1 白の衣裳のお人形さん
この閑話ではノクターンで連載していた拙作、『瀬野家の人々』の人物が登場します。
未読のかたは、
・瀬野俊也は瀬野悠里の双子の妹、『瀬野愛里』という名義で女性モデルデビューしています。
・両親の再婚により、『瀬野アキ』という義理の妹ができていて、彼女も女性モデルをしています。
の2点のみ押さえておいてください。
<<柊久美視点>>
「ね、ね。久美、あれって式場か何かの宣伝かな?」
春休みの夕方、待ち合わせの場所のすぐ近く。あまりにも目立つし、わざわざ指でさされなくても目に入っている。
最初はウェディングドレス姿のマネキンが、人通りも多い駅の通路上にぽつんと置かれているのかと思う。
……けど、よくよく見ると違うぽい。純白の衣装はゴスロリで、それを身に付けているのはビスクドールのようなお人形さん。
フリルとレース満載の膝下丈のバッスルスカートとブラウスの上に、リボンがいっぱいついたコルセットジャンパースカートを重ねている。その下から覗くタイツと靴も含めて、一式すべてが雪のような純白の衣装。小さな女の子が見たら目を輝かせそうな、とっても可愛らしい少女趣味な世界。
等身大、というには少し大きい感じ。背が低い私たちからだと見上げる位置に、綺麗に化粧された愛くるしい顔が載っている。生身の人間ではあり得ない、ウェストの細さと陶器めいた白い肌が殊に目を引く。
でもなんだかこのお人形さん、どっかで見覚えがある気がする。
そんなことを考えたとき、そのお人形さんは私たちのほうを見て首を傾げて“きょとん”としたあと、にっこりと笑って軽く手を振ってくる。
「朋美さん、久美さん、お久しぶりですっ☆」
視界一面が花咲き乱れるように錯覚するほど、可憐で華やかな笑顔。
「……アキちゃん?」
先に我に返ったお姉ちゃんが、おずおず、といった調子で尋ねてみる。
「はーい☆ アキですっ。あーん。人違いじゃなくて良かったぁ」
「うわあっ。まさかこんなところで会えるだなんて。お久しぶりですー」
『まるで生きた人間のような、精巧なお人形さん』
改め
『まるでお人形さんのような、愛くるしい美少女』
に2人で近寄り、挨拶を交わしてみる。
「1年前、中華街で会っただけですよね。まさか覚えててもらえてるとか、感激ですー」
「まだあれ1年前なんですねっ。もー、何年も経った気分です」
「あのあと、愛里さんとアキちゃんがデビューしたんで、ほんとにびっくりしました」
この綺麗すぎる3姉妹にはほんと、驚かされることばかり。
一番驚いたのは、『AKI』っていう芸名で活躍中のこのアキちゃんが、お姉ちゃんと同い年だった、という事実を知ったときかもだけど。
最初会ったあと、『小学生なのかなぁ? 最近の小学生発育いいっていうし』なんて会話した記憶あるのになぁ。
「あの、ひょっとしてこれって何かの撮影中だったりします?」
「そーんなことないですよっ☆ だったら声かけてないですし」
つまりこの可愛すぎる純白のロリィタ衣装は私服なのか。
「これ、すっごくいい服ですね。デザインとか素敵です」
「いーですよねっ☆ 前にお仕事で行ったお店の人がプレゼントしてくれたんです」
スカートを指先でつまみあげて、くるりと一回転してみせてくれる。テレビ越しでも常々思っていたけど、この人顔も表情も仕草もほんっとーに可愛すぎる。
目のすぐ前で繰り広げられる光景に、姉妹で思いっきり見惚れてしまう。私は本当に、この子と同じく子宮がついているんだろうか? ガサツで可愛くなくて、ちっとも女の子らしくない自分が恥ずかしくなってみたりする。
「生地もいいですねえ。……触ってみていいですか?」
「どうぞどうぞっ☆」
おずおずと指を伸ばし、前が開いたデザインのジャンパースカートのベルベットと、その間から覗くティアードスカートのコットンサテンの手触りを確認する。生地見本で憧れていたけど、実際の衣装として使われているのは初めて見た素材。もっと堪能したいけど、繊細な生地を傷めそうでそっと指先を離す。
「ひょっとして久美さん、こーゆーの興味あります? 今度あるイベントなんですけど……」
そんな私を見ていたアキちゃんが、ふと気づいたようにチケットを取り出して差し出す。
「あっ、興味ありますっ! 大有りですっ! 欲しいです。……おいくらでしょう?」
突然はしゃぐお姉ちゃんを引き寄せ、小声で会話してみる。
(お姉ちゃん、そのチケットはもう買って、うちにあるでしょ)
(何言ってるの。アキちゃんから直接買えるんだよ? 額に入れて飾るに決まってるでしょ)
姉のミーハー心に呆れながら、
「プレゼントで構いませんよ?」
「そんな悪いですからきちんと払わせてください」
なんて会話を聞き流してみたり。
「朋美さんと久美さんは、今日はどうしてこちらに?」
しばらくそのイベントの話で盛り上がって、少し落ち着いたころアキちゃんが訊いてくる。
「えぇと、親戚の子がこちらに来るんで、その待ち合わせです」
「奇遇ですねっ☆ あたしも今お姉さまとの待ち合わせなんです」
「……わぁ。ってことはつまり、このまま待ってたらナマ悠里さんと会えるんですか?」
「こら、久美。アキちゃんのプライベートに突っ込むのは失礼でしょ」
「あっ、ぜんぜん大丈夫ですよぉ。朋美さん、お姉さまのファンでしたっけ?」
「あー、いやその」
姉妹2人で顔を見合わせたりしてみる。
「あれから色々ありまして、今は私のほうが悠里さんのファンなんです。で、そのお姉ちゃんは今アキちゃんのファンだったりします」
「いや瀬野3姉妹のファンなんですよ? ……でも一番好きなのはアキちゃんかなぁ、って」
「ありがとうございますっ☆ わぁ。光栄です」
頭を下げてぺこりとお辞儀する。そんな仕草さえとても可愛い。脱色ものでない、自然な淡い色の髪がさらりと零れる。天使の輪がとてもきれい。この人は髪も肌も、こんなにも綺麗だっただろうか? 1年前も可愛い子だなと思ったけど、記憶にあるよりずっと素敵で華やかな少女。
「あ、一昨日のドラマも見ました。アキちゃんとってもとっても可愛かったです」
「わぁっ。ほんとにもう、ありがとうございますっ☆ 足立さんかっこよかったですよねえ」
「いやお姉ちゃん、主演なんかほったらかしで、
『アキちゃんまた出た』
『アキちゃん可愛い』
『アキちゃんもっと映して』
ばっかりで」
そのドラマで、私立小学校の女子制服を着て赤いランドセルを背負って、ごくごく自然にサブヒロインの『発育の良い女子小学生』そのものに成りきっていたアキちゃん。実際には高校卒業したてなのに、エキストラの子役たちに普通に混じって小学校の授業風景の撮影とか、どんな気分だったのだろう。
「あはは。ありがとー。他の生徒役の子たちから可愛がってもらった、楽しい撮影でした☆」
「けど不思議ですね。テレビの中で憧れてた人が、目のすぐ前にいるなんて」
そんな話をしているとき、突然「お姉さまっ☆」とアキちゃんが手を振り始める。あたりの空気が光放つように錯覚するほど、とっても眩しい純粋な笑顔。
「アキちゃん、待たせちゃってごめんね。こちらの人は?」
現れたのは、黒いジーンズ姿のとっても“きれい”な男の人。
「瀬野……君?」
「お姉さま、お仕事お疲れさまです。以前、お姉さまも一緒に会いましたよね? 俊也さんのクラスメイトの柊朋美さんと、その妹の久美さんです」
「ああ、なるほど。こんな格好でごめんなさい。俊也じゃなくて悠里です。残念だったかな?」
なんで一目で分からなかったんだろう?
テレビで何度も見た通りの、いやそれよりはるかに美少年すぎる、瀬野悠里さんの男装姿。
「わ、わ、わ。ゆーりさんだ。ゆーりさんだ」
我ながら意味不明すぎる感動の言葉を、でも穏やかな笑顔で受け止めてくれたりもする。
「──ドラマずっと見てました。最終回とか、意外過ぎてびっくりでした」
やっと頭に浮かんで口にしたのは、この間最終回を迎えたばかりの連続ドラマ。悠里さんが演じた主人公のライバルはあまりに魅力的で、クラスでも大人気だったのを思い出す。
「ありがとう。感想もらえるのは嬉しいな」
「実はですね、お姉さまはあれ、うちでは不本意だ、ってずっとこぼしてたんですよ」
「もう、アキちゃん。それ他の人に言わないでもいいでしょうに」
「『誰が見ても嫌な女』って役だったのに、人気出ちゃって。脚本も途中から予定と随分変わってしまって申し訳ない、っとかなんとか」
「へぇ~」
「そうなの。私は指定された役すら演じられないんだなあ、って実は少し凹んでるの。……って、ごめんね。こんな愚痴めいたこと言って」
「いや、そういう裏話、とっても面白いです」
「これから事務所に行くからごめんなさいね」と謝りつつ、立ち去っていく2人。
ドレスを纏ったビスクドールのような、童話のお姫様のようなアキちゃんと、すらりと細身の王子様のような悠里さん。素敵な新郎新婦のようにも見える。
ここがキャットウォークの上であるかのように、優美に歩く後ろ姿に見惚れる。
「ごっめーん。待たせちゃったね」
「理沙ちゃん、遅ーい。時間通り来たら悠里さんとアキちゃん見れたのに、もったいない」
「え? ユーリ……ってどのユーリ?」
「モデルの瀬野悠里さんと、その妹さんの瀬野アキちゃん。知らない?」
待ち合わせ時刻から遅れて登場した、従姉の杉本理沙ちゃん。何年か前までギャルをしていて、『もう卒業したからー』と今は普通の女の子の格好をしているけど、言動からは正直ギャルがあんまり抜けてないと思う。
「あー。その悠里かぁ。……まぁいっか。今更顔会わせてもしゃーないし」
「え? ひょっとして知り合いとか?」
「昔、アタシこっちに住んでたのは覚えてるよね? その頃のクラスメイトなんだ」
「へぇー。そんな偶然てあるんだ。悠里さんの弟さんに俊也君て人がいて、わたし中学高校と同じ学校だったの。クラスメイトになったのも何回かあったり」
「俊也、かぁ。まさかこんなとこであいつの名前がでるとはねぇ。そういえば悠里には聞いてみたかったんだよな。愛里って実は女装した俊也じゃないんかって」
「いーや、瀬野君と愛里さんは別の人よ? ねー、久美」
「そっかあ。考えすぎかぁ。……ま、立ち話もなんだし、飯食いに行かない? 腹減った」
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「もうかなり前だけどさ、俊也君にギャルの格好させて一緒に遊んだことあったんだ」
食事のオーダーを済ませたあと、理沙ちゃんが話を再開した。
「それ、女装ってこと?」
「そゆこと。下着までばっちり女の服着せてさ、メイクしてウィッグかぶせて」
「瀬野君、あんなに女装いやがってたのに、そんなことしてたんだ」
「そんときゃ、大喜びで女装してたけどな? すんげーノリノリだったし。でもまあ、あれ5年くらい前だっけ? さすがに今は男らしくなって女装も似合わなくなってるよな」
「そんなことぜんぜん。文化祭でわたしたち男女逆転メイド・執事喫茶やって」
「ほんで俊也がメイド服着て似合ってたって話?」
「いやそれは嫌がって、結局他の女の子たちに混じって執事の格好してたんだけど」
「す……っごい美人だったよねえ。『ザ・男装の麗人』って感じで。口紅引いただけなのにね。ちょっと待って。その時の写メ、残してたはず」
スマホを取り出して、お姉ちゃんの高校の文化祭に遊びに行ったときに撮った写メを見せてみる。
「ぶっ、すごいな。今でも悠里と同じ顔なんだ。この隣の子、可哀そうなくらい引き立て役」
「一応、その子がその年のミスコン優勝者なんだけどね」
「なんだろうね。こーゆーの見てると、性別ってナニ? って気になるよね」
その後もひとしきり文化祭の時の話で盛り上がって、俊也さんがギャルになった日の話に戻ってくる。
「その日会ったメンツ、そういえばそのあとちょいちょい遊ぶ仲になったんだよなあ。流星あたりからは散々せっつかれたけど、俊也はそのあと結局1回も来なかったっけ」
そう言って語り始めた理沙ちゃんが話し始めた内容は、とても信じられないようなことばかりで、あまりに日常的で非日常的な冒険譚に、すっかり引き込まれる私たちがいた。
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「詩穂さん、結婚おめでとうございます」
「ありがとう、久美ちゃん」
それからあっと言う間に時間が過ぎて、アキちゃんからチケットを買ったイベントの当日。待ち合わせの喫茶店、従姉の詩穂さんと、その婚約者の西原雄一郎さんと挨拶を交わす。
詩穂さんの恋人としては知っていたけど、結婚が本決まりになってからは初めての顔合わせ。
「朋美ちゃん、こんな素敵なイベント紹介してもらってありがとう。詩穂が着るウェディングドレス、どんなのがいいか迷ってたから、ちょうど良かった」
小柄で細身、社会人なのに『美少年』って感じの雄一郎さんが穏やかに笑いながら言う。
でも前の理沙ちゃんの言葉が本当なら、この人が“ユウコ”なわけで。思わずじっと見つめてしまったりもする。確かに色白で肌も髪も綺麗で睫毛も長い。今まではそういう目で見たことはないけど、確かに女装すればそうとうな美人になりそうな気もしてくる。
「遅れてごっめーん」
予想してたよりはやや早めに、時間にルーズなあの人が到着。後ろにもう一人、やたらに細身の知らないお姉さんが付いてきている。
「おー、詩穂に雄一郎か。むちゃ久しぶりー。この子らが話してた従妹たち?」
緊張感をほぐすような柔らかな笑顔で、そのお姉さんが話しかけてくる。
「うん、こっちが朋美でこっちが久美、アタシらの従妹。で、こちらが前話したサーシャね」
「どもっ、初めましてサーシャっす。お邪魔してごめんね。ほんでこれが、ご依頼の品」
「……わっ、サーシャさんやめてください。勘弁してください」
彼女が差し出したタブレットの画面を、雄一郎さんが軽く悲鳴を上げて手で覆い隠す。
「あら、これから私たちみんな身内になるんだから、隠し事はなしにしましょうね?」
「そーそー♪ ほい、こっちもあるから」
理沙ちゃんが紙袋からプリクラを取り出して、私たちに手渡す。
今となっては少し懐かしい、ギャル系の格好をした理沙ちゃん。その隣に、少し拗ねたような表情で、色っぽい系のすんごい美人が写っている。
恥ずかしそうに目を背ける雄一郎さんと、写真の中の女性の間で視線を往復させてしまう。
確かに面影がある。でもとてもこれが男とは信じられないくらいの、見事な美女ぶり。
「いやこれはね、理沙ちゃんとかに無理やり女装させられて……軽蔑した?」
「軽蔑、ってなんでです? こんな美人になれるだなんて、尊敬しちゃいます」
「……そ、そうなの?」
お姉ちゃんの言葉に目をぱちくりさせる雄一郎さんの手をのけ、タブレットを鑑賞する。どこかやや暗い室内で撮った集合写真。8人の男女がポーズを取って写っている。
「アタシとサーシャは分かるよね? で、これがユウコで、こっちがトシコちゃん」
理沙ちゃんの指先にいる、豹柄の服を着てギャル系の濃い目の化粧をした金髪の超美少女。
駅前に一人で立っていたら、3秒でスカウトが飛んで来たという武勇伝も今なら良く分かる。悠里さんを若くして、ギャルの格好を着せたらちょうどこんな感じになるんだろうか。これが本当は男の人なんて──そう思うと、なぜか胸がドキドキしてくるのを覚える。
女性(?)陣の話や、ギャル女装俊也さんのプリクラで盛り上がったあと、男性陣の話へ。
「これが京介。ユウコが男って知って人間不信になりかかったけど、今は通ってた剣道場の娘さんを恋人にしてリア充やってる。大学院卒業したら結婚って言ってたっけ」
「このでかいのがヨッシー。家業の酒屋継いでたよね。で、この眼鏡……誰だっけ?」
「覚えてねーんかい。直樹だよ。『仕事辞めたい』ってメールは時々来るけど、『辞めた』って話は聞いてないからまだSEのまんまじゃないかな。んでラストのこいつが……」
「うわ、すっげー奇遇。なんでお前らこんなとこいるん?」
そこまで話が進んだとき、伝票を持った軽そうな男性が声をかけてきた。
「『噂をすれば影』すぎっだろ……こいつが流星。最後の1人」
「こっちがアタシらの従妹の朋美に久美。あんまり似てないねとか、似てるのは身長くらい、ってよく言われるけど」
「初めまして久美です。お噂はかねがね」
「朋美です」
「やぁ、初めまして。アカギ・リューセイっす。ユーイチは今日はユウコしてないんだね」
「もう結婚ですから、流石にそういうのは止めますよ」
「……あら、『誰と』結婚すると思ってるのかなー? 休日はもうずっとユウコになってもらうからね」
「勘弁してよ」と雄一郎さんは言うけれど、言葉とは裏腹の表情で色々分かってしまう。
ゴチソウサマです。
「まー、色々話したいことあるけどさ、オレそろそろ用事あっからメンゴな」
「あらこんな時間。私らも行かないと……ひょっとして同じ目的?」
詩穂さんが見せたチケットに、「あー、それそれ」と頷く流星さん。
結局会場まで移動しながら会話を続けることに。
「けど珍しいよね? 男1人で来るようなイベントじゃないっしょ」
「トシコちゃんが出るんだもん。可能な限り押さえるよ」
「アンタまだフリーターよね? よく金続くよね」
「トシコちゃん……ですか?」
「うん。さっきあの写真見てたってことは、教えてもらってるよね? セノ・アイリって芸名で、今回のイベントにも参加してるの。知らないかな?」
トシコちゃん=俊也さんは男の人で、愛里さんはよく似ているけど女の人だから別人。流星さんはそのことをまだ知らないんだろうか? 教えたほうがいいのか悩んでみる。
……そういえば雄一郎さんのほうは、トシコさんの正体は知っているんだろうか? さっきの話ぶりだと、サーシャさんは知っていたようだけど。
少し興味が湧いてきて、少し後ろのほうで歩いていたグループに合流して、雄一郎さんにさっき浮かんだ疑問をこそこそ質問してみる。
「うん? それは一応知ってる……その日の夜に教えてもらってね。とても信じられなかったし、世界の終わりみたいな気分がしたよ。正直、今でも半信半疑」
「雄一郎さんもあれだけ綺麗に女装してたのに?」
「写真だとそれなりに見えるかもしれないけど、断然レベルが違うから。流星さん、初日からボクを男と見抜いてたけど、今でもトシコさんは女の人だと信じてるわけだしね」




