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不安

紗世が秘書課に異動して1か月。

仕事にも慣れてきて、心に少し余裕もでてきた。


金曜日。

ひさしぶりに理子を誘う。

今日は家でまったり鍋でもしたいなと思っていたら理子から「鍋食べたいな」とメールが届く。

自分の想いが伝わったみたいでなんだか嬉しい。


熱々の鍋と冷たいビール。

もうこれ以上食べられないと思うくらい2人で食べた。仕事の愚痴を言ったり、新しいドラマの話で盛り上がったり。


お腹も落ち着いてかたところで紗世がキッチンへ走る。

「じゃーん」

手にはハーゲンダッツのアイスが。

「さすが!紗世。気がきくねぇ」

2人で並んで仲良く食べる。

「実はね、わたし理子に報告したいことがあるんだ」

「なに?なに?好きな人ができたとか?」

ひやかすように言う。

「実はそうなの。付き合ってる人がいるんだ」

「え?そうなの?やったじゃん。どんな人?かっこいい?」

理子が興奮気味に話す。

「どうかな」

息を大きく吸う。

「わたし半年前から時田さんと付き合ってるんだ。黙っててごめん。ずっと言おうって思ってたんだけどなかなか機会がなくて」

「え?そうなんだ。何となく!そうなのかなって思ったことはあったけど。でも良かったねぇ。紗世はずっと時田さんが好きだったから。紗世が幸せならわたしは嬉しいよ」

理子が笑う。


理子の質問は容赦ない。

「ラブラブなの?」とか「やっぱり年上っていいの?」とか芸能レポーター並みの質問だ。いちいち照れて答える紗世の反応がよっぽどおもしろいらしい。

やられてばっかりではつまらないので紗世も負けじと理子に質問を投げかけた。

「ねぇ。理子は?好きな人いないの?」

「いないよ」

「嘘ばっかり。わたしはわかってるんだけどなぁ」

紗世がにやっとイタズラに笑う。

「堀田くんのこと好きでしょ?堀田くんといる時の理子ってかわいいもんな。小学生の女の子みたいなの。素直じゃないんだよねー」

理子の顔が真っ赤になる。

「なんで?」

「隠しても無駄だよ。わたしは理子マニアなの。理子のことは何でももわかるの。理子わかりやすすぎ」

「そうかなぁ」

はにかむ理子は恋する乙女だ。

それから理子の恋が成就するように作戦を練って、テレビを見て。

深夜ベッドに入る。

ベッドで紗世は一向になる気配がない携帯を見つめていた。

週末なのに…会いたいのに…彼から連絡はこない。

窓から見える月が明るければ明るいほど紗世を不安にさせた。


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