拓海の想い
ああ
あああ
ああああ
あああああ
あああああああああああ
暇だ。
拓海の家に泊めてもらい始めて既に4日が経過した。最初の内は色々ワケとかを問われたけど、何も答えないでいたら泊めないぞと言われてたから、迷惑掛けた詫びに夕食を作ってそれから出ていこうと思っていたら、夕食を食った瞬間拓海が「理由なんて何でもいい、お前ずっとここにいろ」とか言いだして、現金な奴だなと思いながら僕は今この家に滞在している。
今拓海は部活だと言って外に出てしまった。盆に部活って結構本気だな、とか思いながらも見送ったは良いが、暇すぎて暇すぎて、何かしようと思っても何もすることがない・・・。
こんなに暇だと・・・
気分沈んできた・・・寝よ
・・・起きろ
夢の中から声が聞こえてくる
・・・起きろ
「起きろ」
僕はその声に従がった
「・・・なんだ、拓海か・・・」
「なんだとはなんだ。そしてなぜそんなにざんねんそうな顔をしている」
なんだ、僕はそんな顔していたのか・・・
「ははぁん、お前確か神崎生徒会長と同居だったよな。それでお前いつも彼女に起こしてもらってるんだろ。ほんでもってそれに慣れたから野郎に起こされたことに残念に思ってるんだろ?羨ましい奴だな。起きて早々あんな美人の顔が見られるなんて」
「・・・うるせぇ」
今はその人の話はしたくなかった。
思い出したくなかったから寝たのに。台無しだ。
「まぁ、なんだ、陽、話は変わるけどお前、後悔すんなよ」
「はぁ?」
何を急に言い始めるんだ?
「いやさぁ、4日間一緒にいたけど、今のお前全然面白くねぇよ。何があったか知らねぇが、いつも何か辛そうな顔してさ。」
「・・・ほっとけよ」
「俺さ、小曾根さんのことが好きだったんだ。可愛いのはもちろん、いつも明るくて元気いっぱいでさ、笑顔がとても綺麗で・・・」
いきなり何を言い始めるんだ?
ていうかこいつ、彼女の協力者じゃなかったか?
「でもさ、ある日お前のことで相談されたんだよ。まぁお前と俺、一番仲良かったからな。でさ、俺協力するって言っちまったんだよ。本当は協力なんてしたくないのに・・・」
「それから事あるごとに俺に相談にくるんだ。悔しかったよ。八つ当たりだけどお前のことも恨んだりした。」
そうだったのか。
全く気づかなかった
「でもな、なんぼ心の中では恨んでてもやっぱりお前のことも好きだったんだ。変な意味じゃないぞ?生徒会で頑張ってる姿も、テスト勉強を死ぬ気でやってた姿も、テストで良い結果を出しても全然傲らなかった姿もいろいろ見てきた。ほんで陽のことを尊敬もしてたんだ」
そんなの僕だって、いつもクラスを盛り上げてて、誰に対しても笑顔な拓海のことを尊敬している
「だからお前になら小曾根さんを任せられる、とどこかで認めてもいたんだ。・・・だけど今のお前は全然駄目だ。こんな奴に俺は負けたのかと思うと俺は本当に悔しい。」
だろうな・・・
「なぁ、陽。俺を納得させてくれよ。あ、こいつになら負けてもしょうがなかったと、思わせていてくれよ。いつもの陽にもどってくれよ。何があったかしんねぇけど、そんな世界に絶望した顔してないで、希望を持てよ。がむしゃらにやってみろよ。いつものお前みたいに」
がむしゃらに、か。
確かに拓海の言う通りかもしれない。
僕だって麗華さんとこのまま別れるのはいやだ。
伝えたいこともある。
「なぁ拓海。僕って結構しっかりした男かな?」
「ん?あぁ、本当のお前は良い男だぞ」
「・・・そうか。ありがとう」
怖さもある。少し怒りもある。
だけどやっぱりこのままは嫌だ。
ちゃんと・・・
「拓海、僕やってみるよ」
「・・・そうか。何かしんねぇけど頑張れよ」
「うん、ありがとう」




