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結婚

「もう飯塚じゃないんだね」

恥ずかしそうに。そして幸せそうに微笑む彼女が愛おしい。



紗世の両親はなかなか新藤との結婚を認めてくれなかった。

それもそのはずだ。

3ヶ月前には他の男性と結婚するはずだったのだから。

彼女の家族に認めてもらえないままでは彼女を幸せにはできない。どれだけかかってもきちんとわかってもらえるまで話そう。新藤はそう決めていた。

だが紗世の両親が彼の誠実さを理解するまではさほど時間がかからなかった…。

自分のことより紗世を気遣い、紗世への愛を一番に考える姿を両親はそっと見ていたのだ。

「しっかりしていそうに見えて実はそそっかしい娘です。寂しい時に寂しいと言えなかったり、辛い時に我慢してひとりでためこんでしまうところがある娘なんです。これからはそばで新藤さんが支えてください。どうか娘をよろしくお願いします」

紗世が席をはずしている間に両親が新藤にしてくれた挨拶。

この時新藤は再び彼女を生涯愛することを決めた。


そして…。

もうひとり。どうしても認めてもらいたい人。時田に会いに行っていた。


「紗世を本当に幸せにできるのか?!寂しい思いをさせないって約束できるのかよ。どんなことがあっても泣かせないって言えるのか?!よく俺の前に顔をだせたな」

そう言って一発殴られた。それでも手をださない新藤にもう一発。

「俺は紗世を手放したことを一生後悔すると思う。自分でもバカだなって。紗世には俺のことでこれ以上傷ついていてほしくない。辛いことがあったから今の幸せがあるって思ってほしい。紗世をどうか幸せにしてください」

そう言い残してその場を去ってしまった…。不器用ながら時田なりの祝福だった…。


何も知らされていなかった紗世は新藤の顔を見て驚いていたが男のケジメだと言われたのでそれ以上何も聞かなかった。

ただ一緒にいられることになったことが嬉しい。

時田を愛していた頃の輝きがやっと彼女に戻ってきた。


「ご両親にも時田さんにも結婚認めてもらえたよ。いまから婚姻届を提出しにいこう!」




書類の提出から受理まではなんともあっという間だった。あっという間に「新藤紗世」になった。


「なんかまだ結婚の実感ないなぁ。3ヶ月前にも書類だけは書いたからかな。提出はしなかったけど」

くすくす笑う紗世の手を取り、新藤はぎゅっと握る。

「実感はこれから湧いてくるよ。嫌ってほど幸せにするからさ。これでもかってくらいにね」

「うん」


マンションの鍵をあけた途端に新藤が紗世を抱きかかえた。


「やっとつかまえたよ。もう離さないから」

そのままベッドへ彼女を運んでいく。

紗世と新藤は初めて一緒のベッドで眠ることになった。



4月から不定期ですが更新を続けてきました。

間があいてしまうことも多く、ご迷惑をおかけしましたが読んでくださる方がいたので頑張ってこれました。

年内になんとか紗世と新藤を幸せにしたいと思っていたのでギリギリ大晦日の更新ですが間に合ってよかったなぁと思っています。

年明けはラブラブなふたりを少し書きたいです。

それから完全放置状態になっていた他の人たちのストーリーもちょこっと書けたらな~と。


最後になりますが!

「小説」と呼んでいいものか…つたないわたしの文章を読んでくれた全ての方々に感謝の気持ちを伝えたいです。

一年間本当にありがとうございました。

来年もよろしくお願いします。

2010年が皆様にとって素晴らしい年になりますように。

では、よいお年を☆



伊田咲希

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