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挑戦状

思わずピアスをポケットにいれてきてしまった…。

聞かなくてはいけない肝心なところで勇気をだせないでいる自分が情けなくて紗世は泣きたくなった。


時田さん本当にあなたを信じていいの?


彼を好きな気持ちは誰にも負けない…。でも彼も自分を好きでいてくれてるかどうかはよくわからない。

自信がない。


翌朝。

オフィスにはすでに新藤。そして涼子がきていた。

涼子と新藤が何やら話し込んでいる。

この間の企画書のことだろうか。


ふとー。


涼子の耳元に目を奪われる。

彼女の左耳にキラリと輝くダイヤが見えたのだ。見覚えのあるピアス。

わたしが昨夜ポケットにいれてきてしまったダイヤモンドによく似ている。


何となく右の耳にも目をやる…。

が、そちらにはピアスが見当たらない。


涼子を食い入るように見つめていたからだろう。彼女と目が合いそうになる。紗世は慌ててパッと顔をそらす。


新藤との話が終わったのか涼子がこちらへ向かって歩いてくる。

紗世の近くまできてその足をとめた。


「堀田くん」


てっきり紗世が話しかけられるのだとばかり思っていたので少し拍子抜けする。

涼子は紗世の隣にいた堀田に用事があるようだ。


「わたしピアスなくしちゃったの。お気に入りだったのに。ダイヤのピアスなんだけど。もし見つけたらわたしに届けてくれない?」


ドクン


心臓が大きくなった…。

チラッと紗世を見て去っていく涼子の顔は自信に満ちていた。勝ち誇ったようにくすっと笑う。

いまの言葉…。

わたしに向けて言ったものなんだろうか…。

好きな人を信じたい気持ちと。それでもどうしても信じられない気持ち…。

胸が苦しい…。

紗世はその場に立ちすくんでいた。


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