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戸惑い

「おつかれさま」

新藤がさわやかな笑顔を見せて帰っていく。



その姿が見えなくなると思わずため息がもれた。肩の力が一気に抜けるのを感じる。まだ少しドキドキしている。


けさのアレは何だったのだろう。


紗世は

「うーん」と考えこんでいた。

気まぐれで抱きしめたのだろうか。それともからかわれたのか。

まさか本気でわたしを?

そんなわけがない。

自分のことは自分が一番わかっている。今日1日の書類の整理を終え、そろそろ帰るかなと立ち上がった時にタイミングよく携帯がなった。


「今日ウチくる?」


ひさしぶりに目にするこの文句。メールは時田からのものだった。

時田と紗世はあの日以来会っていない。

会社では普通に顔をあわせているけれどプライベートでは…。

少し前までと違う意味でドキドキしてくる。

時田との関係を曖昧なままにしておくわけにいかない。

わかっている。ちゃんと話しをしなきゃいけないことも…。


けじめつけなきゃ。


そう思っていたはずなのにひさびさに会えることにトキメイてしまっている自分がいる。


会社をでて駅の方向へ歩きだす。

早く彼に会いたい。

そう思った瞬間。

誰かに腕をつかまれた。


驚いて振り向くとそこには新藤がいた。

「新藤さん…」

「一度は帰ったんだけど何となく胸騒ぎがして…。今日キミに会わなきゃって思った。だから迎えにきた」

「あの…お言葉はうれしいんですが…わたしこれから予定があります。ごめんなさい」

新藤の手を振り払い駅へ向かって走りだした。

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