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劇 練習

「あぁもう私はあなた無しでは生きていけない。私と結婚してくれ。あなたを愛しています。」

あぁ、なんで僕がこんな恥ずかしいセソフを・・・

しかもこの人に向かって・・・


「全然駄目。そんなんじゃぁ私の練習相手にならないわ。もっと感情入れなさい。まぁこんなシーン経験したこと無いと思うから難しいかもしれないけど」


文化祭で劇をすることになった麗華さんは練習といって僕に相手を頼んできた。まあ断る理由もないし、もし断ったときのことを考えると鳥肌がたったので、快く引き受けたのだが・・・・・・

台本を見た瞬間固まってしまった。

物語の内容がラヴストーリーだったのだ。甘い言葉の連発連発、演技とはいえかなり恥ずかしい。

最後はお約束のキスシーンもあるそうで・・・

まぁ本当にキスはせずフリだけだと麗華さんは言っていたけど、少し心配だ。


そして今はその問題の最後のシーンの練習をしている。

「そんな、経験がないっていいますけど僕告白したことはないけど2回ぐらいされたことあるんで結婚を申し込むのと少し違うかもしれないけど、そういった場がどんな雰囲気を持つかぐらい分かります。」


「へえ、ならその雰囲気を出してみてよ」

「う、分かりました」

やってやろうじゃないか

僕は気合を入れ直した

「あぁ、もう僕は君無しでは生きていけない。」

あ、一人称が癖で僕になってしまった。まぁいい、その方が感情移入しやすいし。

そこまで言って僕は麗華さんの両肩に手を置いた。

一瞬ビクっとされたが耐えて貰わないと困る。実際台本にこうやれと書いてある

「僕と結婚してくれ。あなたをあ「ちょっと待って」

セリフの途中で遮られてしまった

折角本気を出していたのに

「なんですか?」

「ごめんなさい。あなたのロから真剣な口調でこのセリフが出てくるのが、本当に耐えられなかったの。面白すぎるわ。プフッ」

普段は上品な笑い方をする人だが、思わず吹き出している

失礼な話だ、そっちが真剣にやれと言ったのに


「ふぅ、もう大丈夫よ。再開しましょう、そうね結婚の所から」

「分かりました。ちゃんと耐えて下さいよ」

次また笑われたら結構キツいものがある



麗華さんの肩に手をかけた

「僕と結婚してくれ。あなたを愛しています。」

よし今度は言い切った

後は麗華さんのセリフを待つだけだ



「はい、喜んで・・・私も、あなたを愛しております」

頬を少し赤く染めて言ったセリフは演技とは思えない程現実味を帯びており僕の心臓を圧迫した。

ためだ、こんな顔がこんなにも間近にあったら我慢できないかもしれない。本当に誤ってキスをしてしまうかもしれない。僕も危なそうだ、早く離れないと



と思った瞬間


何やら柔らかいものが僕の唇に触れていた。

そしてそれが麗華さんのそれだと気づくのに時間はかからなかった。時が一瞬とまった気がした。



「あ、しちゃった」

間もなく、そんな声が聞こえた

「ち、ちょっと、何してるんですか」

ハッとし、慌てているのを自覚しながら問う。


「なにってキス。台本にあったじゃない」

「そ、そういうのはした振りするだけなんです。普通は。あなたもさっきそう言ってたじゃないですか。あぁ、僕の初めてが・・・」

「あら、私もよ。喜びなさい。」

どこかあっけらかんとしている。

この人は自分がした事の重大さが分かってないのだろうか。確かに僕もしてしまいそうと思ってしまったけど。

「そういう問題じゃないでしょう。僕達付き合ってる訳でもないのに。あなたは好きでもない人とキスできる人なんですか?劇の相手が誰だか知りませんが絶対にやめて下さいよ。」



「だって、・・たいって・・思っ・・・・・もん。それに誰・・いい、て・・・・訳・・・・ない。」

反省してるのかボソボソとよく聞き取れないが何か言っている

「え?何ていいました?」

「ごめんなさい。分かりました。気を付けます。と言いました。」

ヤケクソといった感じに言い放った後麗華さんは部屋を出ていった。





すぐ赤くなるくせに大胆な行動をとったり、、、

その変の常識に疎いのかもしれない



何か心配になってきた。













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