休日
どこからかバイオリンの音が、風とともに流れてくる
甘く深みのある美しい声色は僕をいっそう夢の世界へと引きこんでいく・・・
って、んなわけあるか~~~~~~~~
あぁ、もう目が覚めてしまった。
あ高校入学してから初めての休日だったから、ゆっくり寝たかったのに・・・
ふと時計を見るとそこには8時17分としるされていた
しょうがない。起きるか
「おはようございます」
1階の居間に行くとバイオリンを手に持った麗華さんがいた
音源はこの人だったか
「あら、おはよう。早かったのね。
もしかして起こしてしまった?だったらごめんなさい」
笑顔で告げる麗華さん
絶対気にしてない。
しかもさっき弾いてたのは確か“情熱〇陸”っていう曲だ。あれで起きないのは普通じゃない。むしろ僕を起こすためにあの曲を弾いたのかもしれない。
「いや、気にしないで下さい」
「そう、それじゃあ折角だから何か弾いてあげるわ。何がいい?」
「そうですねぇ、では寝起きにちょうどいいものを」
「わかったわ。そうね・・・」
少し間があいてから、麗華さんは弾く体勢に入った。真剣な目だが、どこか優しさのみえる何とも言えない綺麗な表情だった。すると少し口元を少し歪ませて、曲に入った
こ、これは
とても綺麗な音が部屋中に響いていく。一瞬でその場の空気を変えた第1音目は僕に鳥肌を立たせた。
強弱や緩急が旨くついていて、音楽には素人な僕でも上手いと分かる
しかし
この曲は僕の注文したのと違う印象を受ける。
とてもかっこいい曲だが、どこか暗い印象を受ける
それで弾く前少し笑ってたのか・・・
とても楽しそうに弾いている。まるで踊っている様だ。
体とともに揺れる髪がなんとも美しい。
本当にバイオリンが好きなんだろうなぁ
「とても良かったです。楽しそうに弾くのでこっちまで、楽しくなって、リズム刻んじゃいました。
それ、何ていう曲ですか?どこかで聴いたことはあるんですけど・・・」
「ツィゴイネルワイゼンよ。バカでも音楽の善し悪しは分かるのね。ありがとう」
「いえ、まぁ。こちらこそ朝から良いものを聴かせていただき本当に感謝感激です。最初は予想外の曲が始まったのでビックリしたんですけど、あれはあれで目が覚めたので、良かったです。」
「あなたの寝ぼけた顔が見るに耐えなかったの。今はさっきよりはましよ。」
ここで麗華さんはニヤっと笑った
「さて、折角弾いてあげたのだから、今日は買いものに付き合ってちょうだい。引っ越して来たばかりで、道具をそろえたいの。」
・・・・・・・・・・・・・
「え?」
「だから買いものに付き合って。それとも何?こんなに可愛くてか弱そうな女の子を1人で外出させる気?」
しまった。最初からこれが狙いだったんだ。
「うん?」
「いや、えっと、分かりました」
ハァ~~
疲れてるのになぁ~




