表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
55/96

デートの約束

「飯塚の料理はあいかわらずうまいな」

少しくすぐったいが誉められるとやっぱり嬉しい。

「そんなに誉めたって何もないですよ」

イーっとしてから笑う彼女の前に一冊のパンフレットが手渡される。

「このホテル。ここさ、うちの親戚が経営してるんだよ。たまにゴルフとかしにいくんだけど。けっこう良いとこでさ。温泉もついてるし。もし良かったら来週末とか一緒にいけないかな。だめ?」

真剣に話す新藤を見て紗世は思わず吹き出してしまう。

「小さい男の子がおねだりしてるみたいでなんかかわいいなぁ!」

予想外の彼女の反応に少々ふてくされた様子の彼。

「なんだよ、それ。人が真剣に話してるのに」

まだくすくすと笑いがとまらないけれどそんな彼を真っ直ぐ見て紗世がこたえる。

「ありがとう。嬉しい!わたしも雄介と一緒にでかけてみたかったよ。温泉入りたいし」

ふたりにっこりと笑いあう。


思いが通じあうまで少し時間がかかったし、今でも不安になることはある。それでもこんなに幸せでいいのかというほどの幸せを紗世は感じていた。

新藤が帰って、あと片付けをしている時ふとつぶやく。

「わたし来週新藤さんと同じ部屋に泊まるのかな?どうしよーっっ」

高校生の時好きな人を思い出してはドキドキしていた感覚。まさにそんな感じだ!

ひとりで部屋でドキドキしている。

このドキドキは幸せのドキドキ。辛くて不安で眠れないあのドキドキとは違う。

窓の外を見るときれいな月がこちらを見ていた。

「きれいな月。おやすみ」



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ