食事会
「あ!新藤さん。おつかれさまです。お友達と食事ですか?」
「ああ。学生時代の友人たちと」
紗世がぺこりと頭をさげる。
「はじめまして。いま新藤さんと一緒に仕事をさせていただいている飯塚と申します。で、この子が岩田理子です」
理子も紗世に続き挨拶をする。
「はじめまして。岩田です」
「せっかくだから俺の友達を紹介するよ」
「こいつは月下峻。幼稚舎の頃からの幼なじみ。その月下の婚約者が隣の奈々ちゃん。俺が紹介したんだぞ。奈々ちゃんの隣にいるのが酒井。酒井も月下と一緒で幼稚舎からの幼なじみ。そしてこっちが工藤恵理。俺らよりふたつ年下だけど親同士が仲よしで。小さい頃から遊んでた」
「もしよかったら一緒にのまない?」
新藤の誘いで理子と紗世も食事会に参加させてもらうこてになった。
「ゆうすけっ。これおいしいよ」
恵理が新藤に話かける。
「あいつら仲良いだろ?恵理は昔っから雄介が好きなんだ。お似合いだと思うんだけどな」
酒井が理子にこっそり教える。
「新藤さんってあぁいう妹的なかわいい感じの子が好きなんだぁ。てっきりうちのお姫さまを気に入っているものだと思ってたのに」
理子が少し残念そうにいう。
「飯塚。食べてる?ここのスープ!すごいおいしいんだよ。あとこのチーズとこのワイン。マスターこの子にこれとこれ」
テキパキ動く新藤を見て、紗世が笑う。
「会社では王子さまって呼ばれてみんなに憧れられているのに。お友達の中では普通の男の子みたい」
「それをいうなら飯塚だって。完璧に見えて案外おっちょこちょいだろ。俺知ってるんだからな」
新藤が笑う。
「りこぉ。ワイン飲みすぎた。風にあたってくる」
紗世がお店のテラスにでる。
普段あまり飲まないワインを飲んだせいで顔を真っ赤にしている。
「紗世」
理子が追いかけようとしたときー。
新藤がテラスへ走る。
「お姫さまかぁ」
酒井がにやっと笑った。