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親友

理子には内緒にしていたが紗世は3ヶ月も前に時田に「好き」だと言われていた。

七夕の日。

たまには2人でごはんでもいこうと誘われて。

時田が予約してくれたスペイン料理がおいしくて。ふたりしてワインをけっこう飲んだ。

その帰り道、時田に言われた一言。

「俺、飯塚のことずっと前からいいなって思ってて。最初はキレイな人だなって。美人だし、ちょっと近寄りがたいなって思ってたけど、話してみたら明るいし、かわいいし、性格いいし。あと頑張り屋なとこ。全部好き」

そう言われた。

てっきり告白だと思っていた。

恥ずかしくてハッキリ口にはできなかったけれど紗世も時田が好きだというようなことを伝えた。

もしかしたら自分と時田はすでに付き合いだしているのかもとまで思っていた。

でも…それは紗世の勘違いだったようだ。

告白のあとも時田の様子は特にかわらなかった。以前とかわらず仲の良い先輩と後輩。

いまでは時田と涼子の方が仲が良いくらいだ。

涼子がわざとらしく紗世の前で時田と行ったディナーの話をすると胸がチクチク痛んだ。

時田の名前まではださなかったけれど、涼子が時田の家の近くに引っ越すことにしたと聞いてこの恋は諦めなければと思っていた。


「ねぇ!理子。時田さんって佐田さんと付き合ってるのかな?彼女の指輪。時田さんがあげたのかな?」

紗世と理子は中華料理を食べにきていた。

涼子の左手の薬指には1週間前輝いているシルバーのリング。どうやら誕生日に買ってもらったらしい。

理子が重い口をあける。

「時田さんとのことはわかんない。ただあのふたり仲が良くてしょっちゅうごはんとか行ってるって聞いたことがある。でもあの子…他にも彼氏がいると思う。噂で何人か聞いたし…」

「そっか…」

思いきったように理子が言う。

「こんなこと言ってごめん。紗世を思ってのことだから許して!わたし時田さんは紗世にふさわしくないと思う。時田さんはいい人だけど女にだらしないっていうかプレイボーイっていうか。けっこう悪い噂聞くし。紗世みたいに純粋な人はいつか傷つくと思う。悔しいかもしれないけど涼子と時田さんはお似合いだと思う。彼女は相当遊んできたみたいだし。時田さんみたいな人には涼子みたいな女がいいのよ。紗世は時田さんにはもったいない」

言い終わったとたん理子は一気にグラスの水を飲み干した。

言うか言わないかよっぽど迷っていたのだろう。

「そんなに褒めたってなにもでないよ。でもありがと!理子はやっぱり優しいね」

そう笑う紗世に理子がいう。

「いつも言うけど優しいのは紗世だよ。わたし紗世が大好きなの。だから紗世には幸せになってほしいの!」

「ありがと!わたしたちの王子さまはどこにいるのかね」

そういって笑いあった。


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