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ぐだぐだファンタジー小話

作者: 大錦蔵

 よろしくお願い致します。

 林の獣道を突き進む、人間の冒険者の前に、悪い亜人達が立ちはだかりました。


 オーガ・ケンタウロス・ゴブリン・リザードマン・エルフの集団でした。


 彼らの目は、殺気立っています。


 冒険者の持ち物を盗もうというのです。


 冒険者は、腰を下ろし、片刃の剣を、居合抜きのように、鞘から抜き出します。


 亜人の一人が、人の言葉を口にします。


 「オレ様が潰してやろう・・・・・・」


 強硬な体つきをした、筋肉隆々のモンスター・・・・・・力自慢のオーガでした。冒険者の前に出ます。


 その者とは別の亜人が、思い出したように呟きます。


 「あんた、医者から激しい運動控えるよう、この前診察されてなかったか?」


 オーガは引き下がりました。


 亜人の一人が、人の言葉を語ります。


 「私の弓矢さばきをご覧に入れましょう・・・・・・」


 上半身が人の、下半身が馬の体で構成されているケンタウロス。冒険者に近づきます。


 その者が、なめらかな動作で、腰に背負っている矢筒に入れてあった一本の矢を手に取り、弓で放しました。


 しかしその攻撃は、冒険者に当たりませんでした。


 人間の冒険者も、攻撃は受けないと気づき、避ける動作一つも取りませんでした。


 実はケンタウロスは、わざと狙いを別のところに向けていたのです。


 その矢は、冒険者の頬すれすれの軌道を通り、彼の後ろにあった木の実に突き刺さりました。


 「次は、当てますよ?」


 ドヤ顔のケンタウロスは、再び矢筒に手を伸ばします。


 「・・・・・・?」


 しかし、手探りしても、木の感触がせず、どこにも矢がないのです。


 その者とは別の亜人が、呆れたように呟きます。


 「あなた昨日、弓の練習してて、殆どの矢だめにしたでしょう・・・・・・。さっきのが最後の一本でしたよ?」


 ケンタウロスは引き下がりました。


 亜人の一人が、人の言葉を言います。


 「つんぎはぁあ、わだすの出番ですぅな~」


 耳と鼻が尖った小人・・・・・・ゴブリンでした。携帯していた杖を構え、呪文を唱えます。


 そのゴブリンは、町一つを一瞬で壊滅させるほどの恐ろしい魔法を習得していました。


 「火の精よ~、わんが言葉にはんぬぅし、じゃなくなるぬんげんを、うちはろばすぇ~・・・・・・!」


 しかし魔法は、発動しません。 


 「火のすぇよ~、わんがくぉとばにはんぬぅし、じゃなくなるぬんげんを、うちはろべすぅえ~・・・・・・!」


 しかし魔法は、発動しません。


 「ふのすぇよ~、わんがくぉとばに#”$%&(’&)♪♫*@@}{#!~・・・・・・!」


 しかし魔法は、発動しません。


 なんということでしょう・・・・・・!


 そのゴブリンは、あまりのなまりっぷりと滑舌の悪さに、呪文が正確に唱えられませんでした。


 ゴブリンは引き下がりました。


 亜人の一人が、人の言葉で悪態をつきます。


 「まったく馬鹿ばっかりだ! だが僕は・・・・・・僕だけは違う・・・・・・!! この魔剣のサビにしてやろう・・・・・・人間!!」


 トカゲを擬人化した姿のリザードマン。鞘から両刃の剣を抜き出します。


 その魔剣・・・・・・意思を持ち、言葉を発する不思議な剣でした。


 その剣から、声が発します。


 『全くだ! こんなアホどものいるパーティの一員が、マスターだなんて、酷い悪い冗談だ! お世話になりました。あばよ!!』


 意思を持ったその魔剣は、独りでに宙に舞い、冒険者の足元に降りました。


 要は、寝返ったのです。


 リザードマンは引き下がりました。泣きながら。


 亜人の一人が、人の言葉で言い放ちます。


 「ふっふっふっ、次は、あたいの番だよ!!」


 耳が尖っている美しい亜人・・・・・・エルフでした。手にはガラスの水晶玉を持っています。


 彼女は占い師で、なんとどんな人物の過去も、丸わかりなのです!


 「いやいやなになに・・・・・・あなたの冒険者は、実は異世界の人間で? 転生してきたと・・・・・・? ほほうっ! なんとも興味深い・・・・・・!」


 エルフの占いで、冒険者の過去が、何から何まで、暴かれました。例えば、通知表の情報とか、恋人いない歴=年齢とか、なんとも身の毛もよだつような恥ずかしい内容を・・・・・・。


 五人の亜人は、皆殺しに遭いました。

 

 ご覧下さりありがとうございました。

 別の作品、『ぐだぐだ異世界冒険譚』もよろしくお願いいたします。

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