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迎えにきた王子様

「もしかして緊張してる?」

「なんで?してないよ」

「だってさっきから全然話さないから」

「別に…緊張なんて…」

「本当に?」

週末、リゾート地へ向かう車の中。

本当なら楽しく会話でもと思っていたがあまりにも無口な紗世を心配して新藤が口をひらいた。


しばしの沈黙。


「あの…ごめんなさい。本当はすごく緊張してます。いい大人が恥ずかしいけどデートとかってあまりしたことなくて。旅行の話聞いた時からドキドキしちゃって…。つい最近まで付き合ってる人がいたのにおかしいでしょ?」

「別におかしくなんてないよ。でもそんなに緊張しないでいいよ。せっかくの休みだし、ゆっくりするためにいくんだし…。それに…」

「それに?それに…何?」

紗世が心配そうに新藤を見つめる。

「そんなに緊張されると逆に期待しちゃうし…」

「期待?」


なんとなく意味を理解した紗世の顔が真っ赤になる。

そんな紗世の頭をポンポンとたたき…

「大丈夫だよ。とって食ったりしないから」

その言葉で緊張がほぐれた。



「ついたよ」

山の中の大きなリゾートホテル。

車から降りると少々肌寒い。

澄み切った空気が背筋までのばしてくれる気がした。

「空気きれー!気持ちいい!」

はしゃぐ彼女を嬉しそうに眺める彼。

「中もなかなか素敵だよ。きっと気に入ってもらえると思いますよ、お姫様」

新藤が自分の右手をさっとさしだす。手をにぎられ、ゆっくりとロビーへ向かって歩いていく。

まるで本当に王子さまが迎えにきてくれたように思えた。



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