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カエル小説

カエルが苦手だった頃

作者: リィズ・ブランディシュカ



 大人にとっては何でもないことが、子供にとっては大きなこと。


 そういうことは、わりとある。


 おつかいに行くとき、近所の家の犬が怖くて、通れないとか。


 道端に大きな蛇がいて、通れないとか。


 そういうことがよくある。


 その時もそうだった。


 まじでやばいと思った。後から思えば、全然大したことなかったけど。


 おつかいで、夕飯の材料を買ってきてっていわれたんだけど。


 その通り道に田んぼがあるんだ。


 左右、両方に。


 そんでちょうど、そういう時期だったみたいで。


 オタマジャクシが成長したのが、あちこちピョンピョンはねていた。


 道の上にたむろするカエルの大群。


 なんて凶悪な集団なのだろう。

 って思ったよ。


 緑の小さな悪魔がいる。

 ってね。


 大人達は大したことないとか思うだろうけど。


 冷静に考えてみてよ。


 いつもの見慣れた道が、大量の緑色の生き物でうめつくされて、進路妨害。


 子供が苦手意識もっちゃうには十分でしょ?


 だからその時の僕は、回れ右をして遠回りすることにしたんだ。


 けど、すれ違おうとしていた、近所のおじいさんが僕を背負って、緑悪魔大発生の道を渡ってくれるといった。


 なんていい人なんだろう。感激したよ。


 でも僕は丁重におことわり。


 だって、カエル大量発生なんて大したことないと思ってそうな大人に見られたらはずかしかったから。


 はぁ、いつかなれる日が来るのかな。


 そう思いながら歩いたね。


 ぼくはぐったりした気持ちで、その時まわれ右をしていった。






 なんて昔の事だから、もうどうってことないけど。


「げこげこ」


 ほんと、どうってことないんだけどね?


「げこげこ」「げこげこ」「げこげこ」


 ほら、踏みつぶしたらかわいそうじゃん?


 だから遠回りするだけだよ。



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