第7話 娘は神
母さん(コルカ)視点です
今まであまり喋ってこなかった娘がいきなり喋った
「母さん、母さんは何の魔法を使えるの?」
今まで一文字ぐらいしか話してなかったと思うんだけど!?
「ひ、火の魔法が使えるよ」
嘘はついてない。
「他にも魔法を使えるんじゃないの?」
もうすぐ2歳になる娘が食いついてきた。
(なんで…ここまで人を見抜く力があるのかしら…、そもそもここまで話せる子だったかしら)
「どうしてそう思うの?」
「料理に使うくらいコントロールできるなら、他の魔法もある程度は使えると思って」
「…」
「それに本をいっぱい持ってるし、お金がなくなっちゃうようなこともまだないし、母さんって元々貴族なんじゃないの?」
子供ってここまで頭がいいもんだっけ?
いや、この子は特別なんだ。
たぶん、神様のイタズラとか気まぐれとかなんだろう。
「よく分かったね…。私は元々、神都の魔法使いでね。全ての属性の魔法を使えたんだ。神都に魔物が侵入しないように警備してたんだよ。ボルドともそこで会ってね。」
「母さん」
「なあに?セルカ。」
「私、旅に出ようと思うの。」
「えっ?」
「できる限り早く」
「えっ??」
「神都に行く」
娘は神都に行きたいらしい。娘は神様だったりするのだろうか?
「なんで神都に行きたいの?」
「これから5年後に災害が起こる。」
「えっ!!?」
娘はまじで神様なのか。
「助けてあげたいから、神都に行って、王様に説得する。」
「うん、いいよ」
なんかよく分かんなくなってきた…
「ありがとう!母さん。」
ただ、娘の笑顔が眩しかった。女神だった。
その日、私はずっと混乱していた。
第1話にて
陸「oh my god!」