文化祭 前日
「もっと左にお願いします。あ、そこは右を少し下げて下さい。」
文化祭前日、僕は講堂装飾の指揮をとっていた。
「あ、OKです」
あちらこちらに指示を出さないといけないので目が回りそうだ。でも、これが終われば無事明日を向かえることができる。後もう一踏ん張りだ。
「全体的にもう少し上げて下さい。」
「いい感じね。何とか間に合いそう。」
「あ、麗華さん。もうそちらはいいんですか?」
麗華さんは宿泊手続きをしに来る生徒達の対応をしていた。思うように準備が進んでないところが多いのか、多数の団体が押し寄せていた。
「えぇ、何とか落ち着いたわ」
「お疲れさまです。こちらももうすぐ終わるんで、先に休んでて下さい」
ここ一週間麗華さんは働き詰めだった。少し休まないと当日も司会など、仕事がいろいろあるし体力がもたないだろう。
「ええ、そうさせてもらうわ。ここは任せたわよ。」
「はい。僕も終わり次第生徒開室に戻ります。」
この仕事が済んだら次はとまる人達にシーツを分配したりしないといけない。それに監視も生徒会がやるそうなので僕達も今日は泊まりだ。何も起こらないことを祈る。
まぁ先の心配より今の仕事に集中だ。
ふう、装飾が終わったので生徒会室に戻っていた。
「終わりましたぁ」
入るなり中にいるだろう麗華さんに声をかけた。
「あ」
静かと思ったらソファー横になっている女性がいた。よほど疲れが溜まっていたのかグッスリ寝ているようだ。起こすのも悪い気がしたのでなるべく音をたてないように向かいのソファーに腰をかけた。麗華さんの顔を見ると思わず笑みがこぼれる。いつもはどこか緊張している感じの顔には今、安らかさしかない。できれば何時もこの顔をしていてほしい。
これから20分程、この静かな空間の中僕は何をするのでもなく唯一点を見つめていた。
時計に目をやると6時少しすぎだった。もう生徒会でやらなければならない仕事は終わっていたので、8時の布団配布まで特に用事もないが、そろそろタ飯を食べておいた方がいいだろう。気は進まないが麗華さんを起こすことにした。そこで僕は4月の頃麗華さんを起こした時のことを思い出した。また不機嫌にならなきゃいいけど。まぁ学校だし大丈夫か。
「麗華さん、起きて下さい。そろそろ食事にしますよ。コンビニに行くので何を食べるか言ってくれれば買いに行きますんで、少し起きて下さい。」
僕は麗華さんの顔の前で屈んで声をかける。
「・・んン・・・」
「麗華さん、起きて下さい」
すると少しずつ瞼が開いてきた。
「・・ナニ?」
少し寝ぼけていたが返事が返ってきた。
「コンビニ行くんですけど何食べたいですか?」
「・・・おにぎりとサンドウィッチ」
「具は?」
「・・・何でもいい」
「分かりました。もう少し寝てていいですよ。」
僕は寝ぼけているせいで何時もより幼い感じも手伝って麗華さんの頭を撫でてしまった。
あ、しまった
「ふにゃぁ」
しかし麗華さんは普段では考えられない声を残して再び眠りについた
可愛い
学校の近くのコンビニに食べ物を買って再び生徒会室に戻った時麗華さんは起きていた。
「買ってきましたよ。食べましょう」
食事を食べ終わった後布団を配布して、近くの銭湯に行って、就寝時間になったら皆寝たか見回りしてから先徒会室に戻り、僕達も寝ることにした。
「いよいよ明日ですね」
「そうね」
「僕大変でしたけど生徒会に入って良かったと思っています。企画するのがあんなに楽しいと思っていませんでした。誘っていただきありがとうございました。」
「私も楽しかったわ。明日は頑張りましょう」
「はい」
中々寝れない。
「まだ起きてますか?」
「何?」
「いや、中々寝付けなくて」
「私もよ」
「まぁ先輩は夕方ぐっすり寝てましたからね」
しまった
「陽君、明日を向かえたくないの?」
「い、いえ」
「そう、残念だわ」
何が?
「でも一緒に住んでいますけど同じ部屋で寝るの初めてで何か緊張しますね」
「変なことしないでよ?」
「しませんよ。」
ポツリポツリ会話しながら気づいたら眠ってた
明日は頑張ろう




