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花嫁の決意

シーンとしていたチャペルが微かにざわめく。花嫁は今なんていったのだろう?


そしてもう一度。ハッキリした口調で紗世が言う。


「誓いません」


紗世は瞳は時田だけを見つめている。他の人たちの存在を忘れているかのように彼だけを真っ直ぐ見つめて…。

「ごめんなさい。わたし時田さんとは結婚できません。ごめんなさい…」

そう言ってチャペルをでていってしまった。

ドラマのワンシーンのような場面に誰も身動きが取れずにいる。



紗世はドレスのままホテルのロビーに行き、自分が宿泊している部屋の鍵を受け取った。「サプライズで用意した父への手紙を置き忘れてしまったので一度部屋に戻りたいんです」と言うとすぐに信用してくれた。

部屋でドレスを脱ぎ捨て、洋服に着替えカバンに財布だけいれて部屋をでる…。

途中自分をさがしている人たちが目に入った。時田や家族や友人…。みんな紗世を心配している。

チクチクと心が痛んだが振り切るようにさっと外へでていった。

アテがあるわけではない。それでもここにいてはいけないと思った。

「ごめんなさい…」

ひとり言のようにつぶやき走っていく。




なんとなくホテルが騒がしい。

紗世の幸せな姿を見届ると決めていたはずなのに結局チャペルへはいけなかった。新藤はため息をつきロビーへ向かう。

顔見知りの従業員に何かあったのかと問いかける。

「新藤さんはその場にいなかったんですか?花嫁の飯塚さんがいなくなっちゃったんですよ…」


従業員の最後の言葉を聞かずに新藤は走りだしていた。



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