界に転移します。
これは今までと違い、長期任務となります。
君には潜入して、情報を集めて、うまいこと対応してください。
こちらで体は用意しますからそこは安心してくださいね」
なんか、決定事項みたいに言われたけど、
「あの体は用意するってどういうことですか」
このまま行ってはいけないだろうか。なんか、他人の体を使うとかはいやだ。
「あなたの顔は、異世界ではあまりきれいとは言えません。
それに体は私が作るので、心配いりませんよ。美しい顔にしてあげますから」
なんか、嫌な予感する。
てか、面と向かって顔悪いって言われた。
日本だったら、結構ましだと思ってたんだけど。
神様基準なのかな。うん、そう思おう。
こうして俺の異世界行き(もう何回も言ってるけど)が決定した。
翌朝、俺は自分の新しい体を見て絶叫した。