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僕は本になりたい。

作者: うたたね

ある本の翻訳です。自己解釈とオリジナルも入れてます。

僕は本になりたい。


僕は本だったら読者と秘密を分かち合おう。


僕が本だったらどの子にもある秘密部屋に大事におかれたい。


僕が本だったらきちんと読んで欲しい、飾りだけは勘弁だよ。


僕が本だったら外国のことも世界のこともなんでも知ってるよ、聞いてみて。


僕が本だったら僕のことを友達と呼んでくれる人に読まれたい。 夜が更けるまで一緒にいようね。


僕が本だったらネタバレはやめて欲しい。

ドキドキが減るからね。


僕が本だったら君が打ち明けてくれた秘密は最後まで守ってみせるよ。


僕が本だったら『おわり』という言葉は急いで読まないよ。噛み締めながら読んで欲しいからね。


僕が本だったら流行りや義務で読むのはやめてほしいな。僕だけをみて僕を読んで欲しい。


僕が本だったら文字と音だけでできた世界になりたい。


僕が本だったら一緒に僕のページに潜り込んで世界の果てまで旅をしよう。


僕が本だったら、誰かを幸せにしたい、そのためならどこまででも行こう。


僕が本だったらいつかの素晴らしい香りをいつまでもほんのりただよわせるよ。


僕が本だったら夜の闇を詩が照らして作者をディナーに案内するよ。


僕が本だったらやっぱりいつでも読まれて自由でいたい。


僕が本だったら禁止はしないけど『無知』という語は禁止するよ。


僕が本だったらカッコよく見せつけようとして読んだふりはしないで。


僕が本だったら『忘却』を何より恐るだろう。


僕が本だったら僕を選んでくれた君を飼いならすことなく自由にしてあげたい。


僕が本だったら思わぬ意味を言葉に与える壮大な詩になりたい。


僕が本だったら戦争をしたがる心を打ち砕く絶対的な優しい武器になりたい。


僕が本だったら熱心な君となら無人島に行ってもいいよ。


僕が本だったら時代を象徴するあらゆる顔になりたい。


僕が本だったら「この本が人生を変えた」って言うのを聞いてみたいかも。


僕が本だったらやっぱり『君』に読んで欲しい。


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