安心
『雄介…。その顔は泣いたでしょ』
紗世が優しく微笑む。
『わたしのこと信じてくれてなかったの?大丈夫。あれくらいじゃ死なないよ。雄介と結婚したばっかりだし。まだまだやりたいこともいっぱいあるし。おいていったりしないから安心して』
その言葉に涙をこらえられない新藤がいた。
『ごめ…。安心したらまた泣けてきた。信じてなかったわけじゃない。でも不安だった。紗世を失いたくないって思った。紗世がいなくなるなんて考えられないよ。お願いだからもう無茶はしないで…約束して』
『うん。約束する。痛いのは嫌だし…。自分でもよくわからないの。とっさに体が前にでて佐田さんをかばっていた。佐田さんはいる?』
『あぁ。廊下にいるよ。このあと警察に事情を話にいくみたいだけど。紗世が目を覚ますまではここにいたいって言ってさ』
『そう…。少し話できるかな』
『あぁ、呼んでくるよ』
『呼び出してごめんね。佐田さん大丈夫?』
優しく話す紗世の声に涼子は返事をすることができない。
『助けてくれなんて思ってなかったのに勝手に庇われたって思ってる?』
涼子は下を向いたままだ。
『おせっかいかもしれないけど後悔はしてないよ。あなたにケガがなくて良かったって思ってる。自分でもわかんないけどとっさに体が動いたの。助けなきゃって思った。わたしね…あなたのことこわかったんだ。新藤には内緒ね!わたし時田さんのこと本当に愛してたの。だから彼をあなたにとられるのがこわかった。佐田さんにはわたしにはない魅力があるし行動力もある。そんなあなたを羨ましいと思ってた。でも!いまはね…あなたに自分を大切にしてほしいって思う。あなたを見てくれた人いたはずなのに大切なものを失う日がくることがこわくて逃げてたんじゃないかなって。あなたがきちんと向き合えば相手も向き合ってくれる。大丈夫!いつからでも再スタートはできるから』
顔をあげた涼子の目からは涙が流れていた。